みなさん、こんにちは。
受験Dr.算数科の江田です。
前回・前々回と連続して
「頭に入れておくべき図形」についてお話しました。
今回は、前回お話した「1:1:2の三角すい」の実戦編です。
まずは前回の内容をさらっとおさらい。
これが「1:1:2の三角すい」でしたね。
そして、この三角すいを展開図にすると
のように、きれいな正方形になりましたね。
また、この
というお話までしました。
今回はこのことを大いに利用する立体切断の問題を扱いましょう。
【問】下の図のような1辺12㎝の立方体があります。
辺ADの真ん中の点をP、辺CDの真ん中の点をQとして、この立方体を3点E、P、Qを通る平面で切断します。これについて、次の問いに答えなさい。
(1) 切断面の面積は何㎠ですか。
(2) 2つに分けられた立体のうち、点Hを含む方の立体の体積は何㎤ですか。
(3) 点Hから(1)で求めた切断面に垂直におろした線の長さは何㎝ですか。
という問題。
さっそく解説していきますが、
今回は「1:1:2の三角すい」のポイントのお話のため、
切断面の考え方は割愛させていただきますね。
まずは(1)の切断面の面積から。
切断面は下の図のような等脚台形(台形と答えても可)になりますね。
さて、この切断面の面積はどのように求めていけばよいのでしょう。
今回の切断面は「台形」ですから、その切断面の辺を下の図のように延長すれば
三角すいを作ることができますね。
ちなみに
「切断面が台形、五角形、六角形の場合は、切断面を延長すると三角すいができる」
ということも覚えておくといいですよ!
さて、これで何か見えてきましたかね…
そう!
下の図の三角すいR-EGHと三角すいR-PQDがどちらも
「1:1:2の三角すい」になっていますね!
このことに気付けば…
三角形REGの面積は
三角すいR-EGHの展開図となる1辺24㎝の正方形の面積のですから
24×24×=216(㎠)
と求まりますね。
同じように、三角形RPQは
三角すいR-PQDの展開図となる1辺12㎝の正方形の面積のですから
12×12×=54(㎠)
と求まります。
よって、切断面である台形PEGQの面積は
216-54=162(㎠)
とわかります。
(※相似比から面積比を用いて216×=162と求めることもできます。)
次に(2)の問題。
点Hを含む方の立体の体積は
「三角すいR-EGHの体積から三角すいR-PQDの体積を引く」
ことによって求められます。
よって、
12×12÷2×24×=576(㎤) … 三角すいR-EGH
6×6÷2×12×=72(㎤) … 三角すいR-PQD
576-72=504(㎤)
とわかります。
(※相似比から体積比を用いて12×12÷2×24××
=504と求めることもできます。)
そして最後の(3)の問題。
点Hから切断面に垂直におろした線とは…
イメージできますか?
下の図のHIのような線です。
さて、気付くでしょうか。
この垂線HIは、三角すいR-EGHの
「底面を三角形REGとして見たときの高さ」
になっているんですね!
三角形REGは(1)の途中で216㎠と求めていましたし、
三角すいR-EGHの体積も(2)の途中で576㎤と求めていたので、
216×HI×=576
という式が立ち、これを逆算することでHIの長さは
576÷÷216=8(㎝)
と求められます。
いかがでしたでしょうか。
「1:1:2の三角すい」ががっつり関わっていたことがおわかりいただけたと思います。
前々回の「30°,60°,90°の直角三角形」もそうですが、
常に頭の片隅に置いておかないと、なかなかすぐに気付けないものです。
是非、今後も意識して受験勉強に取り組んでもらいたいところです。
今回はここまで。
それではまた次回お会いしましょう!