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投稿日:2025年06月12日

テーマ: 算数

受験算数必須!桜蔭算数~数の性質~

こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。

本日は、数の性質に焦点を当てて問題を解いていきたいと思います。

 

例題

A、B、Cの3人がある池のまわりを走って一周するのに、それぞれ6分、8分、10分かかります。この池のある地点から、はじめにAが、2分遅れてBが、さらにBより4分遅れてCがそれぞれ同じ方向に向かって走り始め、池のまわりを何周も回ることにします。このとき、3人がはじめて同時にスタート地点を通過するのは、Aが出発してから何分後ですか。

速さの問題なので、距離を比で表して…と考えたくなりますが、
この場合は、6分ごと、8分ごと、10分ごとというように、周期になっているのが、ポイントとなります。また、3人が同時ではないので、ずれて周期が一緒になるところを見つけるということから、
「6分ごと」→6で割れる
「2分遅れて8分ごと」→8で割って2余る
「Aからは6分遅れて10分ごと」→10で割って6余る
と言い換えられ、数の性質の問題となります。

Aの6で割れるを「6×□」
Bの8で割って2余るを「8×□+2」
Cの10で割って6余るを「10×□+6」
で表すことにします。

まずAとBで考えてみると、Bは次の8の倍数まであと6足りないとも言えるので、
B→8×□-6
AもBに合わせて書きなおすと→6×□-6となり、
6と8の最小公倍数-6となります。24-6=18、それ以降は、24分ごとなので、
A、Bの同時に来る時は、18分、42分、66分、90分、・・・・と続きます。

また、AとCで考えてみると、A→6×□+6
Cは10×□+6
となります。
6と10の最小公倍数は30なので、6分、36分、66分、96分、・・・・となります。

よって、66分後に3人が同時スタート地点に着くということがわかります。
答え.66分後

 

以上、スタートがずれるときの同時到着問題を扱いました。

では、今の問題を踏まえて、桜蔭2020年度の問題から【Ⅳ】の一部を紹介いたします。

 

1個10g、20g、60gの球があります。
10gの球には1から100までの整数のうち、4の倍数全てが1つずつ書いてあります。
20gの球には1から100までの整数のうち、3で割って1余る数がすべて1つずつ書いております。
60gの球には1から100までの4の倍数のうち、3で割って1余る数全てが1つずつかいてあります。ただし、同じ重さの球にはすべて異なる数が書いてあります。
(1)60gの球に書いてある数字を分母、20gの球に書いてある数字を分子として分数を作ります。このときできる1未満の分数のうち、分母と分子を5で約分できる分数の合計を求めなさい。

10gの球に書かれている整数→4、8、12、16、20、・・・・・・100
20gの球に書かれている整数→1、4、7、10、13、16、19、・・・・・・100
60gの球に書かれている整数→4、16、28、40、52、64、76、88、100
となります。
「5で約分できる」ということから、60gの球で5の倍数は、40と100だけ。
20gの球で5の倍数は、10が初めに見つかりますが、それ以降は、3で割ると1余るということから、3×□+1なので、3の倍数が基本となり、3の倍数に1を足すということになるので、
3の倍数と5の倍数の最小公倍数15おきに出てきます。
10、25、40、55、70、85、100となります。

分数にすると、

分母は40か100
分子は、10、25、40、55、70、85、100

これの合計を求めます。

10/40+25/40+10/100+25/100+40/100+55/100+70/100+85/100=10+25+4+10+16+22+28+34/40=149/40=3・29/40
となります。

10g、20g、60gに書かれた3種類の数の性質を利用した問題は、2種類ずつ考えて書きだすという
方法をよく使います。この場合は、5の倍数という性質が加わるのですが、
同時に全部を考えるのではなく、2つずつ考えて共通部分を探すということが大事です。

ぜひ、5年生もこの桜蔭の問題にチャレンジしてみてください!
約数・倍数、最小公倍数を学習していれば、解けるはずです!

算数ドクター