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投稿日:2020年10月02日

テーマ: 算数

場合の数は、基本問題からの変化で応用問題を考える

受験ドクターのI.Sです。

場合の数の問題はどうやって解けばいいのか・どの解き方を使えばいいのかを見分けるのが大変な単元です。
問題を一つ一つ暗記するのは無理ですので、問題を系統ごとに分類して見られるようになるとやりやすくなります。

今回は、場合の数の問題をステップ毎に分類して、その問題がどの系統にある問題なのかを意識する練習を紹介します。
「解き方を覚えてもすぐに忘れてしまう」というお悩みをお持ちのお子様に役立てていただけると思います。

説明するよりも実際に見た方が分かりやすいので、さっそく例題に移ります。
問題の解き方というよりは、問題を系統に分けて分類する過程をご覧いただきたいと思います。
(細かい解き方は、全ては分からなくても大丈夫です!)

問題は次のようなものです。

問題:黒石が3個、白石が3個あります。ここから4個選んで一列に並べる並べ方は何通りありますか?

さて、この問題をどのように解くのか考えていきましょう。
すぐに答えが出せた方は、このままブログを閉じていただいて構いません。
どうやって解くんだろうか? 又はお子様にどうやって教えようか? と思われた方、是非続きをお読みください!

まずステップ1の例題を出します。

ステップ1:黒石が10億個、白石が10億個あります。ここから4個選んで一列に並べる並べ方は何通りありますか?

問題文に「10億個」とありますが、これはほとんど関係ありませんね。「たくさんある」と同じ意味です。

さて考えましょう。

碁石を4個、一列に並べますので、まず1個目の石を何色にするか考えます。
黒か白の2通りです。
次に2番目の石を何色にするか考えます。
当然黒か白の2通りです。
3番目、4番目も同様に2通りです。

なので答えは
2×2×2×2=16通り となります。

これがステップ1です。
白黒の石が十分にたくさんあれば、何も気にすることなく2×2×2×2で求められました。
次に進みましょう。

ステップ2:黒石が4個、白石が3個あります。ここから4個選んで一列に並べる並べ方は何通りありますか?

この問題は先ほどのステップ1と何が違うのでしょうか?
黒石の個数が10億個から4個になったところで影響はありません。同じ色の石は最大で4個しか使わないのですから、10億個あろうが4個だろうが同じことです。

考えなくてはならないのは白石です。3個しかありません。
白石の個数が10億個から3個になると何が変わるのでしょうか?

白石が3個しかないと、できないことがあります。白白白白と、白を4つ連続で並べる並べ方はできなくなります。
白石が3個しかないので、足らなくなりますね。

しかし逆に言うと、白白白白以外のパターンでは影響がありません。白石が10億個から3個に減ることでつくれなくなるパターンは、白白白白以外の1通りだけです。

よって求め方は
2×2×2×2-1=15通り

と求めることが出来ます。

まとめると、「黒石がたくさん、白石がたくさん」のパターンを基本として「黒石が4個、白石が3個」の場合の解き方はその派生形として考えることが出来ました。

ではお待ちかね、冒頭の問題に挑戦しましょう。

ステップ3:黒石が3個、白石が3個あります。ここから4個選んで一列に並べる並べ方は何通りありますか?

こちらの問題はステップ2よりも黒石が1個減っています。
これもステップ2と同様に考えていきましょう。

ステップ1→ステップ2 では「白白白白」の1通りができなくなりました。
ステップ2→ステップ3では何が変わるのでしょうか?

黒石も個数が3つになりましたので「黒黒黒黒」もできなくなります。
つまり、ステップ1から考えると「白白白白」と「黒黒黒黒」の2通りができなくなっています。

そのため求め方としては
2×2×2×2=16 通りから「白白白白」と「黒黒黒黒」の2通りを引きます。
16-2=14通り です。

このように、ステップ1の基本問題を出発点にして、そこから何が変わったのか? どう派生させて考えるのか?
という視点で問題を整理すると、解法が覚えやすくなります。

解法の丸暗記は長期的に成績が伸びなくなります。
必要な解法は覚えなければなりませんが、同じ覚えるにしても、基本問題からどこが変化したのかに注目して考えると覚えやすくなります。

「解き方が覚えられなくて困っている!」や「一回覚えてもすぐに忘れてしまう!」とお悩みのご家庭は、是非問題の整理という視点で勉強してみてください。

以上、受験ドクター算数科の石井伸二でした!

算数ドクター