みなさん、こんにちは。
受験Dr.算数・理科科の川上です。
本日はタイトルの通り、メダカの産卵について触れたいと思います。
メダカについては産卵だけでなく、周辺知識も頻出です。是非この機会に基本知識を確認してください。
それではいきましょう。
室内におけるメダカの産卵について
・水温は20℃以上(有精卵を安定して生むためには23℃以上)
・昼の長さが13時間以上
上記2点の条件がそろうと産卵が始まるとされています。
だいたい時期で言うと5月くらいです。
・産卵する時間帯は早朝(日の出の前後1時間くらい)
・産み付けられた卵は、親メダカが食べないよう別の容器に移す
・1度に産み付けられる卵は10~20個
また、産卵の前のメダカの行動も出題されることがありますね。
①オスがメスを追いかける
②求愛行動(メスの前でくるりとまわる)
③背びれとしりびれでメスのからだを包み込む、並んで遊泳
④産卵
という流れでした。
また、ふ化するまでの日数は「積算温度が250℃」という考え方を利用します。
・ふ化するまでの日数×水温≧250
という計算式から、ふ化するまでの日数を考えることができます。
(例)水温が25℃のとき
□×25℃≧250
よって、□≧10日です。
水温が下がると、それにともなってふ化するまでの日数は多くかかることになります。
(例)水温が22℃のとき
□×22℃≧250
□≧250÷22より、□≧11.36・・・
となります。
さて、基本知識はここまでにして、最新の研究で新たにわかったことに触れたいと思います。
自然のメダカの産卵は、どうやら早朝に行われるわけではないようなのです。
(大阪公立大と岐阜大の研究によって明らかになりました。)
野外のメダカの様子を観察したところ、メダカの産卵は0時から始まり、産卵後数時間、おなかに卵を複数個ぶらさげて泳ぐそうです。
なぜこれまで早朝に産卵するとされていたかというと、研究のために室内で実験した(少なくとも野外でないところの)結果しかわからなかったからなのです。
室内では、当然ながら室温や水温が一定に保たれていたり、電気をつけたりと当然野外と環境が異なってしまいます。
室内と野外で、実際には結果が異なっていたというわけです。
※他にも、室内で育ってきた個体が野外で天敵を意識せずに大胆に行動するなどのケースが見受けられるそうです。
野生のメダカを観察できるところは年々少なくなってきており(悲しいことですね・・・)、実はわかっていることは思いのほか少ないようです。
もしかすると、他にも我々が「当たり前」だと思っていることが覆ることがあるかもしれません。
理科の入試問題は年々多様化しています。あらゆる問題に対応するためにも、理科の学習では現場で実物に触れることがとても大切です。
また、理科の時事ニュースにはアンテナを貼っておきましょう。
出そろった条件や事実から思考を巡らせ、考察することが理科の面白さのひとつですね。
それでは今回は失礼します。
受験Dr.川上亮