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投稿日:2017年05月18日

テーマ: 社会

解決!紛らわしい歴史用語の見分け方

こんにちは、社会科担当の長門明です。
5月になり、毎日とてもさわやかな気候が続いていますね。

小6生のみなさんの中には、歴史の学習範囲がすでに完了している人も多いと思います。
これにより、当然ですが、今後の模試やテストでは「歴史全体からの出題」が増加し、
範囲が広がり、どの時代、人物、文化と関係があったのか混乱してしまう人も多いと思います。

そこで、今回は紛らわしい歴史用語の見分け方と題して、いくつか紹介させていただきます。
知っている見分け方もいくつかあるかもしれませんが、是非活用してみてください!

<解決!紛らわしい歴史用語の見分け方>

①「台地」に住むのは縄文時代
 「低地」に住むのは弥生時代

縄文時代、狩猟採集の生活を送っていた人々は、
現在の「台地(低地より一段高い土地)」に住んでいました。

これは、縄文時代中頃の日本列島は、
現在よりも海面が2~3メートル高かったためと言われています。
大森貝塚が、内陸で発見されたことからも分かります)

弥生時代になると、海面の高さは現在の日本列島の形と近い高さまで下がります。
稲作を中心とした生活を送っていた人々は、
水田管理に適した「低地」に移り、集落を作りました。

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②「土偶」ができたのは縄文時代
 「埴輪」ができたのは古墳時代

土偶は、縄文時代に作られた、魔よけや子孫繁栄のための「まじない」に使った道具です。
埴輪は、古墳に埋葬された権力者に死後もお仕えするために作られた素焼の焼き物です。

実は、埴輪ができる以前は、人間や動物が生きたまま埋められることが行われていました!
埴輪は、まさにその「身代わり」として、作られたものなのです。感謝・・・です。

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③二毛作が「始まる」のは鎌倉時代
 二毛作が「広まる」のは室町時代

二毛作とは、1年の半分を「水田」として、残り半分を「畑」として同じ土地を活用し、
「稲」と「麦」の2種類の作物を栽培する栽培方法です。

この二毛作が「始まった」のは、「鎌倉時代」、畿内(現在の近畿地方)からとされています。
その後、この「進んだ技術」は、少しずつ少しずつ畿内から隣接地域に知られていきます。

そして、長い時間をかけ二毛作が日本の各地に「広まった」のは、「室町時代」となります。
テレビもインターネットもなかった時代、文化や技術は長い時間をかけて拡散するのです。

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④「日本に来る」のが南蛮貿易
 「日本から出る」のが朱印船貿易

南蛮貿易は、安土・桃山時代に日本に来たスペイン人やポルトガル人と行った貿易です。
朱印船貿易は、江戸時代初期に日本から出て、東南アジアで日本人が行った貿易です。

「日本への出入り」という視点で見ることで、「対照的な貿易」と捉えることができます。

⑤「都市」で起こるのが打ちこわし
 「農村」で起こるのが百姓一揆

打ちこわしは、貧しい人々が米屋などを襲う暴動で、「都市」で起こります。
百姓一揆は、年貢の軽減などを求めた農民の暴動で、「農村」で起こります。

同じ「苦しんでいる人びとの暴動」ですが、暴動が発生する「場所」で見分けましょう。

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⑥外国船に「補給する」のが和親条約
 外国船と「貿易する」のが修好通商条約

「和親条約」とは、外国船は日本の港で
「水や薪、石炭、食料などを補給できる」という約束を行ったものです。
内容についても、特に不平等な内容はありません。

「修好通商条約」は、外国船は日本の港で
「貿易」も行うことができると約束したものです。
この時、「関税自主権がない」という内容が盛り込まれ、「不平等条約」となってしまいます。

幕末に結んだ2つの条約、似ているからこそ、しっかり「区別」しましょう。

⑨「リャオトン半島」は日清戦争
 「シャントン半島」は第一次世界大戦

遼東(リャオトン)半島は、日清戦争から韓国併合まで、
日本が狙っていた朝鮮半島の付け根にある中国の半島です。
下関条約で一度は手に入れますが、三国干渉で返還することになります。

山東(シャントン)半島は、第一次大戦時に、
日本が攻め込んだ中国にあったドイツ領の場所のことです。
※第一次大戦中、日本はヨーロッパに戦争しに行ってはいません!

これら2つの場所は、入試でも「場所はどこか」と問われますので、地図で必ず確認しましょう。

⑦「自分の土地がある」のが自作農
 「自分の土地がない」のが小作農

自作農とは「自分の土地を持っている農民」のことで、戦後はとても少なかったのです。
小作農とは「自分の土地がなく、地主の土地を耕している農民」のことです。

「農地改革」は、そんな小作農に土地を与え、
自作農に変えて、新たな気持ちで戦後の復興に取り組ませた政策でした。

<まとめ>
いかがでしたでしょうか。

まぎらわしい単語ですが、それぞれはっきりとした違いがあることも分かったと思います。
歴史は、単なる暗記で終わらせず、「因果」「原因」、そして「見分け方」を押さえましょう!

それではまた!長門でした!

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