メニュー

投稿日:2025年11月17日

テーマ: 算数

中学学受験国語 知らなくても解ける!ことばの意味問題の解法

みなさんこんにちは。受験Dr.の久米です。
今回は、国語の「ことばの意味」の選択肢問題について、
「知らないことばでも正解できる」「知識がなくても正解に近いところまでたどりつける」解法をお伝えします。

ことばの意味が分からない時は、そのことば自体を考えてはいけません。
あやふやな記憶に頼ることになり、正答率が落ちてしまいます。
ことばの知識問題の解法は以下の通りです。
①傍線部の前後から「傍線部と同じ意味の表現」を探す
②傍線部の前後から「傍線部と反対の意味の表現」を探す
③傍線部の前後から「傍線部のヒントとなる表現」を探す

実際の入試問題で説明しましょう。

例題①
本文
焼きあがったタルトタタンをすこし冷まして、ケーキ型から外す。ぼくたちはそれを切り分け、一切れずつお皿に取った。黒野先輩がいそいそと、あめ色のリンゴを頬張って笑う。
「ふぐふぐ、すばらしいね」
祇園寺先輩は、①おごそかな表情でタルトタタンを口に運んだ。ひと口、もうひと口。しずしずと味わうようにそれをかんで、こくんとのみこむ。
「……おいしい」
先輩はつぶやいた。そうして、泣きそうな声で続けた。
「ばかみたい、こんなにおいしいのに。むかつく」
そのまま、祇園寺先輩はうつむいて、何かを考えこんでいた。

問題
~線①「おごそかな」とありますが、このことばの本文中の意味として最も適切なものを後の中から一つ選び、記号で答えなさい。
ア 近寄りがたく重々しい
イ とまどいおびえた
ウ 明るくはればれとした
エ いつも通り落ち着いた
オ おだやかで充実した
(駒場東邦2024改題)

解法手順
「おごそかな」の意味を正確に知っていなくても、この問題を解くことは可能です。
今回は手順③の「傍線部のヒントとなる表現」を探しましょう。
おごそかな表情をしたのは祇園寺先輩ですから、祇園寺先輩の動作やセリフを選択肢のそれぞれと
照らし合わせましょう。「しずしずと味わうように」「泣きそうな声」「うつむいて、何かを考えこんでいた」あたりがヒントになります。
ア 近寄りがたく重々しい⇒「しずしずと味わうように」に適しており、「泣きそうな声」「うつむいて、何かを考えこんでいた」にも自然につながるので正解
イ とまどいおびえた ⇒「しずしずと味わうように」「……おいしい」から、おびえていないので不適
ウ 明るくはればれとした⇒「泣きそうな声」「うつむいて、何かを考えこんでいた」から、明るくないので不適
エ いつも通り落ち着いた⇒「泣きそうな声」から、いつも通りではないので不適
オ おだやかで充実した⇒「泣きそうな声」「うつむいて、何かを考えこんでいた」から、おだやかでもなく充実もしていないので不適
正解 ア

例題②
本文
分解するアイテムは、工学博士であるK教授が選ぶ。今回選ばれたのは、食パンを焼くトースターと、調理で使うハンドミキサーであった。(中略)私は、分解を始めんとする学生たちを前に、まず言った。
「面白いからと言って、②やみくもに分解しないように。まず、この器具がどのようにその役割を果たしているか、想像しなさい。そして、解き明かしたい謎を見つけてください」

問題 傍線部②「やみくもに」の意味は何ですか。次のア~エの中から最も適当なものを選び、記号で答えなさい。
ア 真剣に
イ 独り占めして
ウ 考えもせずに
エ ふざけて
(晃華学園2022 改題)

解法手順
「私」は「やみくもに分解しないように」と学生に注意を促しているので、それと反対のやるべきことが後に続いているはずです。今回は手順②の「傍線部と反対の意味の表現」を探すことになります。
「まず、この器具がどのように役割を果たしているか想像しなさい」とあります。
「想像する≒考える」ということなので、ウの「考えもせずに」が正解です。
正解 ウ

例題③
本文
私とK教授は二手に分かれ、私はトースターの分解チームについた。そして、先ほど言ったことを実践させるために、朝購入したあるものをトートバッグの中から取り出した。
「トースターのふるまい、扱いを知るために、この食パンを焼いてみましょう」
学生たちは厚切りの食パンに③色めきたった。中には、教室を抜け出し、研究室の冷蔵庫からジャムとバターを持ってきた強者もいた。

問題 傍線部③「色めきたった」の意味は何ですか。次のア~エの中から最も適当なものを選び、記号で答えなさい。
ア 活気づいた
イ がっかりした
ウ とまどった
エ 緊張した
(晃華学園2022 改題)

解法手順
今回は解法①の傍線部と同じ意味の表現を探します。
「食パンを焼いてみましょう」と言われた学生たちの中に「教室を抜け出し、研究室の冷蔵庫からジャムとバターを持ってきた強者もいた」とあります。これは食パンを焼いて食べたくてしょうがないということなので、アの「活気づいた」が正解となります。
正解 ア

長い文章の中にあることばの意味問題の中には、知識がなくても解ける問題が多数あります。
知らないことばが出てもあきらめず、傍線部の前後のことばから
「傍線部と同じ意味の表現」「傍線部と反対の意味の表現」「傍線部のヒントとなる表現」
を探して、正解の確率を高めましょう。

それではまた。
受験Dr.、久米でした。

算数ドクター