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投稿日:2025年05月09日

テーマ: 算数

受験算数のコツ!小学生でも使える正負の話③

みなさん、こんにちは。受験Dr.の亀井章三です。

今回も引き続き、中学校の数学で学習する「正負」の話を説明します。
前回はひき算をどのように考えて計算するのかについて説明しました。今回は
かけ算・わり算になります。

 

③ わり算という計算はない?

数学の学習において、「わり算」という計算はありません。それは、
・割る数を逆数にし、かけ算として計算する
・A÷B=B/A と分数にして処理をする
という2つの方法に置き換えられるからです。

したがって、正負の数のかけ算のやり方のみ理解すれば良いことになります。

ところで、正負の数のたし算・ひき算は中学入試の問題でも活用することができ
ます。しかし、正負のかけ算は中学入試の問題では出題されません。そのため、
今回の内容は「4月から中学に入学した新中1生」向けとなります。

 

④ -(マイナス)をかけるということ

正の数と負の数の概念をしっかり理解しようとするのは難しいことです。
しかし、計算の仕組みを覚えるだけであれば、小学生でも容易に理解できます。

おぼえてほしいことは、
「-(マイナス)を1回かけると、+(プラス)と(-)が逆転する」
ということです。
イメージで伝えると、「UNO」というカードゲームの「リバース」と同じです。

最初、時計回りで進んでいたゲームで、誰かが「リバース」を出すとどうなりますか?
そうです、順番が逆回りになり、反時計回りで進むことになります。

かけ算においても、同じように考えます。

(+6)×(-3) という計算では、
まず、数字の部分だけ計算します。6×3なので、答えは18と求まります。
次に、全体の正負を決めます。最初が+ですが、-を1回かけたので、正負が
逆転し、-になります。これを数字にくっつけて、-18がかけ算の答えとなります。

では、(-4)×(-5)はどうなるでしょうか?

数字の部分は先ほどと同じように考え、4×5=20です。
全体の正負は、最初が-ですが、そこに-を1回かけたので、逆転し+になります。
したがって、答えは+20となります。
なお、答えが+になるときは、+を省略し数字だけ答えることが一般的です。

これらのことから、以下の規則がわかります。
かけ算の中に「-」が奇数回(1回・3回・5回・・・)出てくると、答えは「負の数」、
 偶数回(0回・2回・4回・・・)出てくると、答えは「正の数」になる

UNOでいえば、リバースのカードを4回出すと
時計回り→反時計回り→時計回り→反時計回り→時計回り となり、
最初と同じ回り方になることと同じです。
計算における最初の状態は「正」なので、偶数回「-」をかけると、最初と同じ
状態の「正」に戻るわけです。

以上をふまえて、問題を解いてみましょう。

問題 (-1)×(-2)÷(+3)÷(-4)×(+5)×(-6)=

正解は、
・わり算は逆数にしてすべてかけ算にするので、
(-1)×(-2)×(+  1 / 3)×(- 1 / 4)×(+5)×(-6)
・数字の部分だけ先に計算すると、
1×2× 1 / 3 × 1 / 4×5×6=5
・「-」の数を数え、正負を決定し、数字につけて答えにする
-1、-2、-4、-6の4つあるので、偶数個、つまり「正」となります。
したがって、答えは+5です。

これで小学生でも使える正負の話は終了です。
次回もよろしくお願いします。

算数ドクター