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投稿日:2021年07月06日

テーマ: 算数

最大公約数・最小公倍数の「捉え方」②

前回のブログで
「最大公約数・最小公倍数」について、
連除法ではない捉え方
のお話をしましたね。

今回はその考え方を使って
「最大公約数・最小公倍数」の応用問題
にチャレンジしてみましょう!

【例題】
100以下の3つの整数A,B,Cがあり、A<B<Cの関係があります。
これらの最大公約数は7、最小公倍数が693です。
このような整数A,B,Cの組み合わせは2通り考えられます。
どちらも求めなさい。

どうでしょうか。

悩む方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

この問題を、前回お話した
「素因数分解」をしたかたち
から考えてみましょう。

まず、
「最大公約数が7」ということから、
A,B,Cは素因数分解すると
いずれも「×7」を持っていて、
3つに共通する素因数は「×7」だけ
ということがわかりますね。

また、「最小公倍数」である693を素因数分解すると
693=3×3×7×11
ですので、以下のように整理して書いてみます。

※前回のブログを参考になさってください。
2021_0706_blog1

つまり、この関係が成り立つように
上のア~ウの中にどのような素因数を入れるのか
を考えていけばよいのです。

どこから考えてもよいのですが、
一番最初に決めやすいのは「ウ」でしょう。

なぜなら、
A,B,Cの3つのうち、
いずれかは「×11」を必ず持っていますよね。
また、
ア~ウの中に入る素因数は「×3」か「×11」のみ
であること、さらには
A,B,Cはいずれも100以下
であることから、
3つのうち最大の整数であるCのウの部分に「×11」を入れただけで
C=7×11=77
となり、100以下の最大値と決まるのです。
2021_0706_blog2

さあ、
あとはA,Bのアとイそれぞれに何が入るのかを考えましょう!

もちろん、
もう「×11」は入らないことはわかるでしょう。
つまり、
「×3」をどのように入れるかを考えればよいわけです。
アとイには異なるかたちで入れなければならないことを考えると、
以下の2つの場合が考えられます。


2021_0706_blog3


2021_0706_blog4

ということで、
① の場合は
A=7
B=7×3×3=63
C=7×11=77
となり、
② の場合は
A=7×3=21
B=7×3×3=63
C=7×11=77
と求まります。

よって、2つの組み合わせは
(A,B,C)=(7,63,77)または(21,63,77)
となります。

いかがでしたか。
なかなかの難問だと思いますが、
前回お話した
「素因数分解」のかたちから最大公約数・最小公倍数を捉える
ことができればこのようなアプローチもでき、
視覚的にもわかりやすいのではないでしょうか。

今回はここまで。
また次回のブログでお会いしましょう。

それではまたお会いしましょう!

算数ドクター