最新記事 2022年07月07日

テーマ: 算数

【文章題】つるかめ算の世界①

皆さま、こんにちは!

今回から数回にわたって、算数の特殊算の基本である「つるかめ算」をテーマにお話しようと思います。
「なんだー、つるかめ算かー。簡単じゃん!」
そんな声も聞こえてきそうですが、さにあらず。
たしかに、つるかめ算自体はそこまで難しい問題ではないです。
しかし、つるかめ算の意味を正しく理解して、適切に使えるようになっているかは非常に重要です。
なぜかというと、つるかめ算的な処理というのは、様々なタイプの問題で必要になってくるからです。
「速さ」でも「比と割合」でも、あるいは「図形」でも、どこかでつるかめ算を使うことになる問題はあります。
また、理科の化学計算などでも、やはりつるかめ算が必要になってくる問題があります。
つるかめ算は、非常に利用する頻度の高い問題なのです。
多くの塾のカリキュラムや教材で、つるかめ算の学習がかなり早い段階に設けられているのはそのためです。

1年ほど前のことです。
受験Dr.でもベテランのある先生が、6年生の女の子のお子様を相手に授業をしていました。
理科の授業で、かなり難しい化学計算について演習と解説を行っていました。
私はたまたま授業がなかったので、別の仕事をしながら授業の声をこっそり聞いていました。
すると、授業も終盤に差しかかったときに、こんな声が聞こえてきました。
「そっかー、つるかめ算をやれってことかぁー。なるほどー」
私はその声を聞いたときに、「ああ、良い授業をされているなー」と嬉しくなり、一人でニヤニヤしていました。
つるかめ算を使うことを、生徒自身に気づかせるようにうまく誘導されていたからです。

大切なのはここです。
つまり、いつどんなシチュエーションなら、つるかめ算が使えるのか? これがわかるかです。
テストの際には、「これはつるかめ算ですよ」とは言ってくれません。
むしろ、それが簡単にはわからないように、巧妙に隠されていたりもします。
ですから、自分の頭でつるかめ算を使うタイミングを、適切に判断できないといけません。
ためしに、お子さんに「どんなときにつるかめ算を使うの?」と聞いてみてください。
もっとシンプルに「つるかめ算ってなに?」という質問でもいいです。
この質問にどんな答えが返ってくるかで、お子様の理解度がある程度わかります。

こういった質問に「面積図を書くやつでしょ」というような返事がある場合は、ちょっと注意してください。
たしかに、面積図を書いてつるかめ算を解くことはできます。
しかし、それはひとつの処理の仕方であって、つるかめ算の本質ではありません。
もしすべてが○○だったら? と仮定して変化を追いかけていく解き方もあります。
地道に書き出していって、答えにあてはまる数値を探すというのも、面倒くさくはありますが立派な方法です。
あるいは、消去算として立式して解く方法だってあります。
問題によっては、面積図では逆に処理しづらいタイプの問題もあります。

いつも書いていることですが、処理の仕方は自分にとって一番わかりやすい方法ならそれでいいのです。
様々なタイプの解法を知っていて、それが使い分けられるなら、なお良いです。
中学生以降の数学では、結局すべてを方程式として処理していくことになります。
ですから、処理の仕方を知っているというのは、大切なことではありますが、そこまで重要ではないのです。
つるかめ算ってなんなのか?
解法を知っていることよりも、こちらがわかっていることの方がよっぽど重要です。
解法の丸暗記的な勉強をしがちなお子様には、特にこの点を注意して見てあげてください。

では、つるかめ算ってなにか? ということを考えてみましょう。
以下の問題を見てください。
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どれもたしかにつるかめ算ですね。
しかし、なぜこれらの問題を見たときに、つるかめ算だとわかるのでしょうか?
どれもがつるかめ算だとわかる人は、なにか共通することを見抜いているはずですよね。
では、これらの問題に共通することはなんでしょう?
それは「2種類の合計が出てきている」ということです。
1問目は、頭の数の合計と足の数の合計が出てきますね。
2問目は、本数の合計と代金の合計、3問目は、個数の合計と重さの合計です。
どれも、2種類の合計が出てきていますね。
こういった問題に対して、それぞれの個数や量を考えるというのが、つるかめ算の本質です。

今度は、ぱっと見はつるかめ算には見えない問題を考えてみましょう。

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この場合も「2種類の合計」が出てきますね。
④は速さのつるかめ算です。
道のりの合計1200mと時間の合計13分という、2種類の合計が出てきます。
⑤は理科の化学計算の問題です。
銅とマグネシウムの合計30gと、酸化銅と酸化マグネシウムの合計45gという、2種類の合計が出てきます。
ということで、どちらもつるかめ算を利用することになります。
今回は解説を省力します。
解答は、このブログの最後にすべてつけてありますので、興味がある方は自分の力で解いてみてください。

繰り返しになりますが、大切なことはこれらの問題を見たときに、「あ、つるかめ算ね」と感じるかどうかです。
そのためには、簡単なつるかめ算を解くときから「2種類の合計」を意識していることが重要です。
基礎的なトレーニングの段階から、自分がやっていることの本質を意識して練習しましょう。
こういったことは、どんな分野の学習でも重要です。
簡単なことでも、ぼんやりと解いていてはダメなのです。

次回はつるかめ算の様々な処理の仕方について考えてみましょう。
では、また次回お会いしましょう!

解答 ①つる3羽、かめ6匹 ②鉛筆9本、ボールペン6本 ③おもりA5個、おもりB6個
    ④6分 ⑤銅12g、マグネシウム18g