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投稿日:2011年09月29日

テーマ: 算数

「相似~直角三角形」

今回の「基本を考えよう」は「相似」です。その中でも直角三角形を
とりあげます。

  ★ 相似条件を知っておこう ★

三角形の相似形というと、よく知られているのが下図でしょう。


直線BCと直線DEが平行の場合は、青い三角形と緑の三角形は
相似になります。

では、なぜ、相似になるのでしょうか。

合同条件と同じように、相似にも条件があります。3つありますが、
下記の条件を覚えておけばいいでしょう。
   三角形の相似条件:対応する2つの角度が等しい

下の図1では、角Aは対頂角で等しく、角Cと角Dは錯角で等しい。
図2は角Aが共通、角Bと角Dが同位角で等しい。

それぞれ2角が等しく、相似になります。

  ★ 直角三角形と相似 ★

直角三角形の相似で覚えておきたいのが、下図です。直角三角形ABCと
青い直角三角形、緑の直角三角形はすべて相似になります。

直角三角形ABCと青い直角三角形は、角Bが共通、直角で、2角が等し
く相似、同じように、直角三角形ABCと緑の直角三角形は、角Cが共通、
直角で、2角が等しく、この2つの三角形も相似になります。

青い直角三角形、緑の直角三角形も同じように相似です。

相似形になる図形はまだまだ沢山あります。”2角が等し”ければ相似に
なります。見つけ出す学力が必要になります。

  ★ 相似の直角三角形を使った問題 ★

【問題】

正方形を4つ横に並べて長方形を作ります。対角線をひいたところ、51
cmになりました。正方形の面積を求めなさい。

【解答・解説】

問題を解く場合、問題文を読んで解法が直ぐ分かるのがベストですが、
入試問題はそのような問題ばかりではありません。

解法が直ぐわからない場合、どうしたらいいでしょう。自分がもっている
算数の解法を当てはめて、解法の糸口が見つかるかどうか、試行錯誤を繰
り返すことです。

直角三角形の場合、よく出てくるのが、

   3辺の比が 3:4:5 や 13:12:5

です。これをまず当てはめてみましょう。

51cmはどの比の倍数でもありませんので、この比は使えないことが分
かります。

次に、今回のテーマである相似を使ってみましょう。下図のように、51
cmの対角線を底辺として直角三角形を書き直します。

さらに、2つの直角三角形にわけるために頂点から補助線をひきます。
辺の比は、正方形の1辺の4つ分と1つ分ですから、図のように4:1に
なります。

3つの直角三角形はすべて相似ですから、下図のような辺の比になります。

51cmは、比⑰になりますから、比①=3cm です。比④=12cm
ですから、この直角三角形の面積は

  51 × 12 ÷ 2 =306

正方形4つ分の面積は、この直角三角形の2倍ですから

  306 × 2 = 612

です。正方形の面積は

  612 ÷ 4 = 153

                     答 153 cm2

正答にたどりつくポイントは解法を覚えることではありません。知識を覚
えることは大事ですが、いかにその知識を使いこなすかにかかっています。

最低限の知識をいろいろ当てはめてみて、解法の糸口を落ち着いて探りま
しょう。

この問題は、他の解法でも解くことができます。どんな方法が使えるか、
考えてみましょう。

今回の「基本を考えよう」は「相似~直角三角形」でした。