メニュー

投稿日:2025年08月29日

テーマ: 理科

<中学入試・理科> 標本調査~2025年入試問題より~

今回も、2025年の入試問題を扱います。
標本調査に関する基本問題です。必要な考え方を理解しましょう。

 

【問題】
けんじくんは部活動で学校の池のザリガニの個体数を調べてみました。
カゴわなを仕掛けて80匹のザリガニを採集し、そのすべてに目印を付けてから、もといた場所に放しました。
1週間後に再び採集したところ、72匹のザリガニが採集でき、そのうちの18匹に目印がついていました。
この池に生息するザリガニの個体数の推定値を求めなさい。
ただし割り切れない場合小数第1位を四捨五入し整数で答えなさい。
(2025 立教新座)

 

父:今回は池に生息するザリガニの総数を考える問題だ。
良夫:総数ね。それならいっそのこと、池の水全部抜いてみたら。
父:ま、それはやらないという前提で…
最初から考えていこう。
まず、あらかじめ捕まえて目印をつけた80匹のザリガニを放流する。
この時点で、池には2つの集団があることになる。
良夫:目印付きザリガニと、無印ザリガニの2つだね。
父:目印つきザリガニを放流すると、再び元の場所で再び生活する。
良夫:ザリガニたちは自分に目印がついていることがわからないから、お互いに影響されず自由に行動するね。
父:いいこと言うな。
この状態で一定の時間が経つとどうなる。
良夫:二つの集団が混じり合うね。
父:全体が均等に混じり合ったところで、一部を取り出したのだな。
良夫:うん。72匹取り出した。
父:取り出した集団内の目印つきザリガニの割合はどうなった。
良夫:72匹中18匹…25%になった。
父:いよいよここからだ。
それでは、池全体における目印つきザリガニの割合はどうなっていると思う。
良夫:全体が混じり合ったんだから、取り出したザリガニの中の目印付きザリガニの割合と、池全体における目印付きザリガニの割合は等しくなるね。
というわけで、25%
父:これを使うと、池に住む全ザリガニの個体数が求められるが、あとは大丈夫か。
良夫:こう見えても算数で割合を習っているから出せるよ。
目印つきの個体数は80だから、
80÷0.25=320匹と推定できる。
父:お見事。
良夫:四捨五入しなくて済んだ…
父:全体が均等に混じりあうイメージがないと、わかりにくい問題だ。出題者は何としてもここは理解してほしいと考えている。
良夫:本当に?
父:多分。
ところで、世論調査で出てくる内閣支持率や政党支持率も、標本調査だよな。
良夫:そういえばそうだね。一定の人数に聞き取りをすれば、国民全体における支持率を推定できるってことか。
父:ああ。割合は人数には関係ないから、支持率さえ出ればそれで国民全体の支持率を表すと考えていいわけだ。
良夫:何人ぐらいで調査するの?
父:一般には数千人規模で行われるそうだ。
良夫:数千人に聞き取り調査をするのか。相当な手間がかかっているんだね。
ところで政党支持率の場合は、調査がどのくらい正確であるかを、かんたんに検証できるね。
父:池の水を全部抜くと。
良夫:そう。国会議員は総選挙がある。総選挙の結果と照らし合わせれば、世論調査の正確さを検証できる。
父:そうだな。議席数じゃなくて、得票率で見ると、投票者全体の内訳がわかるな。機会があったら検証してみよう。

 

今回のポイント

<標本調査>
一部を取り出してその中の割合を調べることで、全体の割合を推定できる。

今回の場合は目印付きザリガニの割合を考えて、池全体の生息数を推定することができました。考え方については、会話部分をぜひ参考にしてください。
それではまた。

理科ドクター