最新記事 2019年08月16日

テーマ: 算数 / 理科

作図の大切さを知ろう②~音の速さの問題~

みなさん、こんにちは。
受験ドクター 理科・算数担当の橋本です。

今回は音の問題に挑戦してみましょう。

【問】
秒速10mの船が汽笛を3秒間鳴らすと、10秒後に岸壁から反射した音が聞こえました。
音の速さを秒速340mとして、以下の問いに答えなさい。※答えが小数の場合は小数第2位を四捨五入して答えなさい。
(1)はじめに岸壁と船は何mはなれていましたか。
(2)反射した音が聞こえていたのは何秒間ですか。

音の速さ 作図1

このパターンの出題を苦手とする人は多いのではないでしょうか。
解法をひとことでお伝えすると、船と音の旅人算です。
算数と同じように状況を線分図などで表せば良いのですが、理科になるとなぜか図を描かなくなります。
理科においても、速さの問題は状況を図にすることが大切です。

状況は下図のようになります。

音の速さ 作図2

音の進んだ道のりと、船の進んだ道のりを合計すると1往復分の道のりになるので、

340×10 + 10×10 = 3500 m  …往復の道のり
3500÷2 = 1750 m …片道

次に(2)ですが、これが難しい!  (解説2まで読み飛ばしても大丈夫です)
「3秒間鳴らしていたなら、聞こえていたのも3秒間なのでは?」と考えてしまいがちです。
確かに船が止まっている状態ならば、音を出した時間と聞こえた時間は同じになります。
しかし船が動く問題では、出した音と聞いた音は別の音になっているのです。

その理由はドップラー効果で説明できます。
知っている人も多いと思いますが、ドップラー効果とは救急車が近づいてくるときと遠ざかるときで
サイレンの音の高さが変わる、あの現象です。

音の速さ 作図3

音の高さの変化ばかり話題になるのですが、上図のように音の聞こえる時間も変わります。
この問題では船と反射した音が近づいていくので、聞こえた時間は3秒間よりも短くなるということです。

実はこの問題、文章を言い換えるだけで計算手順をイメージしやすくなります。

「3秒間音を鳴らしつづけた」ではなく、
「3秒後に2回目の音を鳴らした」とするのです。

何秒間聞こえていたかを計算するには、音の聞こえはじめと聞こえおわりの時間がわかればいいので、
はじめの音とおわりの音の2回に分けて、それぞれ計算すると考えると手を動かしやすくなりますよね。

音の速さ 作図4

(1)の線分図に、2回目の音を赤線で書き加えました。
2回目の音が出るのは3秒後なので、その間に船は10×3=30m進んでいます。
岸壁までの道のりは  1750-30=1720m
あとは(1)と同様に出会い算をします。
2回目の音と船の進んだ道のりを合わせると1往復になるので  1720×2=3440m
そのときかかった時間は  3440÷(340+10)=9.82・・・ ⇒9.8秒間
はじめから数えると、2回目の音が聞こえた時間は  3+9.8=12.8秒後
1回目の音が聞こえてから2回目の音が聞こえるまでの時間が答えになるので
12.8-10=2.8秒間

いかがだったでしょうか。
たしかに難しい問題ではあるのですが、

①状況を線分図で描く
②音を鳴らしつづける⇒音を2回鳴らすに言い換える

この2つを実践することで何を計算すれば良いのかイメージしやすくなったと思います。
音に限らず、理科でも速さに関連する問題を解くときには意識してみてください。