こんにちは。受験Dr.の坂井です。
中学受験を目指す5年生の皆様は、受験に向けて、少しずつ準備を進めている頃かと思います。志望校の選定、模試の活用、家庭学習のペースづくり…。やることはたくさんありますが、今回は「試験当日の過ごし方」について、少し先取りして考えてみようと思います。
実は、受験直前期になると多くのご家庭が悩むのが「試験当日、どうやって会場に行くか」ということ。特に遠方の学校を受験する場合、「前泊(試験前日に近くのホテルに泊まる)」をするか、「当日朝に自宅から出発する」かは、意外と大きな判断ポイントになります。
どちらにもメリット・デメリットがあり、お子さんの性格やご家庭の事情によって最適な選択は異なります。今のうちから「来年こんなことも考えるんだな」と意識しておくことで、直前期に慌てずに準備ができるはずです。
前泊受験とは?そのメリットと注意点
前泊受験とは、試験前日に学校近くのホテルなどに宿泊し、当日の朝はそこから会場に向かうスタイルです。交通トラブルや天候の影響を避けられる安心感があり、試験会場の雰囲気に慣れることもできます。
一方で、環境の変化に敏感なお子さんには不向きな場合もあります。「枕が変わると眠れない」「いつも通りの朝じゃないと不安」というタイプのお子さんには、かえってストレスになることも。また、宿泊費や食事代などの費用もかかるため、併願校が多い場合は経済的な負担も考慮する必要があります。
当日出発のメリットと注意点
自宅から当日出発するスタイルは、慣れた環境で過ごせる安心感があります。生活リズムを崩さず、家族と一緒に朝を迎えられるのも大きなメリットです。特に、環境の変化に敏感なお子さんにとっては、自宅で過ごすことで精神的に安定しやすくなります。
また、費用面でも前泊に比べて負担が少なく、複数校を受験する場合にも対応しやすいという利点があります。
ただし、交通機関の遅延や天候の影響を受けやすく、移動時間が長いと体力を消耗してしまうことも。試験会場までの距離やアクセス方法を、今のうちから確認しておくと安心です。試験当日は、時間にかなり余裕を持った行動が求められます。
今、6年生のご家庭はこんな準備をしています
この時期の6年生は、過去問演習の追い込みに加え、出願校の最終決定、受験スケジュールの調整、そして「前泊するかどうか」の判断にも迫られています。
実際に、あるご家庭では「試験会場まで片道90分かかるため、前泊を決めた」と言い、別のご家庭では「環境が変わると眠れないタイプなので、当日出発にした」と話しています。前泊を決めたご家庭では、『入試当日宿泊するホテルと同じホテルに宿泊し、入試当日と同じ時間に起床し、朝食をとり、受験校まで歩く』といったことを模擬試験で会場受験を受けた際に予行練習をしてきたとのことでした。
このように、試験当日の過ごし方は、お子さんの性格や体力、アクセス環境によって大きく変わります。来年の受験に向けて、今から「うちの子にはどちらが合っているか」を少しずつ意識しておくと、直前期に慌てずに判断できます。
来年のために今からできること
5年生の今だからこそ、余裕を持って準備できることがあります。以下のようなポイントを意識しておくと、来年の受験直前期に慌てずに対応できます。
◎ 志望校の場所とアクセス方法を調べておく
・模試などで「前泊体験」をしてみる
・お子さんの性格や生活リズムを見直す
・家族で「試験当日の動き方」を話し合ってみる
・冬の天候や交通事情を想定しておく
受験は「勉強」だけでなく、「当日の環境づくり」も大切です。今から少しずつ情報を集めておくことで、試験当日を安心して迎える準備が整います。
まとめ:受験は“当日”も含めて準備するもの
中学受験は、試験当日のコンディションが結果に大きく影響します。前泊か当日出発かは、お子さんの性格やご家庭の事情によってベストな選択が異なります。
「来年の今頃、こんなことも考えるんだな」と思っていただけたら嬉しいです。今後の模試や学校説明会の際に、ぜひ「試験当日の動き方」も意識してみてください。
受験は、学力だけでなく、環境・体調・安心感のすべてがそろってこそ、力を発揮できるもの。5年生の今だからこそ、来年の準備を少しずつ始めていきましょう。
どちらの選択も「正解」ではなく、「わが子にとってベストな方法」を見つけることが大切です。模試などで事前にシミュレーションしてみるのもおすすめです。
試験当日を安心して迎えるために、ぜひご家庭で話し合ってみてください。
それでは、またお会いしましょう。

