最新記事 2022年06月20日

テーマ: 算数

売買損益⑨

みなさん、こんにちは。 海田真凜です。

前回に続き、今回のお題も
「売買損益」
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「売買損益、大嫌い」というお子さんが
つまずきやすいのは以下の4段階。

① 値段設定の割増し、割引き、利益の処理が安定しない。
② 値段設定の流れ(原価・定価・売り値・利益)を行き来できない。
③ 商品が1個のときは大丈夫。でも「個数」が出てくると正答率が下がる。
④ 値段や個数が不明な問題で、どこまで比を使ってよいのか判断できない。

前回は、上記の③段階でのつまずき解消のためのトレーニングを行いました。

いよいよ、最後の④段階に入ります。
④段階でのつまずき解消のためのトレーニングは、Part.1・Part2の2本立て。

今回はPart.1です。
では、いきましょう。

< 今回の到達目標 >

こんな問題があります。

[例題1]
ある商品を何個か仕入れ、1/6は原価の3割増し、残りは原価の4割増しの値段で売ったところ
全部で1380円の利益になりました。仕入れにかかった金額は全部でいくらですか。
[例題2]
商品を何個か仕入れ、30%の利益を見込んで定価をつけました。仕入れた商品を売り切ることは
できず、36個売れ残ってしまい、全体では12%の利益になりました。仕入れた商品は全部で何個
ですか。

なんか、解きにくい。
理由は、問題文中に与えられた実際の数量が少なすぎるからです。

前回のトレーニングで、値段や個数などの実際の数量が不足しているときは
1001 といった比でおきましたね。

今回は、比でおくのではなく、勝手に決めるのです。
ここで絶対におさえておいてほしいルールがあります。

売買損益に限らず、算数の問題を解くときに
具体的な数値が出てこない単位のものは、問題でそれを問われていない限り
自分で好きな数に決めてよい

という、とてもありがた~いルール。ご存知ですか?

重要なので、もう一度、声を大にして言いますね。

具体的な数値が出てこない単位のものは、問題でそれを問われていない限り
自分で好きな数に決めてよい

例えば、原価▲円という具体的な金額が出てこなければ
原価を答える問題でない限り、原価は好きに決めてよい

例えば、商品▲個という具体的な個数が出てこなければ
商品の個数を答える問題でない限り、個数は好きに決めてよい

このルールを認識している生徒は、迷わず勝手に数値設定を行います。

今回の到達目標は、上記の例題のような実際の数量が不足している問題で
自分で勝手に数値設定をして解き進める。

 
では、トレーニング開始!
 

< 値段は好きにして ♡のトレーニング >

まずは、値段を勝手に決めて解くトレーニング。

トレーニング1

問1. ある商品を仕入れ、3割の利益を見込んで定価をつけました。
売れなかったため、値下げし、定価の1割引きで売りました。
何%の利益になりましたか。
問2. ある商品を20個仕入れ、4割の利益を見込んで定価をつけました。
定価で15個売れたあと、残りは定価の2割引きで全て売れました。
全体の利益は何%になりましたか。

解説1.
この問題で「具体的な数値が出てこない単位のもの」=金額(円)ですね。
そして、金額を答える問題ではありません。
よって、値段は好きに決めてよいのです。

原価を100円にしましょう。
比の100円ではありません。
100円という実際の値段です。

このあとは、商品1個バージョンの型にあてはめます。

げ 100円

て 100×(1+0.3)=130円

う 130×(1-0.1)=117円

➡り 117-100=17円

「何%の利益になりましたか」
売買損益の問題文では、よく出てくる言い回しです。

あらためて確認しておきますが
「利益」とは「原価」に対してつけるもの。
よって、「何%の利益?」とは「原価の何%の利益?」という意味でしたね。
隠れた言葉を補って考えましょう。

利益17円は原価100円の何%か?
17÷100=0.17=17%

解説2.
この問題でも「具体的な数値が出てこない単位のもの」=金額(円)ですね。
そして、金額を答える問題ではありません。
よって、値段は好きに決めてよいのです。

原価100円とし、商品たくさんバージョンの型にあてはめます。

げ 100円 × 20個 = 2000円 総仕入れ

て 140円 × 15個 = 2100円 ⤵
                   2660円 総売上      
う 112円 ×  5個 = 560円 ⤴        

              総売上 - 総仕入れ = 総利益
            2660円    2000円    660円

「全体の利益は何%?」とは「全体の利益は総仕入れの何%?」なので
660÷2000=0.33=33%

< 個数は好きにして ♡のトレーニング >

次は、個数を勝手に決めて解くトレーニング。

トレーニング2

問1. ある商品を何個か仕入れたところ、2500円かかりました。
仕入れた商品の1/5は3割2分の利益を見込んでつけた定価で売り
残りの商品は定価から値引きして売ったところ
すべての商品を売ることができ、利益は600円になりました。
残りの商品は原価の何割何分増しで売りましたか。
問2. ある商品を何個か仕入れたところ、4000円かかりました。
5割の利益を見込んで定価をつけ、仕入れた商品の75%を売りました。
残りは定価の何割引きかですべて売ったところ、利益は42.5%になりました。
残りの商品は定価の何割引きで売りましたか。

解説1
この問題で「具体的な数値が出てこない単位のもの」=個数(個)ですね。
そして、個数を答える問題ではありません。
よって、個数は好きに決めてよい、と。

「仕入れた商品の1/5」と分数で表されているときは
仕入れた商品の個数を分母の5個にする と、計算がラクになります。

5個仕入れて2500円なので
商品1個の原価は 2500÷5=500円
定価は 500×(1+0.32)=660円

あとは、商品たくさんバージョンの型にあてはめます。

げ 500円 × 5個 = 2500円 総仕入れ

て 660円 × 1個 =  660円 ⤵
                  3100円 総売上      
う  ㋐円 × 4個 =  ㋑円 ⤴        

             総売上 - 総仕入れ = 総利益
             ㋒円   2500円     600円

㋒=2500+600=3100円
㋑=3100-660=2440円
㋐=2440÷4=610円

よって、610÷500-1=0.22=2割2分増し

解説2
▲個という具体的な個数が与えられていない
個数を求める問題ではない
よって、個数を好きに決めます。

「仕入れた商品の75%」と百分率で表されているときは
・100個とする
・75%=0.75=3/4なので、分母の4個にする
のどちらかでしょう。

ここでは、仕入れた商品を4個にします。

4個仕入れて4000円なので
商品1個の原価 4000÷4=1000円
定価 1000×(1+0.5)=1500円

「利益は42.5%」とは「総仕入れの42.5%」なので
総利益 4000×0.425=1700円

あとは、商品たくさんバージョンの型にあてはめます。

げ 1000円 × 4個 = 4000円 総仕入れ

て 1500円 × 3個 =  4500円 ⤵
                   3100円 総売上      
う  ㋐円 ×  1個 =  ㋐円 ⤴        

             総売上 - 総仕入れ = 総利益
            ㋑円   4000円     1700円

㋑=4000+1700=5700円
㋐=5700-4500=1200円

よって
1500×(1-値引き率)=1200円

値引き率=1-1200÷1500=0.2=2割引き

< まとめ >

最後にもう一度、算数のありがたいルールを確認しておきましょう。

具体的な数値が出てこない単位のものは、問題でそれを問われていない限り
自分で好きな数に決めてよい

値段や個数について、実際の数値が与えられていない場合には
問題でそれを問われていない限り自分で勝手に決めて解き進める。

今回のトレーニングでだいぶ慣れたかと思います。

次回は④段階のトレーニングPart.2。
売買損益シリーズの最終回となります。

それではまた~