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投稿日:2025年07月04日

テーマ: 国語

【中学受験】答えの根拠を見つけるひと手間を大切に

こんにちは、受験Dr.の太田 陽光です。
今回は、問題を解く上で大切なひと手間について書きます。

問題を解くとき、根拠を持っていないと不正解になることがあります。
答えの根拠を見つけるためには、ひと手間が必要です。
そのひと手間のひとつめは、答えに迷ったら本文に戻る、です。

例えば選択肢問題において、あと二つに絞り込めたのだけど、最後の判断ができないとき、
選択肢の内容だけを見て答えを決めてしまうと、正解率は安定しません。
自分の頭の中にある情報だけ、あるいは思い込みだけで答えを選んでいるからです。
そのような時は、客観的な情報を、また、新たな視点を手に入れるために、
もう一度本文に戻り、線の近くを読んでみましょう。
そのあとに、二つに絞られた選択肢を読み直し、
本文に書いてあることの有無を確認するのです。

例えば、以下のような文と問いがあるとします。

今のような状況が進めば、科学によって人間が支配されるのは間違いありません。科学の下では個々の人間性は無視され、人間のやる気を奪っていくのです。
問い 「人間が支配される」とはどういうことか

このとき、選択肢に「個々の人間性は無視され」と同じ言葉、もしくは、言い換え(例えば、人間はみな同じようになり)があるか確かめることで、正解が選べます。
当たり前の解き方なのですが、もし答えの根拠が自分の頭に入っていなかった場合、この問いは落としてしまうわけです。
自分が見落とした情報を手に入れたり、新たな視点で考えたりすることが大切なのです。

ただし、やみくもに線の前後を読んでいても、根拠が書かれているところにぶつからない場合もあります。
そこで、答えの根拠となる部分のあるところを推理するための言葉に注目するというふたつめのひと手間が求められます。
簡単なことです。
指示語や接続語などをヒントにすればよいのです。
例えば、本文に「この本は」とあり、問いが「本とはどのようなものですか」であったとき、
「この」という指示語がありますから、前に答えの根拠があると考えるでしょう。
それでよいのです。

ただし、本文が「しかし、この本は…」であった場合はどうでしょう。
「しかし」は逆接ですから、前には反対のことが書かれている可能性もあります。
その時には、「本は」と主語になっていることから、述語をおさえる、
つまり「本は」の後に答えの根拠があると考えることができます。

また、問いが「筆者は本とはどのようなものだと言っていますか」であったとき、
「この本」の前に、例が書いてあったなら、
例の部分を飛び越え、さらに前にある筆者の意見が書かれた部分に答えの根拠があると考えます。

このように、本文に戻るというひと手間を、
さらには、戻った先で接続語や指示語などに注目するというひと手間おしまないことで、
正解率は上がりますし、
無駄に悩む時間を削ることができるのです。
簡単なことだが、ひと手間をつい惜しんで行わない人は、
今の時期からトレーニングを行い、面倒とすら思わず、当たり前にできるようにしましょう。

国語ドクター