こんにちは。
受験Dr.の吉野です。
「家庭学習で宿題が計画通りにこなせない。」 「保護者としては何を手伝ったらいいのか?」そういったお悩みの声をよく聞きます。
今回は、保護者の方にぜひお願いしたいサポートについてお答えしていきます。
① 親のサポートは不可欠
中学受験は、「親子の受験」と言われるほど、親のサポートが必要となります。サポートの中でも非常に大切なものは3つあります。①「体調管理」、➁「スケジュール管理」、③「モチベーションのフォロー」、です。これらのサポートのポイントや具体的やり方について説明していきます。
家庭学習に関しては、どのお子様も最初は未経験です。何をどんな風に進めていけばいいかわかりません。そこで、低学年のうちは親がサポートをしっかり行い、お子様に家庭学習のやり方を教えていきましょう。そして、学年が上がるにつれて親は少しずつ離れていき、お子様が自分でできるようになるよう見守っていきましょう。
特に「スケジュール管理」は、初学者のお子様ひとりでは上手くいきません。保護者の方によるサポートがとても大切になります。1日の、1週間の、1か月の学習スケジュールを保護者の方が管理していきましょう。
➁ 「体調管理」のポイント
「体調管理」では、①食事、➁睡眠、③規則正しい生活、④ストレス発散、の4つの点に気をつけましょう。お子様ではなかなかコントロールすることが難しいので、ぜひご家族が協力してサポートしてください。
・食事・・・栄誉バランスの取れた食事をとりましょう。また、1日3食、特に朝食をしっかり取りましょう。朝にしっかり栄養を取ることで、脳が活性化して学習が効率的に進める事ができます。
・睡眠・・・睡眠時間を削ってまで学習時間を確保することは絶対にやめてください。睡眠不足は集中力を低下させ、記憶も定着しにくくなります。また、免疫力を低下させ、風邪を引きやすくなったり、体調を崩しやすくなったりします。睡眠時間は、9時間はとるようにしましょう。夜10時就寝、朝7時に起床など、自分の生活にあわせた時間を決めて下さい。
・規則正しい生活・・・毎日同じ時間に起き、同じ時間に寝ることで体内時計を整えましょう。体内時計が整うと、睡眠の質が向上し、朝の目覚めがスムーズになります。また、脳が安定したリズムで情報を処理しやすくなるので、記憶力と集中力の向上が期待できます。休日前日だから夜更かしする、休日だからお昼まで寝る、など生活リズムが崩れた生活はやめましょう。
また、寝る2時間前は、スマホを見ることはやめましょう。神経が興奮して質の良い睡眠がとれなくなってしまいます。
・ストレス発散・・・お子様のストレスを溜めないことも大切なサポートです。軽い運動をする、好きなものを食べる、好きなこと(ゲームなど)をする、などの気分転換をしましょう。また、抱きしめたり手をにぎったりなどのスキンシップを取ることや、お子様の話を聞くことでもお子様のストレス解消に有効な手段となります。
③ 「スケジュール管理」のポイント
宿題、家庭学習のスケジュール管理こそが、最も大切なサポートだと考えます。この管理を上手にこなしていけるかどうかが中学受験の成功のカギになります。最初から小学生のお子様が一人で計画を立てて実行していくことは不可能です。最初のうちは保護者の方がスケジュール管理を行い、徐々に勉強の習慣を身につけていきます。実施する内容は、①1週間の学習時間割の作成、➁毎日の学習の進捗状況の確認、③1週間後の計画の見直し、です。具体的に説明していきます。
(1) 1週間の学習時間割の作成
・4教科の1週間の宿題を全て書き出してください。
・50分やって10分休憩を基本として、宿題・解きなおしの曜日と時間を決め、家庭学習時間割を作ります。
・塾で学習した日から2日以内に1回目を終わらせるように計画してください。
・保護者様が○付けをしてくだい。
・間違えた問題のみ2回目(解きなおし・調べ学習)を行います。その際、解答以外であればテキストやノートなど何を見ても良いとします。
・再度、保護者様が○付けをして、間違えた問題は解答・解説を読んで、3回目(解きなおし)を行います。
※1週間で宿題・解きなおしがまわせないときは、算数を優先してスケジュールを組んでください。
(2) 毎日の学習の進捗状況の確認
・テキストの解答が配られたら、その日のうちに解答だけ回収してください。
・1週間の家庭学習時間割をわかるところに張り出します。(冷蔵庫などみんなが見えるところが良いです)
・お子様は毎日、実施したノート・テキストを提出し、家庭学習時間割にチェックをつけます。
・保護者様は○付けして翌日返却してください。
※○付けは機械的に解答通りでかまいません。解答が漢字で書いてあれば、ひらがなで書いてある答案は×で構いません。
(3) 1週間後の計画の見直し
・必ず親子で話し合いましょう。親が決めてしまうとやらされている感が強くなります。
・休息日や予備日を入れましょう。余裕のある計画を心掛け、優先順位をつけて計画を立てましょう。
④ 「モチベーションのフォロー」のポイント
お子様が家庭学習を続けていくためには、モチベーションを常に高く保たなければなりません。モチベーションの維持方法は①目標設定、➁評価です。どのようにするか具体的に説明します。
・目標設定・・・1か月後に達成する目標を決めましょう。その際、気を付ける点が3点あります。
(1) 目標は具体化・数値化しましょう。「成績を上げる」は駄目です。「次の模試で4科の偏差値を前回より3ポイント上げる」が正しい目標の立て方です。
(2) お子様が自分で目標を決めましょう。保護者が決めた目標ではなく、自分が決めた目標が達成できた成功体験をぜひ経験させてください。なかなか目標が決められないお子様の場合は、保護者の方が上手に誘導してあげて下さい。
(3) 目標を達成するために必要なことを決めましょう。具体的な行動が決まれば、家庭学習時間割に落とし込んで1週間の学習に組み込みましょう。
・評価・・・1か月後に保護者の方はお子様を評価してあげてください。その際、「できなかったこと」を評価するのではなく、「できたこと」を評価しましょう。また、完全にできなくても途中までの頑張りを認めてあげましょう。怒られるからやるという評価の仕方では、お子様のストレスが溜まりやる気が低下してしまいます。過剰な評価は必要ありませんが、少しでも頑張っていたのであればそれを正当に評価しましょう。
中学受験では、「スケジュール管理」による保護者のサポートが何よりも大切です。お子様と一緒になって受験を乗り越えていきましょう。
今回はここまで。保護者のサポートによる学習成果が出ることを期待しています。
では、また次回でお会いしましょう。
受験Dr.吉野でした。