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投稿日:2025年08月28日

テーマ: 算数

受験算数必須!文章問題~立式から消去算~

こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。

本日は、文章問題から式をつくり、消去算を利用する問題を示していきます。

例えば、
長さ300mの普通列車が、一定の速さで鉄橋をわたり始めてからわたり終わるまでに40秒かかりました。同じ鉄橋を、長さ350mの急行列車が、普通列車の1.5倍の速さでわたり始めてからわたり終わるまでに30秒かかりました。鉄橋の長さは何mですか。

速さ、時間、距離のうち2つ分かれば、比を利用する必要はないので、
まずは、言われていることを「式で表す」という方法です。

 

この問題では、まず、何が分かっていないかというと、鉄橋の長さもそうですが、そもそも速さが出ていません。距離=速さ×時間ですから、速さが分かってないと距離はでてきません。
しかし、この問題は、普通列車も急行列車も速さがでていません。速さでわかっているのは、急行列車の速さは、普通列車の1.5倍ということだけです。

普通列車の速さを①とすると、急行列車の速さは1.5です。

鉄橋の長さを□mとすると、
300+□=①×40
350+□=①×1.5×30
となります。

この2つの式を作ることがポイントです。

そうしますと、2つの式で□は同じものなので、消すことができます。←消去算です。
300+□=㊵
350+□=㊺
となり、下の式から上の式を引くと、50=⑤、よって、①=10
普通列車の速さが10m/秒となります。
そうすると、10×㊵=400m←10秒で進んだ距離
鉄橋の長さは、400―300=100m

 

では、次の問題にもトライしてみてください。

秒速20mの急行列車が、ホームを24秒で通過しました。その後、秒速28mの特急列車がホームを18秒で通過し、先を走る急行列車に追いついてから追いこすまでに48秒かかりました。ホームの長さは何mですか。(神奈川大学附属中)

 

この問題は、急行列車の長さ、特急列車の長さ、どちらも分かっていません。
ホームの長さを□mとすると、進んだ距離を表す式を作ります。

20×24=急行列車の長さ+□
28×18=特急列車の長さ+□

□が等しいので、消去算を利用します。
480=急行列車の長さ+□
504=特急列車の長さ+□
下の式から上の式を引くと、24=特急列車の長さ―急行列車の長さ

また、追いかけると48秒なので、
急行列車の長さ+特急列車の長さ=(28-20)×48=384

ここで、和差算を利用します。
384―24=360
360÷2=180←これが、急行列車の長さとなり、急行列車はホームを24秒で通過したので、
480―180=300
答え、300mとなります。

こちらの問題も、式を2つ作って、消去算を利用する問題でした。
更に、最後、和差算も必要になります。

以上のように、上位校の問題は、式を作って、消去にもっていき、更に和と差のアプローチが必要となる複合的な問題になります。
1つの問題で、複数の単元学習で学んだことを利用していくことになります。
この夏、一つ一つ単元ごとに学んだことを入試問題で意識して使っていけるようにしていきましょう!

算数ドクター