こんにちは。
受験Dr.の吉野です。
算数のテストでのお悩み相談で、
「いつも計算のケアレスミスをして点数を落としてしまう。」 「後半の難問になると手も足もでない。」そういったお悩みの声をよく聞きます。
今回は、点数がアップするポイントについてお答えしていきます。
(1) 計算のケアレスミスをなくす方法
ポイントは下の4つです。順に説明していきます。
(ポイント)
① 基本計算力を鍛える
② 立式・途中式・筆算式を残す+上から下にたて列で揃える
③ 計算の工夫をする
④ 何かおかしい「違和感」を感じる
① 基本計算力を鍛える
当然ですが、毎日の基本計算の練習は欠かせません。こればかりは一朝一夕で身につくものではないので時間がかかります。毎日コツコツ積み上げていきましょう。ここでの注意ポイントは、「正解するまで解きなおしを行う。」ということです。1回やっておしまいにしないでください。また、お子様ひとりで毎日の計算練習を管理するのは大変ですので、ぜひ保護者の方が協力して、○付けやスケジュール管理をしてあげてください。
➁ 立式・途中式・筆算式を残す+上から下にたて列で揃える
答えを導くための式(立式)、計算過程の式(途中式)、筆算式は必ず書いて残してください。残しておかないと、見直しができないからです。さらに、立式と小数の筆算式は意識して大きめに丁寧にかきましょう。この2つの計算で間違える生徒がとても多いので、意識して時間をかけるようにしましょう。その他、自分がいつもミスをしている場所があれば、その部分の式も丁寧に書いて時間をかけて解きましょう。
また、式をあちこちにバラバラに書くことはやめましょう。式は上から下に、たて列を揃えるように書くことを意識しましょう。また、左側は立式・途中式、右側は筆算式など、式の場所を自分なりに決めておくと見直しの際にどこを見ればいいかすぐにわかります。
③ 計算の工夫をする
計算を簡単にできないか、計算の工夫をいつも考えましょう。いろいろありますが、今回は、「分数式」を意識することをご紹介します。
わり算は、筆算で計算せず分数表記にします。さらに、かけ算とわり算だけの計算は分数式で解きます。
(例題) 1080mの道のりを5分で走る自転車が15秒で進む距離は何mですか?
下記のように、秒速を出してから、速さ×時間で距離を出すと、何回も小数計算をするのでミスを起こす可能性が高まります。
1080(m)÷300(秒)=3.6(m/秒) 3.6×15(秒)=54m
そこで、わり算は分数にして、かけ算とわり算をまとめて計算すると、約分計算なので計算ミスがかなり減ります。
1080÷300×15=1080300×151=1082=54m
このように「わり算は分数にする」と意識するだけで計算ミスの可能性を減らすことができます。
④ 何かおかしい「違和感」を感じる
計算している途中や見直しをしている時に答えがおかしい「違和感」に気づけるようになりましょう。ここでは代表的な2つの「違和感」をご紹介します。
【1】 答えの「一の位」を確認する。
(例題) 1234×32=39486
上記の計算に【違和感】を感じますか?一の位だけの計算をしてみましょう。4×2=8なので、答えの一の位も8になるはずです。例題の計算の一の位は6なので、計算ミスをしていることがわかります。
【2】 概数で答えを予想する。
(例題) 312×48=24976
上記の計算に【違和感】を感じますか?312×48を概数にすると300×50=15000になります。答えの24976とは違いすぎるので、計算ミスをしています。
見直しはすべての問題を解きなおしするわけではありません。このように「違和感」はないか確認して、何かおかしいと感じた問題のみ解きなおしをしましょう。
(2) 後半の難問に対する対処方法
ポイントは下の3つです。順に説明していきます。
(ポイント)
① 似たような典型問題を思い出す
② 問題文中の条件を使い倒す
③ 前の小問が誘導になっている
① 似たような典型問題を思い出す
難問と呼ばれている問題は、典型問題を組み合わせたり、典型問題をひねったりした問題になります。なので、まずは典型問題の解き方を覚えてストックしておきましょう。次にその中から似たような典型問題を思い出して、使えないか考えていきます。この時、具体的な計算はしてはいけません。あくまでも方針を考えていきます。方針の式だけを書いて、いけるとなったら計算を始めます。問題を解く予定時間の半分までは方針を考える時間に当てて大丈夫です。これ以上時間がかかるようでしたら、いったん飛ばすのが賢明です。
➁ 問題文中の条件を使い倒す
まず意識してほしいことは、「問題文中に書かれている条件で使わない条件はない」ということです。つまり、問題文に条件をわざわざ書いているということは、出題者がここに注目して解きましょうと教えてくれているようなものです。自分で一から考えて方針を組み立てるより、問題文の条件をもれなく全て使って出題者の意図を考える方が方針を組み立て易いです。ただし、条件が複雑だったり、強い条件と弱い条件の見極めだったりは経験が必要ですので、似たような難問で練習を積みましょう。
③ 前の小問が誘導になっている
小問が2題あったとすると、小問1は小問2のヒントになっていることが多いです。なので、方針を立てる際は、問題文の条件と併せて小問1の考え方を参考にして考えましょう。前の小問の誘導に乗って解いていきましょう。もちろん、典型問題を思い出しながら併せて方針を考えていくとさらなる気づきが生まれる可能性があります。
以上、意識して取り組むことで点数アップが見込まれます。
ぜひ、今回説明した内容を参考にしていただけると幸いです。
では、また次回でお会いしましょう。
受験Dr.吉野でした。

