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投稿日:2021年07月05日

テーマ: 算数

2で割り切れる回数 【2つの考え方】

みなさんこんにちは。受験ドクターの桑田陽一です。
7月の講師ブログをお届けします。

今回は、さっそく問題から。

問題
N=1×2×3×4×5×……×100とします。Nを2で割り続けるとき、商が初めて整数でなくなるのは何回目に割ったときですか。

各テキストにおいて、「数の性質」といった単元の例題として、よく取り上げられている問題です。
超基本問題とは言えませんが、上位を目指す受験生なら確実に解けるようにしておきたいところ。

6年生ならもうお手のもの?
予習シリーズで学んでいる5年生ならば、「少し前に見たぞ!」という感じでしょうか。

「この問題なら解法は分かっているよ!」と思っている人も多いかもしれません。
でも、その解法で答えが出る理由を、本当に理解していますか?
実はこれ、私の経験上、解き方は知っているけどその原理をきちんと分かっていない人が多い問題の1つです。

今回は、よくある解説に簡単に触れた後、少しだけ視点を変えた考え方も紹介してみます。

普通の解説?

1~100までの数のうち、
2の倍数の個数は、100÷2=50個
4の倍数の個数は、100÷4=25個
8の倍数の個数は、100÷8=12あまり4→12個
16の倍数の個数は、100÷16=6あまり4→6個
32の倍数の個数は、100÷32=3あまり4→3個
64の倍数の個数は、100÷64=1あまり36→1個

よって、Nが2で割り切れる回数は、50+25+12+6+3+1=97回なので、初めて商が整数でなくなるのは97+1=98回目。

こんな解法が自力で出てきた人、まずは一安心。
ところで、2、4、8、16、32、64の倍数の個数を求め、それらを最後に足す。これで答えが得られる理由、理解できていますか?
実はよく分かってはいないけど、そう習ったからとりあえずその通りに計算しているという人、いないでしょうか?

この理由、苦手な人にとっては結構分かりづらいのですね。そこで、ちょっと違う見方を紹介します。

解説2

Nはとりあえずこんな数。
2021_0705_blog1
これを左から順に、2で割りきれる数だけ「1回ずつ」割っていきます。
2021_0705_blog2

このように、まずは左から右に、「1回ずつ」割ってみました。
この時点で割った回数は、もちろん100÷2=50回ですね。

2で割るのは、もちろんこれで終わりではありません。
2021_0705_blog3

¬先ほど2で割ったことで下段に現れた1~50のうち、2で割れる数を再び左から「1回ずつ」2で割っていくと、上のように50÷2=25回割ることができて、新しく1~25の整数が現れます。

あとは、この手順の繰り返し。
いま現れた1~25を左から「1回ずつ」2で割っていくと、25÷2=12あまり1より、12回割れて1~12が新しく現れる。
12÷2=6より、さらに6回割れて、1~6が現れる。
さらに、6÷2=3、3÷2=1あまり1と計算して、結局割れた回数は、

100÷2=50
50÷2=25
25÷2=12あまり1
12÷2=6
6÷2=3
3÷2=1あまり1

これらの商を全て加えれば、50+25+12+6+3+1=97回。したがって、整数でなくなるのは98回目。
先ほどと同じ値が得られました!

2の倍数、4の倍数、8の倍数…の個数をそれぞれ求めるのと比べ、なぜこの手順で答えが得られるのか、納得しやすいでしょう。
さらに言えば、この方が計算自体もやや簡単になっていることも確認してみてください。

この解法を初めて見たという人、これで理由まできちんと納得できた!と思ったら、ぜひ活用してくださいね!

今回はここまで。

算数ドクター