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投稿日:2025年11月07日

テーマ: 理科

月食が赤く見える理由―Dr.カモノハシが教える中学受験理科②

こんにちは、受験Dr.の咲山です。

今回は、前回の月食の続きとして、皆既月食のときに月が赤く見える理由をDr.カモノハシと学習したいと思います。今回も天体の話ではありますが、単元としては光の性質になります。光の三原色や分光は、光の性質では中学受験でも出てくる話題になります。

Dr.カモノハシの天体講座:月食が赤く見える理由

Dr.カモノハシ
「さてリス君、今日は“月食の赤さ”をさらに詳しく掘り下げよう。実は、光の色ごとに“波長”っていう長さが違うんだ。」

リス君
「波長?どんなふうに違うんですか?」

解説漫画

Dr.カモノハシ
「例えば、太陽の光を分光すると虹の色が出てくるよね。おおよその波長はこんな感じだよ:

  • 紫:およそ 380〜450nm(とても短い波長)
  • 青:450〜495nm
  • 緑:495〜570nm
  • 黄:570〜590nm
  • 橙:590〜620nm
  • 赤:620〜750nm(長い波長)

波長が短いほど、大気の中で散乱しやすいんだ。だから青や紫は空全体に散って“青空”になる。逆に、赤や橙は散らされにくく、遠くまで届くんだ。」


リス君
「なるほど!だから夕焼けも赤いんですね!」

Dr.カモノハシ
「その通り。夕焼けも月食も“赤が残る”現象なんだ。
月食では、地球の大気を通った光のうち“赤や橙の波長”が回り込んで月を照らすから、月が赤銅色に見えるんだよ。」


リス君
「虹とつながってるなんて面白いですね!虹は分光で全部の色が見えて、月食は赤だけが届くんだ。」

Dr.カモノハシ
「そうだね。虹は“光のプリズムの見本市”みたいなもの。
月食は“大気による選別”で、赤い光だけが残る特別な現象なんだよ。」

解説漫画

 

まとめ

  • 光の色は波長で決まり、紫は短く赤は長い。
  • 短波長の光(青・紫)は大気で散乱しやすい。
  • 長波長の光(赤・橙)は散乱しにくく、月食のときに月まで届く。
  • 夕焼け・虹・月食はすべて“光と大気の分光現象”の仲間。

月食の赤と夕焼けの赤は同じ、太陽の光によるものであることは理解できたでしょうか。波長の数値は細かく覚える必要は全くありませんが、赤い光が屈折しにくく、青い光が屈折しやすいこと、また、文中には出て来ませんでしたが、紫色よりも波長が短い光を「紫外線」、赤色よりも波長が長い線を「赤外線」と呼ぶことは、頭の片隅に入れておくと問題が解きやすくなります。

以上になります。次回もお楽しみに。

理科ドクター