最新記事 2021年03月22日

テーマ: 算数

算数の基本知識 ~歩幅の問題~

皆様こんにちは。大木快です。
運動不足による筋力低下が国全体の社会問題となりつつあります。
今回は、速く走る方法を考えてみましょう。
【問題1】

次のうち、100m走のタイムを縮める方法として適切なものをすべて選べ。
ア 1歩の長さを大きくする。
イ 1秒当たりの歩数を多くする

ア・イ両方とも正しいと思った人はいませんか。
正解は…

【答】 適切なものはない

最初から意地の悪い問題になってしまいました。
タイムを決めるものは、そう、速さです。
ここでは速さはどのように決まるか、ということを考えなくてはなりません。
ア 1歩の長さを大きくする。
はなぜダメか。それは、1秒当たりの歩数が変わらないという前提が書かれていないからです。いくら歩幅が伸びても、1歩に何分もかかってしまったら、速くはなりませんね。
「1秒当たりの歩数を変えずに、歩幅を長くする」
となっていれば、正解でした。
これでイがダメな理由も分かりましたね。
「歩幅を変えずに」1秒当たりの歩数を多くすればよいのです。

さて、速さは1秒当たりの距離ですから、

速さ = 歩幅 × 1秒当たりの歩数

が成り立ちます。次の問題を考えてみましょう。

【問題2】

陸上競技の短距離100メートル走では、100メートルを走るにかかる時間(以下、タイムと呼ぶ)は、1歩あたりの進む距離(以下、ストライドと呼ぶ)と1秒あたりの歩数(以下、ピッチと呼ぶ)に関係がある。ストライドとピッチはそれぞれ以下の式で与えられる。
ストライド(m/歩)= 100(m)/100メートルを走るのにかかった歩数
ピッチ(歩/秒)= 100メートルを走るのにかかった歩数/タイム(秒)

例えば、タイムが10.81で、その時の歩数が48.5であったとき、ストライドは100 ÷ 48.5より約2.06、ピッチは48.5 ÷ 10.81より約4.49である。

ストライドをa、ピッチをbとおく。ピッチは1秒あたりの歩数、ストライドは1歩あたりの進む距離なので、1秒あたりの進む距離すなわち速さは、aとbを用いて(    )m/秒と表される。

ストライド=歩幅
ピッチ=1秒当たりの歩数
ですね、先程の公式がそのまま使えます。よって

【答】 a×b

となります。
この【問題2】は、今年から新しく始まった大学入学共通テストの数学の問題です。(一部表現を変えています)
中学入試でも知らない単語でハッタリかます系の問題として通用しそうですね。

問題1で、もし
「歩幅と1秒当たりの歩数をともに大きくする」という選択肢があれば
当然正解となるわけですが、共通テストの問題の続きは、
「ストライドが0.05m大きくなるとピッチが0.1小さくなるという関係」を用いて、速さを最大にするストライドとピッチを考えさせる問題になっています。
やはり、歩幅と1秒当たりの歩数は、物理的には両立しにくい関係と言えそうです。
さて、算数で歩幅の問題を扱うとき

速さ = 歩幅 × 1秒当たりの歩数

において、「1秒当たりの歩数」の部分は
①歩数
②ペース
③ピッチ
など、いろんな呼び方が流通していますが、使用率はおそらく①の歩数がトップでしょう。「単位時間当たりのニュアンス」をこめて使っている限りは問題ありませんが、ここをあいまいにすることで理解の妨げになることがあるので、初心者は注意が必要です。
小学生には③のピッチはなじみ薄いようです。②のペースはしっくりきそうな表現ですね。
一歩一歩、自分の歩幅で、自分だけのペースで進めることは、算数では特に大事なことですが、あんまり遅いと時間切れになるので注意しましょう。

それではまた。