最新記事 2021年04月09日

テーマ: 理科

理科「天気の予測」 ~天気にまつわる伝承~

みなさんこんにちは。受験ドクターの石田新一です。

冬の寒さも和らぎ、これから暖かくなりますね。進学されるお子様方は、新しい環境で学校生活を送ることに胸を弾ませていることと思います。ご存じの通り、春の天気は移動性高気圧の影響で周期的に変わります。天気がコロコロと変わると体調を崩し易くなりますので、体調に気を付けて新しいスタートをきって欲しいと思います。

入試で出題される天気の基本知識

今回は、入試で出題される天気についての知識をお伝えしたいと思います。
日本付近では、春と秋は天気が良い日と悪い日が周期的に入れ替わります。これは「移動性高気圧」の影響によるものですが、秋は日本列島に「台風」が接近し易い時期でもあります。夏は「小笠原気団」と、「南東からの季節風」の影響で、温かく湿気が多い空気が日本列島を覆います。「南高北低」の気圧配置となることが特徴です。冬は「シベリア気団」「北西からの季節風」の影響で冷たい空気がシベリア大陸から太平洋に向かって移動するので寒く、日本海側では雪が降り易く、太平洋側では乾燥し、「西高東低」の気圧配置となることが特徴です。また、6月半ばから7月上旬にかけて「梅雨」時期になりますが、これは「停滞前線」が日本列島の上空にしばらく滞在するからです。やがてこの停滞前線は北上し、北海道に到達する前になくなるので、北海道には梅雨の時期がありません。

以上のことは入試で頻出の「基本知識」です。受験生であれば当然知らなくてはならない知識です。

「暁星中学校」の理科の入試問題

今春の「暁星中」の理科の入試問題は、大問1が「天気」についての出題で小問が10問、その中に「雲の種類は何種類ありますか?」という問いがありました。ご存知でしょうか?

「巻雲(すじぐも)」、「巻積雲(うろこぐも、いわしぐも)」、「巻層雲(うすぐも)」、この3つが名前に「巻」がつく「上層雲」です。次に、「高積雲(ひつじぐも、むらぐも)」、「高層雲(おぼろぐも)」、この2つが名前に「高」がつく「中層雲」です。名前に「乱」つく「乱層雲(あまぐも)」、「積乱雲(にゅうどうぐも、かみなりぐも)」は雨をもたらす雲で、この2つは名称を答えさせる設問となっています。その他、「積雲(わたぐも)」、「層積雲(うねぐも)」、「層雲(きりぐも)」があり、以上の10種類とされています。ちなみに名前に「積」がつくと縦長の雲、「層」がつくと横に広がっている雲ということになります。このように雲の種類によって天気が予測できます。

「本郷中学校」の理科の入試問題

また、今春の「本郷中」では最後の大問4が「天気」についての出題でした。「前線について」、「フェーン現象について」、「気象衛星について」などの出題でしたが、その中で「夕焼けが奇麗に見えたら次の日は晴れる」という伝承を題材に、正誤問題の出題がありました。問題を以下に記載しますので、皆さんもご一緒にお考え下さい。

「現在、日本で使われている観天望気のうち、間違っているものを次のア~オから1つ選び、記号で答えなさい。」

ア.ツバメが低く飛ぶと雨が降る。
イ.春頃、朝焼けが奇麗に見えると天気が悪くなる。
ウ.山に笠雲がかかると雨が降る。
エ.朝に霧が発生すると、日中晴れる。
オ.飛行機雲がすぐに消えると天気が悪くなる。

正解は「オ」です。周りの空気の湿度が低いと水滴は水蒸気に変わり易くなります。湿度が低いということは雲ができにくいということなので良い天気になります。さらに付け加えると、飛行機雲は飛行機がジェット燃料を燃やした際に発生する水蒸気が水滴にかわり、雲のように見えているので、人工的にできたものです。これは「観天望気」には含まれません。よって、オが間違っているということになります。ただ、ア~エの「伝承」を知っていれば消去法で答えが導き出せます。

ちなみに、アは、低気圧が近づき湿度が高くなると虫が低い所に多く出て、それをエサとして捕えるために、ツバメが低く飛びます。イは、朝焼けが見えるということは東の空に雲がないということなので高気圧が発達していると判断できます。日本付近の天気は西から東へと移り変わります。高気圧が東の方角へ去って行ったということなので天気が悪くなっていきます。逆に、夕焼けが奇麗に見えると、西に雲がないということなので、天気は良くなっていきます。ウは、低気圧が近づき上空の水蒸気が多くなることで、高い山に笠雲がかかるので、天気は悪くなっていきます。エは、夜に高気圧に覆われると雲がなくなるので熱の放射により気温が下がり早朝に霧が発生します。上空に雲がないので晴れるということになります。以上のように「伝承」にはきちんとした「根拠」があります。他にも様々な「伝承」があるので、調べてみてはいかがでしょうか?