最新記事 2021年11月19日

テーマ: 算数

音が聞こえる時間の求め方

こんにちは。
受験ドクターの坂井です。

今回は音が何秒間聞こえるかという問題に焦点をしぼってお話をしていきます。
よくある問題として例を挙げると、
船が汽笛を10秒間鳴らしながら近づいてくるとき、その汽笛の音を聞いている人は何秒間汽笛の音を聞いたことになるかといった感じのものです。

こういった問題の考え方で難しいのは、音を出している物体が動いてしまうことを考慮しなければいけないというところなんです。

一方、音を出す物体が動かなければ簡単に答えられるのになぁ といった受験生は多いのではないでしょうか。

では、音を出す物体が動かない場合と動く場合の違いを見ていきます。

問題の条件は次のようにします。

【問題】
 車がサイレンを10秒間鳴らします。
車は動くときは秒速10m,音の速さは秒速340mとします。

(1)車が静止しながらサイレンを鳴らすとき、このサイレンを聞いている人はサイレンを何秒間聞いたことになりますか。

(2)車が動きながらサイレンを鳴らすとき、このサイレンを聞いている人はサイレンを何秒間聞いたことになりますか。ただし、車はサイレンを聞いている人に近づく方向に動いているとします。

(1) 車が静止しながらサイレンを鳴らすときの音が観測者に届くまでの様子を図にして見てみます。

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最初の音をPとします。(図1)

サイレンが鳴り始めてから数秒経過 
しています。     (図2)

10秒間サイレンを鳴らした最後の瞬
間の音がQです。   (図3)

10秒間鳴らしたサイレンの音が観測
者に向かって進んでいきます。
(図4)

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10秒間鳴らしたサイレンの最初の音Pが観測者の耳に届きます。
この瞬間から音が聞こえ始めます。        (図5)

10秒間鳴らしたサイレンの最後の音Qが観測者の耳に届きます。
この瞬間までがサイレンの音が聞こえている時間になります。
                        (図6)

10秒間サイレンを鳴らしているのでPQの長さは
340(m/秒) × 10秒 = 3400(m)になります。

ここで、図5の音Pが図6の音Pまで進んでいる時間が観測者の音を聞いている時間になるので、

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したがって、車が静止しているとき、10秒間鳴らしたサイレンを観測者は10秒間聞こえていることになります。
                         (答え)10秒間 

(2) 車が動きながらサイレンを鳴らしているときの音が観測者に届くまでの様子を図にして見てみます。  

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最初の音をPとします。(図7)

サイレンが鳴り始めてから数秒経過 
しています。車も進んでいます。
(図8)

10秒間鳴らしたサイレンの最後の音
がQです。車も進んでいます。
(図9)

10秒間鳴らしたサイレンの音が観   
測者に向かって進んでいきます。
(図10)
            
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10秒間鳴らしたサイレンの最初の音Pが観測者の耳に届きます。
この瞬間から音が聞こえ始めます。        (図11)

10秒間鳴らしたサイレンの最後の音Qが観測者の耳に届きます。
この瞬間までがサイレンの音が聞こえている時間になります。(図12)

ここで、注意しなければいけないことは、車が動きながらサイレンを鳴らしているときの10秒間の音の長さ(PQの長さ)が3400mではないということです。

車が動きながらサイレンを鳴らしているときの最後の音が出た瞬間(図9)と
車が静止しているときに鳴らしたサイレンの最後の音が出た瞬間(図3)を並べてみてみましょう。

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 車が静止しているときも、動いているときも最初の音が出た場所は同じ場所だから
10秒後の音Pの位置は同じです。
 ところが、最後の音Qを出す場所は車が10秒動いている分だけ100mだけ観測者に近づいた位置になります。 10(m/秒) × 10秒 = 100m

よって音の長さ(PQの長さ)は3300mとなり、車が静止しているときに10秒間鳴らしたサイレンの音の長さ(3400m)より100m短くなっていることがわかります。

したがって3300mの音ではじめに鳴らした音Pが観測者に届いてから、最後に鳴らした音Qが観測者に到達するまでの時間が観測者に音が聞こえている時間になるので(図11)(図12)

2021_1119_blog7                             となり、
音が聞こえている時間が10秒より短い時間になります。
                             
                            (答え)9.7秒間  

また、(図3)(図9)を比較しながら音の波の幅を見てみると、(図9)の音の波の幅の方が短く(せまく)なっていることに気づきます。

これは(図3)の音に比べて(図9)の音のほうが振動数が多いことを意味しています。

音は振動数が多くなると高い音として聞こえます。

救急車が近づいてきたときの「ピーポーピーポー」の方が通りすぎたあとのそれよりも
高い音で聞こえるのはそのためです。

それでは、またお会いしましょう。