最新記事 2019年11月11日

テーマ: 社会

入試に出るノーベル賞

こんにちは。受験ドクター国語科・社会科担当の市村 史帆です。

10月中旬に今年度のノーベル賞受賞者が発表され、ノーベル化学賞を「リチウムイオン電池の開発」の功績をたたえられ、吉野彰氏(71、旭化成名誉フェロー)らが受賞しました。
このノーベル賞、時事問題に関連して、しばしば入試問題で出題されます。
携帯電話から電気自動車まで、生活のあらゆるところに使われているリチウム電池、試験問題でも題材になりそうですね。

今回のブログでは、入試でよく聞かれるノーベル賞受賞者をまとめてみました。
社会科だけでなく、理科の問題で出題される場合もあるので要チェックです。

ノーベル賞とは、ダイナマイトの発明で知られるスウェーデンの発明家、アルフレッド・ノーベル氏の遺言によって創設された、「前年に人類に最大の貢献をもたらした人々」に贈られる賞です。

ノーベル賞1

~日本編~

湯川秀樹氏 (受賞年:1949年)(ノーベル物理学賞)  原子核の中に「中間子」が存在すると予言しました。
日本人で初めてノーベル賞を受賞した人物。2019年度入試では3校以上の問題に登場しました。

川端康成氏 (1965年)(ノーベル文学賞)  『雪国』、『伊豆の踊子』
現在、日本人のノーベル文学賞受賞者は川端康成氏、大江健三郎氏の2人です。
過去には、受賞者の人数が書かれた表を見て日本にあたるものを選ぶ、などという問題も。
文学賞受賞者の人数が大きな手掛かりになりました。
※日本にルーツのあるカズオ・イシグロ氏(文学賞受賞)はイギリス国籍のため除外しています。

江崎玲於奈氏 (1973年)(ノーベル物理学賞) 「江崎ダイオード」の開発

佐藤栄作氏 (1974年)(ノーベル平和賞) 非核三原則に基づいた政治、外交
「核兵器を○○ず、○○○ず、○○○○○ず」。すぐに思い出せますか?(答えは一番最後の問題コーナーに記載します)
日韓基本条約の批准、沖縄返還を成し遂げた総理大臣としても知られていますね。

山中伸弥氏 (2012年)(ノーベル医学・生理学賞) iPS細胞をつくることに成功しました。

赤崎勇氏・天野浩氏・中村修二氏 (2014年) 青色発光ダイオード(LED)の開発、実用化に貢献
LED電球やブルーレイディスクに欠かせない青色発光ダイオード。
信号機や液晶ディスプレイのバックライト、体内に入れる「カプセル内視鏡」など、私たちの暮らしのあちこちに使われています。
一方で、これほどの研究を成し遂げたにも関わらず、中村教授は所属企業からごくわずかな報奨金しか受け取っていなかったということも話題になりました。

大村智氏 (2015年)(ノーベル医学・生理学賞) 寄生虫に対する薬剤「イベルメクチン」の開発

梶田隆章氏 (2015年)(ノーベル物理学賞) 「ニュートリノ」に質量があることを証明しました。

大隅良典氏 (2016年) オートファジー(細胞の自食作用)の仕組みの解明

⑩本庶佑氏 (2018年) がんの免疫療法を開発
毎年、入試問題は夏休み~秋口にかけて作られます。
ノーベル賞の発表は毎年10月初め、本庶氏の受賞については2019年度入試にはほとんど出題されていませんので、押さえておきたいところです。

~海外編~

アンリ・デュナン (1901年) (ノーベル平和賞)

セオドア・ルーズベルト(1905年)(ノーベル平和賞)

ウッドロウ・ウィルソン(1919年)(ノーベル平和賞)
いずれも歴史の授業で出てくる人物です。授賞理由は、問題コーナーで確認しましょう。

マザー・テレサ(1979年) (ノーベル平和賞)
カトリックの修道女として、インドで貧しい人々に救いの手を差し伸べました。

アウンサンスーチーさん(1991年)(ノーベル平和賞) ミャンマーの軍事政権に対し、非暴力で民主化運動を行いました。

ワンガリ・マータイさん ケニア環境副大臣 2004年)(ノーベル平和賞)
環境分野での初のノーベル平和賞受賞者。
受賞後2005年の来日時、日本語の「もったいない」という言葉に「環境3R(リデュース・リユース・リサイクル)」と尊敬を表す「リスペクト」が表されていると感じ、「MOTTAINAI」キャンペーンを始めました。

マララ・ユスフザイさん(パキスタン出身の人権活動家) (2014年)
史上最年少の17歳での受賞。女子の教育を受ける権利を訴えました。

ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)(2017年)  核兵器禁止条約の採択に貢献しました。

デニ・ムクウエゲ氏(コンゴ民主共和国の産婦人科医)・ナディア・ムラドさん(「イスラム国」による迫害を告発)(2018年) 戦争・武力紛争での性暴力をなくす努力

~番外編 日本人のノーベル化学賞受賞者~
日本人のノーベル化学賞受賞は、2010年以来9年ぶりです。
近年の入試問題には登場しませんでしたが、ここ10年ほどの受賞者について確認しておきましょう。

下村脩氏(2008年) クラゲから緑色の蛍光を発するたんぱく質を発見。

鈴木章
根岸英一氏(2010年) 有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング発見の功績をたたえられ受賞しました。

次に、ノーベル賞関連の出題傾向をご紹介します。

日本国内では近年の受賞者のほか、日本人で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹氏についての設問。
その他、文学史に関連のある川端康成氏、戦後日本の国際関係に関係するということで佐藤栄作氏についても押さえておきたいところです。

海外の受賞者に関しては、ノーベル平和賞についての設問が多くみられます。
2017年に受賞した「ICAN」が2019年の入試に登場した数は、実に3回以上。
国際赤十字創設者のアンリ・デュナンが受賞したことは上に記載した通りですが、過去には、クーベルタン(IOC 国際オリンピック委員会 の創設者)も候補者として挙げられていたそうです。

ノーベル賞の授賞式は、ノーベルの命日である12月10日。
平和賞以外はスウェーデンのストックホルム、平和賞はノルウェーのオスロ―にて授賞式が行われます。
例年ニュース番組で式の模様や受賞者インタビューが取り上げられるので、ぜひご覧になってみてください。

練習問題

では、最後にいくつか練習問題を。

①1974年には佐藤栄作元首相が「非核三原則に基づいた政治、外交」の功績をたたえられノーベル平和賞を受賞しました。非核三原則とはどのようなものか、次の空らんをうめなさい。

「核兵器を○○ず、○○○ず、○○○○○ず」

②ノーベル平和賞を受賞した人物について、次の人物名と業績を正しく組み合わせなさい。

〈人物名〉
アンリ・デュナン
セオドア・ルーズベルト
ウッドロウ・ウィルソン
 
〈業績〉
日露戦争の講和に寄与
国際連盟の創立に寄与
国際赤十字の創設に寄与

③1954年に東西冷戦下の難民に対する法的保護に関して1981年に世界規模の難民保護活動に対してノーベル平和賞を受賞した国連機関の名称を答えなさい。

ノーベル賞2

〈解答〉

①核兵器をもたず、つくらず、もちこませず

②アンリ・デュナン…国際赤十字の創設に寄与
セオドア・ルーズベルト…日露戦争の講和に寄与
ウッドロウ・ウィルソン…国際連盟の創立に寄与

③国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)