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投稿日:2023年04月13日

テーマ: 算数

(発展的な)時計算④  ~長針と短針が90°になるのは何回ある?~

みなさん、こんにちは。
受験Dr.の坂井智則です。

今回は時計算のおはなし第4弾です。
一定の時間の範囲で長針と短針のなす角が90°になるのは何回あるのかといったお話です。

長針と短針のなす角が90°になる回数を求める問題は、一見簡単そうに見えますが実は苦手にしている受験生は多くいるのではないでしょうか。

例えば、朝の6時から夕方の6時までの間に、長針と短針のなす角が90°になる回数を考えてみましょう。

下図のように6時と7時の間に長針と短針のなす角が90°になる回数は2回あります。

 

image8

 

ちょっと想像してみると7時と8時の間も長針と短針のなす角が90°になる回数は2回あります。
そうなんです。60分で2回あることがわかります。
ということは、6時から8時の2時間のあいだに90°になる時間が4回あるということになります。

さらに続けてみると、8時と9時の間にも2回あります。そして9時と10時の間にも2回あります。
では今回も8時から10時までの2時間のあいだに長針と短針のなす角が90°になる時間は4回あらわれる・・・・??? いや、4回ではなんですね。 実は3回しかありません。では、なんで4回ではないのしょうか。

その理由を示すには「9時」という時刻がポイントとなります。
9時ピッタリという時間は長針と短針の角が90°になっているのです。(当たり前ですが…)
この「9時」が8時から9時の間と9時から10時の間で重複してカウントされているのです。
ですから8時~10時の2時間のあいだに長針と短針のなす角が90°になるのは3回なのです。

「9時」と同様に「3時」にも注意して、朝6時から夕方6時までの長針と短針のなす角が90°になる回数をすべて書き出してみることにします。

 

181bcac4f62da21fd8f3f218aa81e493

 

合計22回 ということになります。
書き出して調べてみてもあまり手間はかかりません。
みなさん、是非一度手を動かして書き出してみてください。

では、この22回を計算で出すにはどうしたらよいのでしょうか。
ここからは計算を用いて算出する考え方について見ていきます。

【計算方法】
朝6時から初めて長針と短針のなす角が90°になる時刻を求めてみましょう。
1分間に長針と短針はそれぞれ6°,0.5°ずつ動きます。ですから、長針と短針の距離は1分間に5.5°ずつ近づいたり離れたりします。6時の時点で短針と長針は180°離れているので、その距離をあと90°縮めればよいわけです。

 

スクリーンショット 2023-04-05 19.53.06

 

朝6時から長針と短針のなす角が初めて90°になる時刻は6時スクリーンショット 2023-04-05 19.53.45分 です。

その後は長針と短針の距離が180°つくごとに両針のなす角が90°になります。

つまり、スクリーンショット 2023-04-05 19.54.05ごとに両針のなす角が90°になるのです。

はじめて両針のなす角が90°になってから、夕方の6時までの時間は、

スクリーンショット 2023-04-05 19.54.37

その間に長針と短針のなす角が90°になる回数があと何回あるかを計算すると

スクリーンショット 2023-04-05 19.54.58となり、21回であることがわかります。

そして、初めて長針と短針のなす角が90°になった1回を加えると
21+1=22回 となります。

 

皆さんがどこかで1度は見たことのあるような問題でしたが、どうでしたか。
一見簡単そうに見えるが、正解までたどり着けない受験生が多くいるのも事実。
是非、①書き出して数えてみる方法、②計算して求める方法の両方を試してみてください。
案外、得意になったと思えるようになるかもしれませんよ。

それではみなさん、
またお会いしましょう。

算数ドクター