最新記事 2022年07月04日

テーマ: 国語

接続語-並立の添加の区別-

こんにちは、太田 陽光です。
今回は、接続語について、生徒の理解があいまいと感じられるものについて、解説します。
それは、並立と添加です。
実は、並立と添加の働きには共通する部分があります。
そのため、違いをしっかり理解していないと、問題で不正解になることがあります。

まずは、並立と添加の働きの説明します。

【並立】 また・およびなど
前の内容と後ろの内容に関連があるので、並べて書く。
前の内容と後ろの内容は同等の関係。

【添加】しかも・そして・さらになど
前の内容に後ろの内容を付け加えて書く。
前の内容があって初めて後の内容が成立する関係。

次に、例文を挙げて比較します。

<例文1> 
(A) モモがある。また、ブドウがある。
(B) モモがある。しかも、ブドウがある。

モモとブドウの関係は、どちらも果物という同等のものですので、「並立」を使うことが可能です。
同等の関係とは、入れ替えても文の意味が変わらない、ということです。
なので、
モモがある。また、ブドウがある。
       ↓
ブドウがある。また、モモがある。
と入れ替えても、何の問題もありません。

一方、モモがまずあって、それに付け加える形でブドウもある、という読み取りができますので、「添加」を使うことも可能です。
しかし、モモがまずあるということは前提条件ではありませんので、「添加」よりも「並立」の接続語でつなぐ方がよいと言えます。
つまり前後の内容が入れ替え可能かどうかが、「並立」と「添加」の接続語の区別に関係するのです。

<例文2> 
(A) 日本という国は、もともと周りを海に囲まれていたため、他国との交流には海を越えなくてはいけないという障壁があり、独自の文化が栄えた。またイギリスという国も、もともと島国であるため、他の国には見られない伝統的文化が萌芽した。

(B) 日本という国は、もともと周りを海に囲まれていたため、他国との交流には海を越えなくてはいけないという障壁があり、独自の文化が栄えた。しかも江戸時代には鎖国制度をとったため、文化の独自性は、世界に類を見ないものにまで昇華された。

(A) の前の内容と後ろの内容は、どちらも海に囲まれているので独自の文化を生み出した国という、同等の関係があります。
入れ替えも可能です。以下に挙げます。
(A)  イギリスという国は、もともと島国であるため、他の国には見られない伝統的文化が萌芽した。また日本という国も、もともと周りを海に囲まれていたため、他国との交流には海を越えなくてはいけないという障壁があり、独自の文化が栄えた。
しかし、(B)は、独自の文化が栄えた理由として、「もともと周りを海に囲まれていたため」という内容が前提条件であり、のちの世に「鎖国制度をとったため」という内容を付け加えた関係です。入れ替えは不可能です。
仮に、入れ替えてみますと、
(B)江戸時代には鎖国制度をとったため、文化の独自性は、世界に類を見ないものにまで昇華された。
しかも日本という国は、もともと周りを海に囲まれていたため、他国との交流には海を越えなくてはいけないという障壁があり、独自の文化が栄えた。
「もともと」という前提条件が後ろに来た、意味の分からない文章であることが確認できますね。

最後に問題です。

次の空欄には、「また」と「しかも」のどちらが入るでしょうか。
私は将来、医師になりたいと思っています。しかし、医学部のある○○大学付属中に合格するためには相当な努力が必要です。[   ]、かりに入学できたとしても自分の志望する医学部に入るためには、学校内でも努力を続けなければならないでしょう。しかしそれでも私は医師になりたいです。

合格することが前提条件になっていますので、しかもが入りますね。