最新記事 2022年06月10日

テーマ: 算数

問題対応力up!~場合の数の見極め①~

さんこんにちは。
受験ドクター講師の勝山利信です。

今回のテーマは算数の「場合の数」です。

入試や模試では、公式にあてはめるだけで直接答えが出せる易しい問題から、書き出しと計算を駆使して数百通りあるものを調べながら正しく数え上げる難度の高い問題まで、幅広く出題されています。日々の学習活動の中では、模試の小問集合に1問含まれている問題が思いのほか正答率の低い難度の高い問題であったり、実際の入試問題では結論だと決定づけるのに時間がかかり、コストパフォーマンスが良くない問題だったりと悩みの種になりやすいテーマの1つです。

【基本となる考え方】
では、問題の内容を見極めて正しく結論の数値にたどり着くためにどのような注意をしていけば良いのか具体的に見ていきましょう。

確認問題1
次の図のように円周上にA~Hの8点があります。そのうち、3点を頂点とする三角形は何通りできますか。
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典型題の1つですが、どのように解き進めれば良いか作戦は立てられたでしょうか?
三角形の個数を問われているので、まずはいくつか三角形を実際に書いてみてもかまいません。
ただし、どの三角形から書くかによって、場合の数の理解度が変わってきます。
よく理解している人は必ず三角形ABCから書きます。次に書くのは三角形ABD、ABE、ABF、…というように、必ず順番に書いていきます。

1つ目の注意点は、書き出すときは抜け漏れが発生しないように順番を必ず守って書くようにすることです!

三角形ABC~ABHまでの6個が書けたら、次は三角形ACD、ACE、ACF、…となりますがこの辺りからどこまで書けば良いか不安になってきますね。もう少し規模が小さいものであれば最後まで書き出しても良いのですが、場合の数の問題では50を超える2桁や3桁、4桁の数値が解答になることもあります。全てを書き出すのに苦労することも場合の数の難しさの要因です。

そこで、効果を発揮するのが、順列と組み合わせの計算です。順番に並べる場合は順列の考え方、順番は関係なく選ぶ場合は組み合わせの考え方、というようにしっかり使い分けましょう。今回は、8点から三角形の頂点となる3点を選べば良いので、
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と、計算で答えを出すことができます。

2点目の注意点として、順列と組み合わせのどちらを使って考えるか、順番が関係あるかどうかから正しく判断しましょう。

【落とし穴に落ちてはいけない問題】
さて、基本的な考え方が確認できたところで次の問題を見てください。

確認問題2
次の図のように2本の直線上にA~Hの8点があります。そのうち、3点を頂点とする三角形は何通りできますか。
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さて、点の配置が変わりました。三角形をつくるために8点の中から3点選ぶことは変わらないので、先ほどと同じように考えて56通りの三角形ができるのでは?と考えてしまいそうになりますね。

先ほどと同じように、順番に具体的に3点選んでみるとすぐに気がつくと思います。
早速A、B、Cと3点選んでみるとこの3点は一直線上に並んでいるので、三角形ができたとは言えません。

何が起こっているのでしょうか?
少し難しい言葉を使うと、「必要条件と十分条件」の違いがここで発生しています。

確認問題1では同じ円の円周上の3点は一直線上に並ぶことはないので、「8点のうち3点を頂点とする三角形をつくる」ことと「8点から3点選ぶこと」は1:1でつながりました。確認問題2ではそもそも2つの直線上に4点ずつ並んでいるので、「8点から3点選んだ」としても選び方によっては「三角形がつくられない」場合も発生しているということです。一見して似ている問題ですが、違いを見極めなければ落とし穴にはまってしまいます。

三角形がつくられない場合は、A、B、C、Dの4点から3点選ばれる4通りと、E、F、G、Hの4点から3点選ばれる4通りの合計8通りです。

よって、確認問題2の解答は、56-8=48より48通りということになります。

3つ目の注意点は、今考えている考え方で問われている場合の数を正しく数えることができるか確認することです!

このように注意点が多いテーマですが、どのような点に注意すれば良いかが分かった状態で練習すれば、自然に注意できるようになっていきます。正しい経験を積み重ね、間違っている場合には違和感を覚え、考え方を練り直すことができるようになれば一人前です!

次の機会には、場合の数の「場合分けの重要性」についてお話ししたいと思います。

目指せ問題対応力UP!
それでは、またお会いしましょう!