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投稿日:2018年01月23日

テーマ: 算数

受験算数のコツ!2018と継子立て(前編)

みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。

2018年も始まり、受験シーズンの到来です。埼玉県・千葉県の入試も終わり
いよいよ東京・神奈川の入試がやってきます。体調を崩すことなく、最後まで
頑張ってください。

2018 算数

今日は、継子立てについてお話しいたします。

継子立てとは、算数の問題で出題される規則性の問題の一種ですが、
古くは吉田兼好の「徒然草」にも出てくる、伝統ある問題です。
最近でも、灘中や開成中の入試問題でも使われています。
それでは実際に問題を使ってご説明いたしましょう。

問題 1から2018までの数字が書かれたカードが、それぞれ1枚ずつあります。
これら2018枚のカードが横一列に並んでおり、カードに書かれている数字は、左
から順に1,2,3,4,5,6,……,2015,2016のように1ずつ大きくなっています。この
カードの列に、次の操作を繰り返し行います。

[操作]:カードの列の一番左にあるカードを取り除く。その後、カードの列の一番
左にあるカードを、カードの列の一番右に移す。

例えば、列に並んでいるカードに書かれている数字は、左から順に次のようになり
ます。

[1回目の操作の後]  3,4,5,6,……,2015,2016,2
[2回目の操作の後]  5,6,……,2015,2016,2,4

2017回目の操作でカードを取り除くと、最後に残るカードに書かれた数字は
いくつですか。
【灘中 2016年・改題】

この問題のポイントは、どのような共通点のある数字を取り除くのか、ということ
と「最後にカードを取り除いたのか、残したのか、ということです。

1~1009回の操作では、
1,3,5,7,……,2015,2017 と奇数を取り除き、
2,4,6,8,……,2016,2018 と偶数が残ります。
ここで一番大きい数である2018を最後残して列の右端に移しました。
ということは、次の2は「取り除く番」になります。
このように1~2018の数ごとに調べていき、取り除く数・残す数・最後に残した
かを書き出していきましょう。

1010~1514回の操作では、
2,6,10,14,……,2014,2018 と「4で割ると2余る数」を取り除き、
4,8,12,16,……,2012,2016 と「4の倍数」が残ります。
一番大きい数である2018は最後取り除きましたので、次の4は「残して右端
に移す番」になります。先ほどとは異なることに注意しましょう。

したがって1515~1766回の操作では、
8,16,24,32,……,2008,2016 と「8の倍数」を取り除き、
4,12,20,28,……,2004,2012 と「8で割ると4余る数」が残ります。
このあとも残っている最も大きな数が取り除いたか残したかを確認しながら、
作業を続けていきます。

以下の操作は次のようになります。
1767~1892回の操作
12,28,44,60,……,1996,2012 と「16で割ると12余る数」を取り除く。
1893~1955回の操作
20,52,84,116,……,1972,2004 と「32で割ると20余る数」を取り除く。
1956~1986回の操作
36,100,164,228,……,1892,1956 と「64で割ると36余る数」を取り除く。
1987~2002回の操作
4,132,260,388,……,1796,1924 と「128で割ると4余る数」を取り除く。
2003~2010回の操作
68,324,580,836,1092,1348,1604,1860 を取り除く。
2011~2014回の操作
196,708,1220,1732 を取り除き、452,964,1476,1988 が残ります。

いよいよ残り4つ!ここからは1回ずつ操作を進めていきます。
2015回目  452が取り除かれ、1476,1988、964 に。
2016回目  1476が取り除かれ、964、1988 に。
そして2017回目  964が取り除かれ、1988が残ります。
したがって、答えは1988となります。

いや~長い道のりでした。最後に残る数だけ求めるのならば、実は規則性
があるんですが、それは次回のブログでご説明いたします。

2018年もいっぱい算数の面白さを伝えていくブログをお送りいたします。
ところで、2018年といえば韓国の平昌でオリンピックも行われます。あれ?
そういえば継子立ての答えは1988、1988といえば同じ韓国のソウルで
オリンピックが行われた年ですね。不思議な偶然ですね。ではまた次回の
ブログでお会いいたしましょう。

2018 算数 2

前回のブログの問題の答え

問題 平成元年は西暦1989年である。平成元年から平成30年までの
間には、西暦の年数が平成の年数で割り切れる年は全部で□回あるで
しょう。□にあてはまる数を答えなさい。

平成元年は1989年なので、平成の和暦と西暦の差は常に、1989-1=1988です。
この西暦と和暦の差が、1988の約数になるとき、西暦の年数が和暦の年数で割り
切れます。
1988=2×2×7×71より、1988の約数は1,2,4,7,14,28,71,142,284,497,994,1988
の12個になります。このうち30以下のものは1,2,4,7,14,28の6個になりますので、
割り切れる回数も6回です。

答え 6

算数ドクター