メニュー

投稿日:2025年06月19日

テーマ: 国語

中学受験国語 かくれ指示語問題の攻略② 論説文中型記述編

みなさんこんにちは。受験Dr.の久米です。
今回は、前回に引き続き、「かくれ指示語問題」についてお話しします。

「設問や傍線部の前後にある指示語の内容を明らかにすることで解きやすくなる問題」のことを
「かくれ指示語問題」といいます。
「かくれ指示語問題」を解く手順としては、
まずは指示語の内容を明らかにし、その上で設問の文脈に沿って答える、ということになります。
「その」や「この」の内容を明らかにしないまま解くと、とても難しい問題ですが、
指示語の内容が分かれば、簡単に解けることが多いのです。
前回は選択肢問題を学習しました。
今回は論説文の中型記述問題(30字~60字の記述)を取り上げます。

例題
 相手が傷つくような厳しいことは言わず、相手の気分がよくなるようなことばかり口にする人物は、人のことを気にしながらも、「相手そのもの」に関心があるわけではなく、「相手の目に映る自分の姿」に関心があるだけなのである。
 つまり、相手に対して「元気がないな、何かあったのかな」「ここでどんなことを言うのが相手のためになるのかな」などど考えるのではなく、「なんか態度がおかしいな、気分を害するようなことを言っちゃったかな」「こんなことを言うと感じ悪いかな」などと、常に自分がどう思われるかに関心があるだけなのである。
 このような人は、今どきのやさしさの基準からすればやさしいとみなされがちだが、ほんとうはやさしいというよりも、自己愛が強いとみなすべきだろう。

問 傍線部とありますが、それはなぜですか。40字以上45字以内で答えなさい。
(国学院久我山中2018 改題)

傍線部の最初に「このような人」とありますので、この問題は「かくれ指示語問題」です。
解法にしたがって、まずは指示語の内容を明らかにしましょう。
「このような人」とはどんな人なのでしょうか。
直前に「常に自分がどう思われるかに関心があるだけ」とありますから、
解答①「常に自分がどう思われるかに関心があるだけの人だから」(25字)
とまとめられます。
制限字数は40~45字なので、もう一箇所参考にする箇所を増やしましょう。
「つまり、相手に対して~」の直後の「  」の中の表現は具体的すぎてまとまっていないので、
その前の『人のことを気にしながらも、「相手そのもの」に関心があるわけではなく、「相手の目に映る自分の姿」に関心があるだけ』の部分に注目します。
ここと先ほどの赤字の部分を機械的につなぐと、以下のようになります。
解答②『人のことを気にしながらも、「相手そのもの」に関心があるわけではなく、「相手の目に映る自分の姿」に関心があるだけで常に自分がどうわれるかに関心があるだけの人だから』
下線部は同じことを言っているのでくり返しを避けるために
「自分が相手にどう思われるかに関心があるだけだから」とします。
次に、『人のことを気にしながらも、「相手そのもの」に関心があるわけではなく』を短くします。
㋐「人のことを気にする」ことと、㋑「相手そのものに関心がない」ことのどちらが優先されるでしょうか。
「自己愛が強いとみなすべき」なのは㋐と㋑のどちらかを考えましょう。
当然㋑が答えですね。
㋑を組み込んで作ると、
相手そのものに関心があるわけではなく、自分が相手にどう思われるかに関心があるだけだから」(43字)となり、これが最終的な解答です。

それではまた。
受験Dr.、久米でした。

国語ドクター