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投稿日:2025年05月22日

テーマ: 社会

【中学受験社会】2025年の時事問題~関税①~

皆さんこんにちは!
受験Dr.の清水栄太です。

今回は2025年の時事問題に関連した「関税」についてお伝えします。

今年の3月~4月にかけて「トランプ関税」という言葉がニュースで報じられていましたね。

この時事ニュースは、受験生たちが学習した地理と結びつく内容が豊富で、入試でも出題頻度が高まることが予想されます。

そこで、本記事では、関税について掘り下げていきます。

本記事を活用して、ご家庭での学習にお役立てください!

 

1 関税とは?

関税とは、「外国から商品が入ってくるときにかかる税金」です。

お子さんに口頭で確認した際に「輸入品に対してかかる税」という返答があればオッケーです!

返答に困っている場合や違う内容を説明した場合は、以下のように伝えてみてください。

『関税は、例えるなら入場料のようなもの。外国の商品が日本の市場に入ってくるとき、入場料(関税)を払ってもらうんだ。例えるならテーマパークなどに入るときに入場料を払うことと似ているね。』

 

2 関税が存在する3つの理由

こちらも、「関税ってなぜあるの?」とお子さんに質問してみてください。

「安い外国の輸入品が入ってくると、自分たちの国の産業がおとろえるかもしれないから」と答えられると良いですね!

歴史を勉強しているお子さんであれば、関税自主権を学習した際にも、同様の内容を学習したと思います。

 

関税が存在する理由は、大きく分けて3つあります。

1. 国が収入を得るため

国を運営するためにはお金が必要です。

関税は昔から重要な国の収入源でした。

今日でも発展途上国では、関税による収入が国家予算の重要な収入源になっている国もあります。

たとえるなら、「国のお財布にお金を入れるための方法の一つ」と言えるでしょう。

 

2. 自国の産業を守るため

外国の安い商品がたくさん輸入されると、国内生産された同じ商品が売れなくなり、その商品を作っている会社が競争に負け、結果的に国の産業が衰える可能性があります。

関税をかけることで、外国製品の価格が上がり、国内の産業が守られるというわけです。

ここでも、例を考えてみましょう。

お子さんが家の前でクッキーを売っているとします。

隣町の子がやってきて、半額でクッキーを売り始めたらどうでしょう?

お子さんのクッキーは売れなくなりますよね。

そんなとき「隣町の子が売るクッキーには『入場料』を徴収する」というルールがあれば、隣町の子が売るクッキーは、「入場料」を反映した価格になり、公平にクッキーを売ることができます。

これがいわゆる『保護関税』の考え方です。

 

3. 外交カードとして

関税は、国と国との交渉の道具にもなります。

「うちの国の商品への関税を下げてくれたら、あなたの国の商品への関税も下げますよ」という具合です。

日本では自動車が強みですから、相手国の日本車に対する関税を下げるために、相手国の農作物の関税を引き下げるということも過去には行われてきました。

 

3 商品による関税率の違いと国による違い

関税は商品によって税率が全然違います。

例えば、服や靴などは比較的高い関税率。機械部品などの生産に必要な物は低い関税率になっていることが多く、国内で作れないものや資源(原油など)は、低い関税か、ゼロのことも多いです。

また、取引する国によって税率が異なることがあります。

自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)という言葉を聞いたことがありますか?近年の入試でも出題頻度が増加しています。

これらの協定は、国と国の間で「関税を下げましょう」という約束です。

例えば、日本とオーストラリアの間にはEPAがあります。

だから、オーストラリア産の牛肉は通常より安い関税で日本に入ってくることができます。

これは家庭の食卓にも影響していますよね。

例えるなら、「仲の良いお友達の国は、入場料を安くしてあげる約束をしている」ということです。こうした協定が近年さかんに結ばれるようになりました。

 

4 関税は良いこと?悪いこと?

関税を設けることについては賛否両論あります。

関税を低くしたり、無くすことで、輸入品の値段が安くなり、買い物が増えて経済の活性化につながることが考えられます。

一方で、関税をかけることで、自国の産業や雇用を守り、急激な変化から経済を保護する効果もあります。

したがって、どちらが良いかという正解はなく、国によって状況も異なります。

バランスが大事であるといえるでしょう。今回のトランプ関税は、関税が引き上げられましたが、その狙いの一つには、アメリカの産業を守ることがあったと考えられます。

 

5 まとめ

関税は、国と国の経済関係を調整する重要な仕組みです。

単なる税金ではなく、国家の収入源、産業保護の手段、外交カードとしての側面があります。また、関税は私たちの生活とも無縁ではありません。例えば、スーパーで買う輸入品の価格には、こうした関税の影響が反映されているのです。

今回は「トランプ関税」の話題をきっかけに、関税の基本的な役割や意味について学びました。

時事ニュースを見聞きした際には、これまでで学んだ内容とどうつながっているかを考えてみることが、時事を制する第一歩になります。

 

次回は関税の歴史や協定について、お伝えする予定です!

今回はここまで。
それではまた次回お会いしましょう!
応援しています!

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