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投稿日:2017年03月16日

テーマ: 算数

中学受験生でも解ける!?東大数学の図形問題

みなさんこんにちは。受験ドクターの桑田陽一です。

入試直前期は、目の前の生徒さんへの対応を優先することを言い訳に、講師ブログの投稿をお休みさせていただいていました…。

そんなわけで、季節はすっかり春めいてきましたが、2017年最初の講師ブログをお届けいたします。

今回の話題は、先の入試から。

入試と言っても、中学入試ではなく、東京大学入学試験のお話です。

2017年2/25(土)・26(日)の2日間に渡って、東京大学第2次学力試験(前期日程)が行われました。

各日ともに午前午後に1科目ずつ、計4科目の試験を受けることになりますが、1日目の午後には数学の試験が実施されました。理系の受験生は150分で大問6題、文系の受験生は100分で大問4題を解くという重厚な試験です。

その中で、今回、文系の第2問として出題された問題は、中学受験生でも充分に考えることができる内容だったのです!

実は、東京大学に限らず全国の難関大学に視野を広げてみると、大学入試数学の出題の中には、小学生向けに多少表現を変えてやることで、腕に覚えのある中学受験生であれば挑戦可能になる問題が、少しは紛れ込んでいるものではあります。

とはいえ、分野としては中学受験用語で言うところの「数の性質」や「場合の数」が中心で、東大入試の「平面図形」に中学受験生が挑戦できるというのは珍しいこと。

というわけで、今回は、そんな東京大学の入学試験からの1問を紹介します。

平成29年度 東京大学 前期日程 数学 文科第2問

1辺の長さが1の正六角形ABCDEFが与えられている。点Pが辺AB上を、点Qが辺CD上をそれぞれ独立して動くとき、線分PQを2:1に内分する点Rが通りうる範囲の面積を求めよ。

残念ながら、この問題のままでは答えの数値に根号(ルート)が含まれるため、小学生には解けません。しかし、問題の意味だけなら、このままでも充分とらえられそうですね。

問題の本質部分は全く変えず、中学受験生が解決可能な形になるように、少しだけ問題を書き換えてみます。

正六角形ABCDEFがあります。点Pは辺AB上を、点Qは辺CD上を動く点です。PQを2:1に分ける点をRとします。点PとQがそれぞれAB上とCD上を自由に動くとき、点Rが通る部分の面積は、正六角形ABCDEFの面積の何倍ですか?

「求めよ」なんて命令調で言われると、純朴な小学生には腰が引けてしまうかもしれないので(笑)、ふだん見慣れた「ですます調」の文体に書き換えてみました。

さらに、面積そのものを求めるのではなく、正六角形全体の何倍かを求める形に変えました。

この形ならば、中学受験生も解答を求めることが可能です。

とはいえ、今は3月。

中学受験生たちは、新学年のカリキュラムを学び始めたところですね。

新6年生なら今でも一応挑戦可能ですが、問題レベルとしては、受験直前期に図形の得意な受験生が演習するのにちょうどよいくらいかと思います。

腕に相当の自信がある新6年生や、入試を終えたのに何故かここを読んでくれている元受験生がいれば、ぜひ挑戦してみてください。

自力で挑戦してみたいけど、今は無理そうだという新6年生や5年生以下の皆さんは、問題の存在だけ頭に入れておいて、ふと思い出したときに取り組んでみると良いかもしれませんね。

さて、次回は、解答解説編!?

算数ドクター