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投稿日:2021年05月07日

テーマ: 理科

こん虫の冬越しの根本原理

みなさんこんにちは。受験ドクターの久米です。
今回は、こん虫の冬越しについてお話しいたします。

どのこん虫がどの姿で冬越しするのか、
中学入試では良く出題されるテーマですが、覚えるのはなかなか大変です。
こん虫の種類ごとの共通項がなかなか見つからず、
単純な丸暗記をしてすぐ忘れる方も多いと思います。

こん虫の冬越しの覚え方

まずは広く知られている語呂合わせから行きましょう。
五七五調で読んでください。
「バカたまご トカセ幼虫 チョウさなぎ ハチアリテントウ 親で冬越し」

バッタ・カマキリは卵で冬越し。
トンボ・カブトムシ・セミは幼虫で冬越し。
チョウはさなぎで冬越し。
ハチ・アリ・テントウムシは成虫で冬越し。
インパクトは抜群にありますよね。
4年生・5年生のお子さんや、こん虫はどうも苦手だというお子さんについては、
まずはこの歌に出てくるこん虫を覚えるだけで大丈夫です。
この後は、受験学年である6年生向けに、
冬越しの仕組みについて、もう少し詳しく見ていきます。

冬越しの仕組み

そもそも、こん虫は変温動物ですから、
私たち人間のような恒温動物と異なり、
体温を維持することができません。
したがって、外気温が下がる冬は活動できません。
その活動できない冬をどうやってしのぐかが冬越しです。
お子さんには、以下のような例え話で教えています。

寒い冬、君がこん虫だったらどうする? 次の3つから選んでください。
①重ね着する
②あたたかい場所に移動する
③おしくらまんじゅうをする

①を選んだ人、あなたは卵かさなぎで冬越しをしています。
冬は寒いので、幼虫や成虫だと、そのままで冬越しはできません。
だから、卵やさなぎで体をおおい、厚着をして、冬を乗り切っているのです。
バッタの仲間は地中に卵を産んで冬越しします。
カマキリは泡のような形をした卵を、オビカレハは帯のような卵を木の枝に生んで
冬を越しています。
アゲハやモンシロチョウは、さなぎの姿で冬を越しています。
ミノガ(ミノムシ)は例外です。
枯れ枝で作った蓑で厚着をしているので、
幼虫のまま冬を越せます。

②を選んだ人、あなたは地中か木の葉の下、
または水中に移動して
冬越しをしています。
土の中や水の中は外よりも暖かいのです。
カブトムシやクワガタは幼虫の姿で冬越ししています。
アリは地中にある巣にこもって成虫の姿で冬越しします。
それができるのはあたたかい土の中にいるからです。
トンボの幼虫(ヤゴ)やホタルの幼虫は、
外に比べてあたたかい水中で冬越ししています。
ゲンゴロウやタガメは水中で、成虫のまま冬越しします。
アキアカネはトンボの仲間ですが、水中で卵のまま冬越しする例外です。。

③を選んださみしがり屋のあなた。
あなたと同類なのは、ミツバチやテントウムシです。
ミツバチは巣で身を寄せ合って過ごしています。
冬、石の裏などにびっしりと張り付いたテントウムシの群れ、
見たことある人もいるでしょう。

以上をまとめた表が、下記になります。
どういう形で冬を越すか。
それぞれのこん虫の知恵が見えてくるような気がしますね。

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それではまた。受験ドクター、久米でした。

理科ドクター