みなさん、こんにちは。
受験Dr.算数・理科科の川上です。
皆さん「タデ」という植物を知っていますか?
もしかすると、食べたことのある子もいるかもしれませんね。
鮎料理の薬味や、お刺身のつまに使われることがあるそうです。
辛みの強い葉が特徴的です。
その「タデ」を食べる虫がいることを知っていますか?
「ハムシ」という昆虫は、幼虫から成虫までタデをエサにします。
つまり、ハムシは一生この「タデ」を食べ続けているということです。
さて、本題です。
「蓼食う虫も好き好き」ということわざ、知っていますか?
本日はタイトルの通り、理科の問題に国語のことわざの要素が入った問題を紹介します。
さっそくいきましょう!
問題
日本には古来より、さまざまな生き物に由来した「ことわざ」があります。その中のいくつかをいかにまとめました。ただし、生き物の一部は空欄になっており、同じ数字の空欄には、同じ生き物があてはまります。
・( ① )( ② )三年( ③ )八年
・( ④ )食う虫も好き好き
・( ⑤ )の子は( ⑤ )
・( ⑥ )に睨まれた( ⑤ )
・( ⑦ )も鳴かずば撃たれまい
・( ⑧ )に小判
・能ある( ⑨ )は爪を隠す
・( ⑩ )に真珠
(1)①~④にあてはまる生き物すべてに共通する特徴として誤っているものはどれですか。
ア 花が咲く
イ 光合成を行う
ウ 子葉が一枚である
エ 根・茎・葉の区別がある
オ 果実をつくる
(3)⑤にあてはまる生き物について、分類上もっとも近い生き物はどれですか。
ア アカハライモリ
イ カモノハシ
ウ ジョロウグモ
エ ニシキゴイ
オ ニホンヤモリ
(4)⑤~⑩にあてはまる生き物のうち、卵を産む恒温動物はどれですか。すべて選び、⑤~⑩の数字で答えなさい。
(市川中 2025年 抜粋)
解説
まずは①~⑩を埋めましょう。
一気に行きますよ!
・桃栗三年柿八年 → 何事にも結果が出るまでは相応の年数がかかる
・蓼食う虫も好き好き → 人の好みは様々で、一概に良い悪いは決められないというたとえ
・蛙の子は蛙 → 子は親のたどった道を歩むものだ、凡人の子は凡人にしかなれないものだ
・蛇に睨まれた蛙 → 見据えられて身がすくみ、逃げることも立ち向かうことも出来ずにそこに立ち尽くしているようす
・キジも鳴かずば撃たれまい → 「余計なことを言わなければ、災いを招くこともないのに」というたとえ
・猫に小判 → 価値のわからない者に貴重なものを与えても無駄に終わる
・能ある鷹は爪を隠す → 優れた能力や才能を持つ人ほど、それを誇示しない、謙虚であることのたとえ
・豚に真珠 → 価値のわからない者に貴重なものを与えても無駄に終わる
今回のこの問題を解くにあたって、せっかくなので小ネタを色々調べました。
一番驚き、面白かったのは「蛇に睨まれた蛙」に関する雑学です。
近年の京都大学の研究で、蛙はただ恐怖で動けなくなっているわけではなく、蛇の動きを観察し、最適なタイミングで逃げるための戦略を立てている可能性があるということがわかったそうです。
蛙が先に動いてしまうと即座に蛇に飛び掛かられる、蛇が先に動いてしまうと蛙に逃げられる可能性が高いことから、お互い先に手が出せない硬直状態となっているようです。
さて、問題を解いていきましょう。
(1)①~④はそれぞれ、桃、栗、柿、蓼でした。
蓼がやっかいですが、バラ科の桃は双子葉類でしたね。
よってウが誤り。
ちなみに蓼も双子葉類で、果実を作ります。
(3)⑤は蛙でした。蛙は両生類でしたね。
よってアのアカハライモリが正解です。(ヤモリはは虫類です)
(4)⑤~⑩はそれぞれ蛙、蛇、キジ、猫、鷹、豚でした。
卵を産む・・・魚類、両生類、は虫類、鳥類
恒温動物・・・鳥類、ほ乳類
よって、鳥類を選べばよいことになります。
⑦のキジと⑨の鷹が答えとなります。
いかがでしたでしょうか。
①~⑩が埋まれば普通の理科の問題なのですが、まるで公立中高一貫校の適性検査のように他教科の知識を要求するタイプの問題でした。
今後も面白い問題をご紹介できればと思います。
それでは今回は失礼します。
受験Dr.川上亮