こんにちは。
受験Dr.算数科講師の千葉 誠と申します。
規則性の単元から「N進法」について紹介します。
「N進法」は多くの集団塾のカリキュラムではあまり時間をかけて扱うことはありません。
10進法⇔N進法の変換手順さえ知っていれば解ける問題がほとんどだからです。
しかし、実際に模試や入試問題で出題されると、多くの生徒が苦戦しています。
その原因のほとんどは、そもそも「N進法」の問題であることを見抜けていないことにあります。
そこで今回は「N進法」の基本と、実際の問題を例にした「N進法」の見抜き方を紹介いたします。
N進法の基本
N進法とは、N種類の数字(または記号)を使って数を表す方法です。
たとえば、普段私たちが使う数は、 0から9までの10種類の数字を使うので、10進法と呼びます。
0から4までの5種類の数字だけを使う場合は5進法、0 と 1の2種類だけを使う場合2進法となります。
10進法以外は普段使い慣れない数の表し方なので混乱しがちですが、仕組みを理解すれば表し方のルールは10進法と同じです。
・「N進法の表し方」
N進法には「位(くらい)」が存在し、各位に1つの数字を使って表します。
一番小さい位は必ず1の位で、次の位に行くごとにN倍ずつ大きくなっていきます。
10進法であれば、1の位の次は10の位、10の位の次は10×10で100の位、100の位の次は10×10×10で1000の位・・・と次の位に行くごとに10倍ずつ大きくなります。
5進法であれば1の位の次は5の位、5の位の次は5×5で25の位、25の位の次は5×5×5で125の位・・・と次の位に行くごとに5倍ずつ大きくなります。
・「N進法 → 10進法の変換」
N進法で「ABC」という3ケタの数は、N×Nの位がA、Nの位がB、1の位がCなので、
10進法に変換するときには
A×N×N+B×N+C×1
という計算をします。
(例)5進法の「234」を10進法で表すと
2×5×5+3×5+4×1=50+15+4=69
→5進法の「234」=10進法の「69」
・「10進法 → N進法の変換」
割り算を使って商とあまりを求める方法が基本です。
10進法の数をNで割ってあまりを出し、その商をまたNで割ってあまりを出し、・・・という操作を商が0になるまで繰り返し、それぞれの余りを逆から順に並べるとN進法の表し方になります。
(例)10進法で 69 を 5進法で表すと
69÷5=13あまり4
13÷5=2あまり3
2÷5=0あまり2
→10進法の「69」=5進法の「234」
それでは実際に問題を解きながら「N進法」の見抜き方について説明します。
【問題】
ア,イ,ウはそれぞれ6以下の整数です。
ア×49+イ×7+ウ=216
となるとき,ア,イ,ウをそれぞれ求めなさい。
(2)
ある決まりに従って,〇,△,☐の3種類の記号を4つならべて数を表すと、以下のようになります。
〇〇〇△=1,〇〇△〇=3,〇〇△☐=5,〇〇☐☐=8,〇△○○=9,〇☐〇〇=18
① △〇☐△はいくつになるか求めなさい。
② 47をこの決まりに従って記号で表しなさい。
【解説】
(1)
N進法を見極める際に大事なのが「位(くらい)」の存在です。
ウ=ウ×1と考えると、ア,イ,ウにかかっている数が49←7←1と7倍になっています。
つまり、ア,イ,ウは「7進法」おける各位の数を表していることになり、
10進法の「216」=7進法の「アイウ」となります。
ここで「10進法 → N進法の変換」を使うと
216÷7=30あまり6
30÷7=4あまり2
4÷7=0あまり4
→「アイウ」=「426」
→ア=4,イ=2,ウ=6
(2)
まず注目したいのが、「3種類の記号で数を表す」という問題設定です。
3種類の数字で数を表す場合「3進法」を使うことになりますが、「3進法」で使う数字は0,1,2の3種類です。
つまり、〇,△,☐の記号がそれぞれ0,1,2を意味していると考えられます。
一番小さい位は必ず1の位なので、○○〇△=1より、〇は0、△は1
○○△〇=3、○○△☐=5より、☐が2を意味していることがわかります。
{〇,△,☐}={0,1,2}
4つの記号をならべるので位が4つあり、「3進法」なので右から順に
1の位、3の位、9の位、27の位と並んでいることになります。
①
△〇☐△を数字で表すと「1021」
「N進法 → 10進法の変換」を使って3進法の「1021」を10進法で表すと、
1×27+0×9+2×3+1×1=27+0+18+1=36
→△〇☐△=36
②
「10進法 → N進法の変換」を使って47を「3進法」で表すと
47÷3=15あまり2
15÷3=5あまり0
5÷3=1あまり2
1÷3=0あまり1
→10進法の「47」=3進法の「1202」
{〇,△,☐}={0,1,2}なので、記号で表すと
3進法の「1202」→△☐〇☐
「N進法」を見抜くためのポイントは
・N倍ずつ増える「位(くらい)」を意識する
・数を表すのに使える数字(記号)の個数を考える
ということです。
「N進法」の問題だと気付ければ、作業は「N進法 → 10進法の変換」と「10進法 → N進法の変換」だけなので解くのは簡単です。
今回紹介したポイントをおさえて「N進法」の問題を得点源にしていきましょう。
それでは、失礼します。

