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投稿日:2025年12月30日

テーマ: 社会

歴史・公民分野の時事情報をアップデート!~中学受験 社会科の時事問題~

みなさん、こんにちは。
受験Dr.社会科担当の松田吉郎と申します。

今回も、時事問題対策の総まとめとして、2023年~2025年の約3年分の時事情報を中心に確認します。
・必要に応じて、お使いの資料集に書き加えながらアップデートしていきましょう。
・おもに歴史・公民分野(世界地理・国際ふくむ)で出題されそうな情報を、出題頻度が高いと思われる順に記していきます。

 

歴史分野

①周年情報の確認
▸末尾5年の重要年号
645年  中大兄皇子・中臣鎌足乙巳の変で蘇我氏を除く
1185年 源頼朝が守護・地頭を設置、全国支配を開始
1485年 山城国一揆が起こり、守護大名の畠山氏が追放される
1575年 織田信長長篠の戦いで武田軍を破る
1605年 徳川家康が将軍職を譲り、駿府城で大御所政治をはじめる
1615年 大坂夏の陣で豊臣氏が滅亡する
1635年 徳川家光のとき、武家諸法度に参勤交代が制度化される
1825年 異国船(外国船)打払令が出される
1875年 樺太・千島交換条約が出され、千島列島全域が日本領に
1885年 内閣制度が発足し、伊藤博文が内閣総理大臣になる
1895年 外務大臣陸奥宗光により下関条約が締結される
1905年 外務大臣小村寿太郎によりポーツマス条約が締結される
1915年 内閣総理大臣の大隈重信対華二十一か条要求を出す
1925年 普通選挙法・治安維持法を制定、ラジオ放送が開始される
1945年 沖縄戦・東京大空襲・原爆投下ポツダム宣言受諾
1955年 鳩山一郎により自由民主党が結党される→55年体制
1965年 内閣総理大臣の佐藤栄作が日韓基本条約を締結
1995年 1月17日に阪神・淡路大震災が起こる
2005年 中部国際空港開港、愛知万博(愛・地球博)が開催、郵政民営化法成立
2015年 北陸新幹線(長野駅~金沢駅)が延伸、11ケタのマイナンバー制度開始、パリ協定を採択

▸末尾6年の重要年号
1086年 白河天皇が譲位して上皇となり院政を始める
1336年 後醍醐天皇が吉野に逃れ、南朝を宣言する
1866年 坂本龍馬が仲介し、薩長同盟が成立する
1886年 ノルマントン号が沈没→領事裁判権撤廃運動が激化
1926年 昭和元年(2025年は『昭和100年』
1936年 大蔵大臣の高橋是清が二・二六事件に倒れる
1946年 内閣総理大臣が吉田茂の時、日本国憲法が公布
1956年 内閣総理大臣が鳩山一郎の時、日ソ共同宣言を締結
2006年 安倍晋三内閣が発足→第四次政権までで在職合計3188日
2016年 北海道新幹線(新青森駅~新函館北斗駅)開通

▸還暦を迎えるできごと
五行・十干と十二支の60通りの組み合わせがあり、2025年は乙巳(きのとみ)、2026年は丙午(ひのえうま)となります。1380年前(還暦を23周ぶん)の乙巳の変(645年)は大化の改新のきっかけとなる重要事件でしたね。
丙午については、前回が約60年前の1966年でした。この干支の年に生まれた子にはあまり良くない迷信があったことから、1966年生まれの世代の出生率が大きく落ち込みました。近年はあまり迷信を気にしない風潮も強いようですが、さらなる少子化・出生率低下が心配されます。

 

②近年のNHK大河ドラマの主人公
・徳川家康(2023年)
・紫式部(2024年)
・蔦屋重三郎(2025年)
→歴史の授業ではなじみのない名前ですが、田沼意次が劇中でも重要な役どころでした。
・豊臣秀長(2026年予定)
→兄・豊臣秀吉の出世に貢献し、天下統一後も軍事・内政の両面で支えました。

 

公民分野(世界地理・国際ふくむ)

①おもな選挙
▸2023年第20回統一地方選挙
1947年に都道府県・市町村の首長および地方議会議員を選出する選挙が開催されて以来、任期を迎える4年ごとにおこなわれます。これまでに市町村合併、任期途中での辞職、議会の解散、大規模な災害などさまざまな理由で選挙日程がずれていき、2023年の統一率は30%を割りこんでいます。
また、投票率が低い傾向が続いていることも特徴的であり、50%を割り込む自治体が多くなっています。

▸2024年第50回衆議院議員総選挙
▸2025年第27回参議院議員総選挙
いずれも政権与党の自由民主党・公明党(当時)が過半数を下回る結果となりました。これらの選挙の結果を受けて、現在は自由民主党の総裁が高市早苗さんに代わり、内閣総理大臣へと就任、公明党との連立を解消して日本維新の会と連立することになりました。

 

②その他の国内の動き
▸2024年 新紙幣の発行が開始される
日本銀行が発行する日本銀行券のデザインが刷新され、1000円札が野口英世から北里柴三郎、5000円札が樋口一葉から津田梅子、10000円札が福沢諭吉から渋沢栄一に変更されました。立体ホログラムやパールインキなどの最新技術が用いられ、偽造防止技術が結集されている。また、深凹版印刷(表面がざらざらしている)や、数字を大きく見やすくしているなどのユニバーサルデザインが取り入れられています。

▸2024年 こども家庭庁が設置される
各省庁がそれぞれに取り組んでいた子どもを取り巻く行政分野を一元化することを目的に、内閣府の外局として設置されました。2021年には内閣直下にデジタル庁が設置され、2026年度中には防災庁が設置される予定になっています。

▸2024年 能登地震
2024年の元日の地震から2年が経過しようとしています。海に突き出た半島という立地であるために陸上交通を用いた救援が遅れ、海底が大きく隆起したために海からの救援も難しかったということが、被害拡大と長期化を招いているようです。

▸物流の2024年問題
働き方改革の一環で、輸送トラックドライバーの時間外労働の上限が適用されることになり、輸送能力の不足や物流の停滞を招きました。現在も、高騰する燃料代と人手不足などで厳しい状況にあると言われています。

▸2025年問題
近年は出生数が70万人を割り込み、少子化が加速しています。そして、1947年~1949年ごろに生まれた第一次ベビーブーム世代・団塊の世代は、全員が75歳以上の後期高齢者となり、国民の5人に1人の割合となっています。労働力の不足や社会保障制度の維持などの課題が山積しています。

 

③国際
▸2023年G7広島サミット(主要国首脳会議)
G7はフランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダで、1975年の第一回サミット以来、開催国がこの順の持ち回りでおこなわれていました(一時ロシアが加入していた時はG8と呼ばれていたこともありました。)。日本で開催されたサミットはこれまで7回あり、1979年、1986年、1993年の東京、2000年の九州・沖縄サミット、2008年北海道洞爺湖サミット、2016年伊勢・志摩サミット、2023年に広島サミットはおぼえておきましょう。2023年のG7サミットは、県内の世界遺産である原爆ドームと厳島神社で行われた記念撮影が象徴的でした。

▸2023年ごろ、インドの人口が世界一に
これまで1位だった中華人民共和国では、1970年代から人口抑制政策として一人っ子政策がおこなわれてきた結果、少子高齢化と人口減少が進んでいます。対して、インドは出生率が高い状態が続いているため、今後も人口増加が続いていく見込みです。

▸2023年ごろGDPドイツに抜かれ4位に
2023年時点での順位は①アメリカ、②中国、③ドイツ、④日本、⑤インドとなりました。日本は、2010年ごろに中国に抜かれ3位になり、2023年にはドイツに抜かれて4位になっています。さらに、正式なデータはまだ非公表ですが、2025年にはGDPの急上昇が続いているインドにも抜かれて5位になる予測になっています。

▸2024年 パリオリンピック・パラリンピック
フランスのパリを中心に各地で開催されたオリンピックは、多くの日本人選手たちが活躍しました。
次回の夏季オリンピック・パラリンピックは2028年のロサンゼルスで開催予定です。
2026年2月6日からはイタリアでミラノ・コルティナダンペッツォ冬期オリンピック開催予定であり、各競技の予選や調整が進められています。

▸2025年 大阪万博開催
大阪府大阪市此花区夢洲で開催されました。大阪府で開催された万国博覧会としては1970年以来55年ぶりです。これまで日本で開催された万国博覧会(「登録博覧会(一般博覧会)」と「認定博覧会(特別博覧会)」の区別はしていない)は以下の通りです。
1970年 大阪府 日本万国博覧会(大阪万博):「人類の進歩と調和」
1975年 沖縄県 沖縄国際海洋博覧会(沖縄海洋博):「海-その望ましい未来」
1985年 茨城県 国際科学技術博覧会(つくば博):「人間・居住・環境と科学技術」
1990年 大阪府 国際花と緑の博覧会(花博):「自然と人間との共生」
2005年 愛知県 日本国際博覧会(愛・地球博):「自然の叡智」
2025年 大阪府 大阪・関西万博:「いのち輝く未来社会のデザイン」

▸2025年 アメリカとの関税交渉が進められる
2025年から再び就任したトランプ大統領により、25%程度の大幅な関税引き上げを行うとの声明が出され、各国がその対応にあたっていました。これまで石破政権が交渉にあたり、7月にはアメリカは日本からの輸入品に対して15%程度の関税率上昇にとどめること、日本はアメリカからの輸入を拡大するなどの内容で話がまとまっています。10月には高市早苗さんを中心にトランプ大統領との日米交渉に臨み、関税にとどまらない日米関係の強化について話し合われました。これに関して、両首脳から『新たな黄金時代を迎える』とのコメントが発表され、日米同盟が一層強化されていくことがうかがえます。

 

④最新のニュース(いずれも2025年7月~11月)
▸コハクチョウの飛来地となっている猪苗代湖がラムサール条約に登録
▸東ティモールASEAN加盟決定
▸1955年に結党以来、初となる女性の自民党総裁
▸憲政史上初の女性の内閣総理大臣
▸東京でデフリンピック開催

 

今回もお読みいただきありがとうございました。
最後の最新ニュースに関しては、今年度の入試問題への反映が間に合うか微妙なところですが、学校によっては11月ごろまでの時事問題を混ぜ込んでくる学校もあります。話題としてもここに挙げた情報は公民分野で頻出であるため、時事問題という枠を外しても知っておいてほしい知識です。

以上、社会科担当の松田吉郎でした。

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