みなさんこんにちは。受験Dr.の久米です。
今回は、国語の記述で、「書く内容は分かっているのに上手く書けない」「解答と大筋は合っているのに減点されてしまう」というお子さんのために、記述をすっきり書くポイントを3点お伝えします。
①設問にない人名は補って書く
②同じ表現のくり返しは避ける
③「○○が××が」「○○は××は」と「が」「は」を連続させない
実際の問題と解答例で説明しましょう。
例題①
「非難されているように感じた」とありますが、どういうことですか。「~ようにも感じた」につながるように60字以内で答えなさい。(駒場東邦2021改題)
解答例
お腹が痛いと言って登校できず家で一人でいるのに仕事に行こうとしていることを見透かされて責められている(ようにも感じた)(50字)
この解答例では、お腹が痛いと言った人が誰で、仕事に行こうとしている人が誰なのかが分かりません。設問にない人名を補って書く必要があります。
模範解答
腹痛をうったえ学校に行っていない息子が家に一人でいるにも関わらず、仕事に行こうとする祥子をみなが責めている(ようにも感じた)(53字)
この模範解答ならば、「息子を置いて仕事に行く祥子をみなが責めている」という人物関係が分かりやすくなります。私は普段子どもたちに、「本文を読んでいないあなたのお母さんがこの設問と解答を読んだとき、何が起こったのかが分かるように書いてね」と伝えています。
例題②
「厳密に言えば、草壁のためではない」とありますが、安斎のほんとうの目的は何ですか。「…ため」に続くように三十字以上三十五字以内で説明しなさい。(吉祥女子2023改題)
解答例
久留米先生が草壁が駄目だという先入観を久留米先生に考え直してもらう(ため)(33字)
人名が明示されていない例題①とは逆に、同じ人名がくり返し出てくるので分かりづらくなっています。省略してまとめましょう。また、「久留米先生が草壁が」という「が」のくり返しも避けましょう。
模範解答
草壁がだめだと久留米先生が先入観を持っているので考え直してもらう(ため)(32字)
誰がだめで、誰が先入観を持っているのかを分かりやすくするため、「草壁がだめだ」と「久留米先生が先入観を持っている」の2つにそれぞれ短く分けました。このように主語-述語のブロックを短く分割すると読みやすくまとまります。
例題③
「ぐっと唇に歯を立てて、体ごとかえちゃんのほうに向けた」とありますが、この動作には「私」のどのような意志が込められていますか。「~意志」に続く形で50字以内で分かりやすく答えなさい。(晃華学園2023改題)
解答例
クラスのみんなが文乃ちゃんが字が汚いとか失敗したとかからかっていることがおかしいと言ってやめさせる(意志)(49字)
これも例題②と同じく、「が」が連続しており読みづらくなっています。「クラスのみんながからかっている」「文乃ちゃんが失敗した」という形で、「主語-述語」を短い形で2つに分割して書きなおします。
模範解答
文乃ちゃんが失敗したことを、クラスのみんながからかっているのはおかしいと伝え、やめさせる(意志)(44字)
主語と述語のブロックごとに短く分けて書き、読点を入れたことで読みやすくなりました。
まとめます。
①設問にない人名は補って書く
②同じ表現のくり返しは避ける
③「○○が××が」「○○は××は」と「が」「は」を連続させない
以上の3点に注意して書くと、相手に伝わりやすい記述が書けます
それではまた。
受験Dr.、久米でした。