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投稿日:2021年08月27日

テーマ: 算数

比を割合に置き換える

みなさん、こんにちは。 海田真凜です。

今回のお題は
 「比を割合に置き換える」  

前回のブログでは、「割合」と「比」の置き換えの重要性をお伝えし、
割合⇒比の置き換えトレーニング を行いました。

今回は
比⇒割合の置き換えトレーニング

では、いきましょう。

< 割合と比の置き換え とは? >

まずは、割合と比の置き換え のおさらいから。

割合を比に置き換える
(例)AはBの5/6倍 ⇒ A:B=5:6 
使うとき:問題文を読んで解答方針を立てる段階
メリット:問題が理解しやすくなる →着眼点がつかみやすくなる

比を割合に置き換え
(例)A:B=2:5 ⇒ AはBの2/5倍
使うとき:解き進めていく過程での計算処理段階
メリット:処理量を減らすことができる →はやく解ける

< 比⇒割合の置き換え トレーニング1 >

まずは分数倍のトレーニングから。

問1. 兄と弟の所持金の比は2:1。兄の所持金は300円、弟の所持金は何円?
問2. 長方形のたてと横の長さの比は4:7。たての長さは11.6cm、横の長さは何cm?
問3. AB間とBC間の距離の比は5:9。BC間が12km、AB間は何km?

解説1.
兄:弟=②:①
②=300円
①=300×1/2=150円

②を①にするためには何分のいくつをかければよいか?

②×□=① より □=①÷②=1/2
1/2倍すればよいですね。

ポイントは
①の大きさを求めずに、一発で⑤の大きさを求める」

①の大きさを要求されているわけではないので
そこを省略することで計算を1つ少なくすることができる
結果としてはやく解ける、というわけです。

なお、分数倍は仮分数で計算してください。
帯分数は禁止です。

この問1.が最も簡単な数値設定なので
忘れたときに立ち返る典型パターンとして
常に確認できるようにしておきましょう。

 ◆忘れたとき用◆    
②=300円
   ↓ ×1/2
①=300×1/2=150円

解説2.
たて:横=④:⑦
④=11.6cm
↓ ×7/4
⑦=11.6×7/4=20.3cm

ここでは、11.6×7/4のときに、11.6と4を約分して2.9と1にしましょう。

解説3.
AB間:BC間=⑤:⑨
⑨=12km
↓ ×5/9
⑤=12×5/9=20/3km

< 比⇒割合の置き換え トレーニング2 >

次は図形問題に対応させるためのトレーニングです。

問1.
BD:DC=4:5のとき、三角形ADCは三角形ABCの何倍ですか。
2021_0827_blog1

解説1.
BD:DC=4:5より、三角形ABD:三角形ADC=④:⑤
三角形ABCは④+⑤=⑨
よって、三角形ADC⑤は三角形ABC⑨の5/9倍

問2.
BD:DC=2:3、AE:EC=5:1のとき、三角形ADEは三角形ABCの何倍ですか。
2021_0827_blog2

解説2.
BD:DC=2:3より、三角形ABD:三角形ADC=②:③
三角形ABCは②+③=⑤
三角形ADCは三角形ABCの 3/5倍

次に、AE:EC=5:1より、三角形ADE:三角形DEC=❺:❶
三角形ADCは❺+❶=❻
三角形ADEは三角形ADCの 5/6倍

よって、三角形ADEは三角形ABCの 3/5倍の5/6倍
つまり、 3/5×5/6 = 1/2倍

問3.
BD:DC=3:5、AE:EC=3:1、AF:FD=1:3のとき
三角形DEFは三角形ABCの何倍ですか。
2021_0827_blog3

解説3.
BD:DC=3:5より、三角形ABD:三角形ADC=③:⑤
三角形ABCは③+⑤=⑧
三角形ADCは三角形ABCの5/8倍

次に、AE:EC=3:1より、三角形ADE:三角形DEC=❸:❶
三角形ADCは❸+❶=❹
三角形ADEは三角形ADCの3/4倍

最後に、AF:FD=1:3より、三角形AEF:三角形DEF=1:3
三角形ADEは1+3=4
三角形DEFは三角形ADEの3/4倍

よって、三角形DEFは三角形ABCの 5/8倍の3/4倍の3/4倍
つまり、5/8×3/4×3/4=45/128倍

これで、割合⇒比のトレーニングは完了です。

< 今回の到達目標 >

[例題]
下の図において、AF:FD=1:2、BD:DC=3:4、AE:EC=4:1です。
三角形ABCと三角形DEFの面積比を最も簡単な整数の比で求めなさい。
2021_0827_blog4

BD:DC=3:4より、三角形ABD:三角形ADC=③:④
三角形ABCは③+④=⑦
三角形ADCは三角形ABCの4/7倍

次に、AE:EC=4:1より、三角形ADE:三角形DEC=❹:❶
三角形ADCは❹+❶=❺
三角形ADEは三角形ADCの4/5倍

最後に、AF:FD=1:2より、三角形AEF:三角形DEF=1:2
三角形ADEは1+2=3
三角形DEFは三角形ADEの2/3倍

よって、三角形DEFは三角形ABCの 4/7倍の4/5倍の2/3倍
つまり、4/7×4/5×2/3=32/105倍

最後に、前回のトレーニングの成果を。

三角形DEFは三角形ABCの32/105倍

ここから、割合⇒比の置き換えですね。
三角形ABCは分母の105個分
三角形DEFは32個分
よって、三角形ABC:三角形DEF=105:32

いかがでしたか?
これを機に、割合と比を自在に行き来できるようにしてください。

それでは、また~

算数ドクター