こんにちは。
受験Dr.算数科講師の千葉 誠と申します。
近年の中学入試の算数では、「代表値」と呼ばれる、データを代表する数値を求める問題が出題されることがあります。
これは、2020年の学習指導要領改訂により、「代表値」の学習時期が中学1年生から小学6年生に変更されたからです。
代表値には、主に「平均値」「中央値」「最頻値」の3つがあります。
平均値については5年生で習う「平均」と同様ですが、中央値・最頻値については6年生で初めて知ることになります。
なので、中学入試でも基本知識があれば対応できる問題がほとんどで、複雑な問題はあまり出題されない傾向にあります。
今回は「代表値」の練習問題を用意したので、基本知識を確認して取り組んでみましょう。
まずは「代表値」の定義から説明します。
「代表値」ではいくつかの値の集まりをデータと呼びます。
(例)年齢、身長、体重、テストの点数、身体測定の記録
「平均値」・・・データの合計を個数で割った値
(例)3人の年齢が(10才、16才、19才)のとき、
3人の年齢の平均値は、(10+16+19)÷3=15
「中央値」・・・データを大きさの順に並べたときに、ちょうど真ん中にくる値
※ただし、データが偶数個の場合は真ん中をはさむ2つのデータの平均が中央値になる)
(例1)3人の体重が(52kg、39kg、47kg)のとき
小さい順にならべると(39、47、52)
真ん中の値は47なので中央値は47
(例2)4人体重が(52kg、39kg、47kg、50kg)のとき
4人の点数を小さい順にならべると(39、47、50、52)
真ん中をはさむ2つは47と50なので
中央値は、(47+50)÷2=48.5
「最頻値」・・・データの中で表れる回数が最も多い値
(例)5点満点のテストで6人の点数が(3点、2点5点、2点、3点、2点)のとき
2点が3回で最も多く表れているので最頻値は2
では、これらの知識をもとに問題を解いてみましょう。
【問題】
下のデータは10人の50m走の記録です。
8.0 、 7.8 、 7.5 、 7.5 、 7.9 、 7.7 、 8.2 、 7.5 、 7.6 、 7.8
これについて次の問いに答えなさい。
(1)平均値を求めなさい。
(2)中央値を求めなさい。
(3)最頻値を求めなさい。
【解説】
まず、わかりやすくするためにデータを小さい順にならべかえます。
(7.5 、 7.5 、 7.5 、 7.6 、 7.7 、 7.8 、 7.8 、 7.9 、 8.0 、 8.2)
(1)
データの合計は、
7.5 + 7.5 + 7.5 + 7.6 + 7.7 + 7.8 + 7.8 + 7.9 + 8.0 + 8.2 = 77.5
データの個数は10個なので、平均値は
77.5÷10=7.75
(2)
データは10個で偶数個なので、ならべかえたあとのデータの真ん中をはさむ2個、
つまり5番目と6番目の平均が中央値です。
5番目は7.7、6番目は7.8なので、中央値は
(7.7+7.8)÷2=7.75
(3)
7.5が3回で最も多く表れているので、
最頻値は7.5
「代表値」は非常に得点源にしやすい単元なので、志望校の過去問を見て「代表値」の問題が頻出であれば、早めに定着させて対策しておきましょう。
それでは、失礼します。

