みなさん、こんにちは。受験Dr.の亀井章三です。
今回は「難問を解く方法」です。
解くのが難しい問題は、どこに着目しどう展開していくのか。
2025年開成中学の入試問題を使用して説明します。
開成の算数は大問3~5題で年によってバラバラです。
ここ数年は、リード文が長い大問も出題されるため、試験時間が60分と
長くてもテンポよく解いていく必要があります。
まずは大問1です。

2025年の大問1は小問集合でした。この場合、確実に解ける問題から解き
ましょう。
(1)は計算問題です。面積の単位が厄介ですが、開成を目指す受験生であれば
正解しないといけません。
(2)は相当算です。相当算は最後に残ったものがどう表されているかを確認します。
今回は「はじめの所持金の4割より480円多かった」と、はじめの所持金の割合
が使われています。このパターンが一番厄介で、後ろからたどっていくこともできま
せん。複数の記号を用いると面倒な消去算が待っているため、全体の量を①とお
いて、「商品Aを買ったあとの残金」「商品Bを買ったあとの残金」、そして「商品
Cを買ったあとの残金」のすべてを、「はじめの所持金の〇倍より△円多い、また
は少ない」の形で表しましょう。式の展開という数学的手法を使うため、慣れてい
る人が解きやすい問題とも言えます。
余裕があれば、自分が出した数値を代入し、確実に正解であることを確認してお
きましょう。
続いて大問2です。

操作を伴う場合の数の問題は、開成頻出単元の一つです。
こういう問題を解く時に注意したいことは「時間をかけ過ぎないこと」です。
(1)はルールの確認であるため、ササっと正解しましょう。
(2)は論理だけで解き切るのは難しいため、(1)の結果を上手く使えないか試して
みると良いでしょう。「5」と「7」が横一列にしか置けないため、上から何段目に「5」
や「7」を置くかをまず決め、そこからいろいろ試してみましょう。
(3)は最近開成で出題される形式で、ポイントが大きい答えほど、高い得点を与える
というものです。つまり、部分点がもらえることが明記されています。これは、絶対に
取り組んで1点でも得点を取りにいくべきです。ただし、最高点がどうかを論理的に
証明することは、かなり難しいため、解答時間を5分なり7分なり自分で決め、その
時間以上は作業しないようにしましょう。こうすることで他の問題を解く時間を確保し
ます。時間内で見つけた最大の答えを書き、後は高得点が入ることを願いましょう。
続いて大問3です。


問題文の長さとグラフでの作業が、この問題の難易度を引き上げています。
しかし、問題文の構造をよく見ると、(1)はこのグラフを完成させるための誘導に
なっています。その後、4つの小問が続くことから、「グラフをしっかり完成させること
ができると後の問題が解きやすくなる」と考えられます。そのため、慌てて解くのでは
なく、問題文の条件を確認しながらグラフを完成させましょう。
先に大問4を見て、大問4をある程度片付けてから、最後に腰を据えてこの問題に
取り組むのも良い作戦と言えるでしょう。

この問題のグラフを作図するうえで難しいのが、道㋐・㋑・㋒の長さが等しくなく、
それが最初の条件では分からないということです。
のぞみさんが、㋐㋑㋒と進んでBに2回目に着いたとき、ひかりさんは㋐を進んで
Bに着きました。その後、のぞみさんは㋐㋑㋒㋐㋑㋒と進み、ひかりさんは㋑㋒㋐㋑
と進んで再びBで出会いました。さらにその後、のぞみさんは再び㋐㋑㋒㋐㋑㋒と
進み、ひかりさんは㋒㋐㋑㋒と進んで同じBに来ました。
このことから、ひかりさんが進んだ㋑㋒㋐㋑と㋒㋐㋑㋒が同じ距離になり、㋑=㋒
とわかります。ひかりさんの動きから、㋑㋒㋐㋑は㋐の2倍になることがわかるた
め、㋐は㋑、㋒の3倍になります。
この比をグラフの縦のマス目に反映させることで、上のグラフが完成します。
(黒線=のぞみ、赤線=ひかり、青線=こだま)
問題文を正しく理解し、きちんと作業できたかどうかで得点が変わります。
開成中を目指す受験生は、読解力と作業力を鍛えておきましょう。
最後に大問4です。


立体の切断面の形状や長さを考え、作図していく問題です。
一見すると難しい立体の問題に見えますが、「解法説明誘導問題」になっています。
解法説明誘導問題とは、この問題の解法そのものが、問題文に与えられていて、
その途中にある空欄に適切な用語や数字を入れて読み進めていくことで、問題が
解けているというものです。
ポイントは、読みながら必要に応じて、図や式を書いて確認していくことです。
作図問題はいつ出題されるか分かりませんので、コンパスの使い方(垂直二等分
線・角の二等分線の引き方)は練習しておきましょう。
今回は開成中2025年の問題を用いて、難問を解くためのポイントを説明しました。開成の「難しい」ポイントは、長めの問題文を正確に理解する「読解力」、いろいろ
試行錯誤する「行動力」と言えるでしょう。普段の学習でも、文章を読みながら時折
これまでどういう内容だったか、思考を整理していく習慣を身に付けられると良いで
しょう。

