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投稿日:2020年09月28日

テーマ: 社会

歴史学習で意識したい3つのポイント

みなさんこんにちは。
国語・社会科の清水栄太です。
歴史は、昨今の大河ドラマや漫画・アニメなどがブームとなり身近に感じる機会が多いのですね。
地理・歴史・公民の中でも好きな分野に位置づけるお子さんが多いです。
今回は歴史の学習を始めたばかりの5年生に向けた歴史の学習での基本となる3つポイントについてお伝えします。
さて、中学受験の社会において、歴史はとても重要な位置付けであることをご存知でしょうか。

 

首都圏の中学受験の社会では、ほとんどの学校が歴史を出題します。
そして、そのなかの多くの学校で幅広く全時代から出題されます。

 

一方で、地理は、テーマによって農業や工業などの産業を中心に出題する学校もあれば、地形や地図の読み取りを中心に出題する学校もあります。
公民も同様に、近年出題量が増加しているものの、全く出題しない学校もあれば、大問1題として出題する学校、時事と関連させて出題するなど学校によってその出題頻度は様々です。
したがって、歴史をしっかりと得点源にしておくことができれば、6年生になり過去問に入る時にも安定した得点が望めますし、地理や公民をその学校の特色に合わせて対策することができます。こういった意味で、歴史は非常に重要な位置付けと言えます。
では、どういった学習が効果的なのか。

 

今回は3つの歴史の学習のポイントをお伝えします。

ポイント1⃣ 因果関係を考える/「なぜ」を考え、「結果どうなったのか」を整理する

因果関係の理解は知識を活用していく上でとても大切です。

 

また、近年の中学受験社会では記述形式での解答が増加しています。
なかでも歴史の記述は、圧倒的に理由を問う記述が多いのです。

 

普段の学習でこの因果関係を意識するかどうかで大きな差につながっていきます。
では、因果関係を意識した学習の具体例を説明していきます。

 

まず初めに、学習した時代の「主なできごと」に注目してみてください。
各時代の中での「主なできごと」はテキストなどに太字で書かれているものです。

 

そのできごとの、前後の文にある「~によって、~ため」となっている部分が「原因」となります。その部分に印を付けたり矢印で結ぶようにしましょう。

そして、授業後に、その日に学習した時代のできごとをいくつか選びクイズにしてお子様と確認してみてください。

 

【例】奈良時代を学習した場合
テキストの太字の「主なできごと」→東大寺の大仏建立
「…聖武天皇が、乱れた世の中を仏教の力で治めるため東大寺に大仏を造立」親:聖武天皇はなぜ大仏をつくったの?
子:仏教の力を借りて不安定な世の中をおさめようとしたから!

 

といった流れで、毎回のルーティンとして、主なできごとを3、4つピックアップして週ごとに聞いてみてください。この積み重ねが、およそ半年後、大きな力となっています。

ポイント2⃣各時代の初めと終わりの象徴的なできごとが何かをはっきりとさせる

各時代の初めと終わりの出来事が何かを意識し、時代の「境目」を捉えることが、歴史の知識を整理する重要な鍵となります。
特に、人物が多く登場し始める飛鳥時代以降は、しっかりとした時代の「境目」を区別しておかなければならなりません。

 

入試では、1つの時代のみ問う問題だけでなく、複数の時代に渡って出題されることもあります。
その際に、各時代の始めと終わりの象徴的なできごとをおさえられているかどうかで大きく差がつきます。

 

例を一題挙げてみましょう。

次の歴史的出来事を時代順に並べ替えなさい。
ア 第一次世界大戦の開戦 イ 普通選挙法 ウ 関税自主権の回復 エ 世界恐慌

 

こういった問題のような並べ替え問題は入試において定番です。

 

この問題は、年号を丸暗記しているか「アが大正時代の初めのできごと、イが大正時代終わりのできごと、ウは明治の最後のできごと、エは昭和時代の初めのできごと」と整理できていればスムーズに解くことができます。
しかし、そうでないとなかなか歯が立ちません。

 

もちろん、年号として覚えることも良いです。
しかし、今のうちに時代の「境目」を意識しておくと、各時代の知識が整理された状態で定着していきます。

 

お子様への授業での「ミッション」と称して、先生の解説後に、テキストの一番初めのページに「はじめ:〇〇 終わり:△△」を書くようにさせてみてください。
これを数回続けるとお子様の授業の聞き方が、はじめ→おわりを意識したものに変わっていきます。

 

過去に『ここで差がつく!時代の境目が曖昧になる時代』という記事でもご紹介していますので、特にこの記事に該当する時代を学習する際は是非参考にしてみてください。

 

ポイント3⃣江戸時代までは「支配者」に着目する

江戸時代までの歴史は日本やその地域の「支配者」がその時代の中心人物となります。

例えば、奈良時代~平安時代までは「天皇」。
奈良時代は聖武天皇…、平安時代の中頃からは「貴族」で藤原氏…と、このように誰が土地を支配していたかに注目すると歴史の流れを掴む大きな手がかりになります。
特に、平安時代・鎌倉時代・室町時代の3つの時代は時代が長く、集団塾のカリキュラムでは、ひとつの時代を分割して学習することがありますので、ひとつの時代の流れを掴むためには、「土地の支配の移り変わり」をみることで、知識が整理されます。

 

これまでの内容をまとめると…
ポイント1⃣:因果関係を考える
→その週に学習した時代のできごとの原因をクイズ形式で確認
ポイント2⃣:各時代の初めと終わりの象徴的なできごとが何かをはっきりとさせる
→テキストの初めの余白に書き込ませる
ポイント3⃣:江戸時代までは、「支配者」に着目する
この3つのポイントを活用してぜひ歴史の学習を進めてみてください。
応援しています!

 

 

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