最新記事 2020年05月01日

テーマ: 算数

立体切断の線の引き方

 

こんにちは。受験ドクターの石井伸二です。

 

今回は立体の切断についてお話していきます。

立体の切断とは次のような問題です。

 

下の図で、3点A,M,Nを通る平面で切断するときの切断面を作図しなさい。

MとNは各辺の中点です。

 

0501_isii_01

 

この問題の答えは以下のようになります。

 

0501_isii_02

 

切断の問題は、苦手とする生徒さんが大勢いる単元です。

 

このブログでは

①    どのような線を引けばよいのか

②    それでも引けないのはなぜか

③    何を練習すればわかるようになるのか

 

の3部構成でお話しします。

 

では、実際に上に挙げた問題の答えを出す過程を見ていきましょう。

まずは、「同じ面の上にある2点を結ぶ線」を引いていきます。つまり

 

0501_isii_03

 

上の図のように、同じ面の上にある2点を結ぶ線は、簡単に引くことができます。

さて、次にすることは、上の図のAMと平行な線を、点Nから引くことです。つまり正解は

 

0501_isii_04

 

上の図のようになります。しかし、ありがちな誤答は下の図です。

 

0501_isii_05

 

さて、なぜこのような間違えが起きてしまうのでしょうか?それは、「平行」という言葉の意味を、なんとなくの理解のままにしてしまっているからです。

 

下の図を見てください。

 

0501_isii_06

 

方眼紙に2本の直線を引きました。パッと見て、この2本の直線は平行ですよね。さて、「本当に平行ですか?説明してください」という意地悪な質問が来たら、皆さんはどのようにして説明するでしょうか。

 

おすすめの説明は次のようなものです。

「上の線は、縦に1マス、横に2マス行っている。下の線は、縦に2マス、横に4マス行っている。縦と横の比が1:2で等しいので、この2本の線は平行」

 

つまり、ナナメの線同士が平行かどうかを見分けるには、縦と横の比を見ればよいのです。

 

今は平面だったので簡単でしたが、これを立体に応用してみましょう。

 

0501_isii_07

 

先ほどの図で引いた線であるAMはどのような線でしょうか。それは

「下に2、右に1行った線」といえます。つまり「上下:左右が2:1の線」です。

 

次に、このAMと平行な線を点Nから引きます。

平行ということは「上下:左右=2:1」の線でしたね。これを1:2としてはいけません。平行ではなくなってしまいます。

ですから

 

0501_isii_08

 

上の図のように、点Nから「上下方向に2、左右方向に1の2:1」で線を引けばよいのです。

これを、下の図のようにしてしまっては間違いです。

 

0501_isii_09

 

縦と横を逆にした1:2の関係にしてしまう、という誤解から誤りが生まれます。

(ちなみに、こちらの2本の線は、「ねじれ」の関係です。中学受験では出ませんが、中学1年生の数学で習います。)

 

立体の切断面の作図でつまづいているお子様の原因は「平行」の感覚にある場合があります。

 

こうした場合、切断の問題をたくさん解いても状況は改善しません。「平行」という言葉の意味や、立体図形での平行の取り扱い、ナナメの線は縦と横の比でとらえることなど、非常に根本的な事項の指導を受けることが上達の近道です。

 

立体の切断ができるようになるためのコツはいくつかあります。今回はその中の一つ「平行」のトレーニングを取り上げました。

 

それではまた!