こんにちは、太田 陽光です。
今回は、課題作文の問題で全く書けないという人に、練習方法を教えます。
最近の入試では、本文を読んで、その内容に関する意見や、課題が与えられそれに関する考えを、作文にする問題を出す中学校が少なからず存在します。
公立中高一貫校はもちろんですが、
私立でも、吉祥女子、サレジアン国際世田谷、世田谷学園、暁星など、枚挙にいとまがありません。
課題作文の解答字数は100字程度のものが多いのですが、なかには暁星のように、10行の解答欄があるという、長いものを書かせる学校もあります。
上記のような学校を志望校としている受験生の中には、何を書いたらいいのかわからない、一文字も書けないという人もいることでしょう。
そんな受験生が作文を書けるようになるための練習方法をアドバイスします。
1 作文の型を知る。
作文が全く書けない人におすすめなのが、何を書いたら良いのかの型を身につけることです。
1文目に自分の意見 「私は~だと思います。「私は~です。」「私の○○は~です。」
2文目に理由 「なぜなら~だからです。
3文目にまとめ「だから私は~だとおもいます。」「だから私は~です。」「私の○○は~です。」
というふうに、3文で書きます。
どのように言葉を使うかも教えます。(上記の「 」の表現を使います。)
理由を書かせるのは、それを入れるだけで、論理的な文章となるからです。
2 簡単な課題で型に当てはめて書く
何も思いつかない人に対し、書きやすい簡単な課題を出し、作文を書いてもらいます。
たとえば「あなたの好きな季節はいつですか」、「あなたの好きな食べ物は何ですか」です。
今回は「あなたの好きな季節はいつですか」で行います。
私の好きな季節は冬です。なぜなら暑くないからです。だから私の好きな季節は冬です。(40字)
この時に、問いの言葉をそのまま使ってよいこともアドバイスします。
「あなたの好きな季節はいつですか」→「私の好きな季節は冬です。」
何を書いていいかわからないなら、本当に真似して書いてよいのだということを知ってもらい、作文への苦手意識の壁を低くする狙いがあります。ですので、理由の内容は、間違っていなければ、今回の「寒くないから」レベルでも合格です。
大事なのは、大人が目を通すとき、否定的にならないことです。
もちろん、誤字や脱字、文のつながりのおかしさなどは、指摘してください。
しかし内容に関しては、相手を尊重し、「なるほど」と認めてあげてください。
さらに、大人も同じ課題で作文してみて、お互いの作文を批評し合ってみてください。
他の人の作文を読むことで、発想が広がります。
また、国語の苦手な人のひとつのパターンに、文章の解釈しすぎというものがあります。
解釈をし過ぎた結果、本文に書かれていることや問いで聞かれていることを間違って受け取り、
全然違うことを答えてしまうということがあります。
その克服のために文章を正確に写すことが、正確に内容を読み取るトレーニングにもなります。
3 理由を二つ書く
型で書くことになれたら、今度は理由を2つ書きます。
長く書くためのトレーニングとして、要素を増やすことを行うのです。
最初のときには苦し紛れに書いた理由が、トレーニングを続けたことで、自分なりに感じたことを書くようになることが予想されます。
私が好きな季節は冬です。なぜなら、暑くないからです。それに空気がきれいで富士山が見えるからです。だから私の好きな季節は冬です。(63字)
4 理由に体験を入れて書く
理由を複数書くことができたならば、次は理由をより長く書くために、体験を交えて書きます。
この時にも型を真似してもらいます。
「なぜなら、私が、いつ、どこで、何を、どのように、どうしたことがあるからです。」
5W1Hですね。
これらをすべて使わなくてもかまいません。
私が好きな季節は冬です。なぜなら、私が小学1年生の時の冬、自分の家から富士山が見えたからです。それに、寒くないからです。だから私の好きな季節は冬です。(75字)
これですと「いつ」と「どこで」と「何を」と「どうした」の要素を使ったことになりますね。
ここまでくれば、100字の作文に対して、苦手意識はもうほとんどないはずです。
②→③→④の順に、それぞれを1日2つ書くことを計3週間続けてください。
最初のうちは、1つ書くのに10分、もしかしたら30分かかることもあるかもしませんが、
慣れてくると1,2分で書けることもあります。
まずは、何を書いたらいいか全くわからないという苦手意識の払しょくを目的とし、
あせらず、3週間という期間を念頭に置き練習してみましょう。

