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投稿日:2019年12月17日

テーマ: 算数

【場合の数】「言い換え」第二弾!

皆さま、こんにちは!
今年もあと少しで終わりですね。
年が明ければ、あっという間に受験シーズン突入です。
受験生のみなさんにとっては、残された時間はあとわずかです。
今年のことは今年のうちに。
やり残したことのないようにがんばってください。

さて、前回は問題の文章を「言い換える」ということについてお話しました・
今回はその第二弾です。
まずは下のような問題を考えてみてください。

場合の数 四角形はいくつ 1

何も知らないと地道に数えるしかないような気がするかもしれません。
もちろん、地道に数えて求めることも可能です。
ただし、その場合は丁寧に場合分けをしないと難しいです。
数え漏れや重複をどう防ぐかを意識しながら、地道に数えるしかないです。
今日は試しに、地道に数える方法からやってみましょう。
以下のように、四角形の形ごとに場合分けして、ひとつひとつ確認していきます。
四角形の形を決めたら、それを縦と横にスライドさせるようにして数えてみましょう。

場合の数 四角形はいくつ 2

これですべてですね。
ということで、12+8+9+6+4+3+6+3+4+2+2+1=60となり、答えは60個です。
これで答えはあっているのですが、かなり大変ですね。
ただ、これはこれでひとつの方法だということを、まずは知っておいた方が良いです。
このブログでは何度も強調しているように、地道に書き出して数える方法をバカにしてはいけません。
最悪の場合は地道に数えればいいと割り切れている方が、絶対に試験本番では強いです。
ポイントは、いかに速く正確に求めるかということです。
たとえ地道な方法であっても、そちらの方がより速く正確に求められる方法なら、それを選択すべきです。

先日の授業でこんなことがありました。
規則性の問題だったのですが、問題を前にして5分くらい考え込んでいるお子さんがいました。
何とか頑張って規則性から計算で求める方法を見つけようとしているのです。
しばらく見守ってあげようと思って待ったのですが、なかなか手が動きません。
もちろん、これはこれで悪いことではありません。
そうやって一生懸命に考えたことが、あとで力になることも絶対にあります。
しかし、その問題に関しては、すべて書き出すのに1分もかからない問題なのです。
しかも、書き出すことによって、規則性そのものがはっきりと見えてくるということも往々にしてあります。
算数においては、手を止めずに作業をする、ということが大切な場面が多いことを知っておきたいですね。
そのお子さんにも、とりあえず順々に書き出させてみました。
するとすぐに答えが出て、「なんだけっこう簡単に答えがでますね!」とおっしゃっていました。
そのうえでよりスマートな求め方を教えてあげると、とても感動していました。
こういう経験が大切ですね。

もちろん、簡単に処理できる方法があるのなら、それはそれで身につけておきたいのも事実です。
では、先ほどの問題に戻って、よりスマートな方法を確認しましょう。
この問題のポイントは、四角形を数える、ということにとらわれすぎないことです。
そうではなくて、どうすれば四角形がひとつに決まるのか?と考えるのです。
四角形というのは、縦2本の辺と、横2本の辺で作られます。
ですから、縦2本と横2本を決めてしまえば、自動的に四角形はひとつに決まります。
イメージは以下のようです。

場合の数 四角形はいくつ 3

わかりますか?
すると、この問題は次のように問われているのと同じことになります。

縦5本のうちから2本選び、さらに横4本から2本選ぶ方法は何通りありますか?

うまく「言い換え」られましたね?
ここまでくれば、あとは組合せの計算を利用して求めるだけです。
つまり、縦5本から2本選ぶ組合せは、5×4÷2=10 で10通り。
横4本から2本選ぶ組合せは、4×3÷2=6 で6通り。
そのふたつが同時に起こるので、10×6=60 で60通り。
ということで、先ほど求めた答えと同じように、60個であることがわかります。
この問題は、受験ドクターの『根本原理 実践編』の254番にも出てきますよ。

いかかでしょうか?
今回も、うまく「言い換える」(あるいは「見方を変える」)ことによって、組合せの計算が利用できました。
こういう求め方を最初に発見した人は、本当に頭の良い人だったんだなー、と実感しませんか?
算数のスマートな解法を知るたびに、私はいつもとても感動します。
そして、その感動があるからこそ、それを忘れないでいられるとも思っています。
みなさんも、新しい感動に出会えるように、日々の勉強を頑張ってください。
それでは、また次回お会いしましょう!

算数ドクター