最新記事 2021年08月06日

テーマ: その他

「出題傾向」と「学習の優先順位」

みなさんこんにちは、受験ドクターの桑田陽一です。
8月の講師ブログをお届けします。

6年生は、大事な夏期講習の真っ最中。そして、この夏が終わると本格的に過去問に取り組む時期になりますね。
そんなタイミングで、今回は「学校別の傾向と対策」のお話です。

大手塾では、毎年春先に「入試報告会」のようなタイトルで、その年の入試傾向や塾の指導方針を伝えるイベントが開催されます。
コロナの影響下にある今年はオンライン開催が中心でしたが、各塾ごとに充実した資料も配付され、今年目を引いた出題例も人気校を中心に数多く紹介されています。

特徴的な問題がよく出題される学校を志望する受験生にとっては、目新しく見える出題がとても気になるところでしょう。

過去問演習について

さて、間もなく志望校の過去問演習に入ろうかというこの時期にお話ししておきたいことが一つ。
それは、各校の「特徴的な出題内容」と「合否を分けるポイント」は微妙に異なっていることも多い、ということです。

これだけでは、ちょっと分かりにくいですね。もう少し詳しく説明します。

「出題傾向」

例えば、麻布中学校の算数がその典型的な例。

麻布の算数は大問6題構成が基本。そして、大問5番や6番にはかなりの難問が出題されます。

複雑な平面図形や、その場で試行錯誤しながら条件を整理して解き進める規則性・数の性質など。
受験生にとっては初めて見る設定で、ある意味「見栄えのする問題」が多いのです。
そして、そんな問題こそ「麻布中に特徴的な出題例」としてよく紹介されます。

では、麻布中合格のための算数におけるポイントは、この特徴的な問題への対策を中心に進めることなのか?
実は、多くの受験生にとって、そうではありません。

「学習の優先順位」

麻布合格を争う線上にいる受験生が、まずは優先して対策するべきこと。
それは、前半に配置される典型題やその応用レベルの問題をきっちりと取り切る力をつけることです。

麻布中の合格ラインは5割から6割ちょっとで推移しています。それをクリアするための算数での戦略とは、麻布合格レベルの受験生なら取れるはずという難易度の問題は確実に得点にした上で、後半の難問であわよくば少しでも上積みを図るという方向性になるのです。

麻布受験生の中に交じっても算数が大得意だという人ならば、後半の難問レベルに特化した練習を積むのも悪くありませんが、多くの受験生が重視すべきポイントはそこではありません。

麻布を例にお話ししてきましたが、他にも似たような状況にある学校はたくさんあります。

複雑な立体図形が毎年のように出るものの、難しすぎてごく一部の受験生以外では差がつかず、合否はむしろ標準的な問題での正解数に左右される…

など、「特徴的な出題」「頻出単元」と「合否を分けるポイント」がずれていることはよくあります。
また、同じ学校を志望している受験生であっても、算数が得意なのか苦手なのかによって、対策の優先順位は大きく変わります。

もちろん、志望校の出題傾向を把握しておくことは大切。
しかし、これから合格に近づくために強化すべきポイントは、一人ひとり違っています。

過去問対策こそ、個別指導の効果が最も現れるところ。
表面的な「出題傾向」に引っ張られすぎることのないよう、ドクターの先生と相談しながら、自分に合った対策を進めていきましょう!

今回はここまで!