皆さんこんにちは!
受験Dr.の清水栄太です。
「一生懸命覚えたのに、なぜかテストで点が取れない…」
お子さんの中学受験勉強を見守る親御さんなら、一度はこんな疑問を感じたことがあるのではないでしょうか。
特に夏期講習で基礎固めを頑張ったあと、この時期のテストで思うような結果が出ないと、親子ともに戸惑ってしまいますよね。
実は、こうした現象はインプットとアウトプットのバランスに原因があることが考えられます。
今回は、お子さんの学習を最大化するために知っておきたい、インプットとアウトプットについてお伝えします。
インプットに偏りがちな学習
受験勉強が本格化してくると、各分野で知識の抜けが目立つようになってきます。
「あれ? この言葉、前に習ったはずなのに…」という場面も増え、用語の暗記に追われる日々が続きます。
特に集団塾では毎日のように授業があり、小テストでの得点を重視するあまり、暗記の比重がますます高くなっていきます。もちろん、基礎知識のインプットは重要です。しかし、インプットだけでは得点につながらないという落とし穴があるのです。
「基礎固めしたのに点数が伸びない」現象
「基礎の補強と復習を夏で頑張ったのに、夏期明けのテストで得点が伸びなかった」
この現象の背景には、「アウトプットの機会不足」があると考えられます。
アウトプットが重要な3つの理由
では、なぜアウトプットがそんなに重要なのでしょうか。
①知識の定着を促す
人間の脳は「使った知識」を重要だと判断し、長期記憶に定着させます。ただ覚えただけの知識は、時間とともに忘れてしまいがちです。
②応用力を伸ばす
実際の入試問題では、覚えた知識をそのまま答えるだけの問題は限られます。複数の知識を組み合わせたり、異なる角度から考えたりする応用力も必要です。
③弱点の発見
アウトプットを通じて、「実は理解していなかった」「曖昧に覚えていた」という弱点を発見できます。また、選択問題におけるひっかけのパターンに敏感になります。
効果的なアウトプット学習法
では、具体的にどのようなアウトプット学習を行えばよいのでしょうか。
①説明する練習
過去問で間違えた用語を、説明する機会を設けてください。過去問のみではなく、塾の平常テキストで失点した用語でも構いません。
説明できる状態に仕上げることで、解答形式の変化にも対応しやすくなります。
②実践的な問題を解く
9月以降は過去問演習などで、実践的な問題に触れる機会が多くなることが一般的です。
「どう聞かれるのか」に注目し、出題傾向に慣れていきましょう。
③ 関連付けて考える
新しい知識を覚えたら、「これと関連することは何?」「なぜこうなるの?」と、自分なりに問いを立てて考えるようにしましょう。
◎ 発展例:
お子さん自身に問題を作ってもらうのも効果的です。問題作成には深い理解が必要で、記憶の定着にもつながります。
ご家庭でできるサポート
アウトプット学習において、ご家庭の役割は非常に重要です。
以下の4つを意識すると効果的です。
● 聞き役になる
お子さんが説明する場面では、しっかり耳を傾けてください。「なるほど」「よくわかったよ」などの反応が、お子さんのやる気を高めます。
● 質問を投げかける
「なぜそうなるの?」「ほかにも例があるかな?」と問いかけてあげると、理解が深まります。
● 間違いを恐れない雰囲気をつくる
アウトプットでは間違いもつきものです。
「間違ってもいいよ」と言える雰囲気を作ってあげてください。
● 塾との連携も忘れずに
集団塾では進度重視になりがちです。家庭学習では意識的にアウトプットの時間を取り、塾の先生とも連携しながら、お子さんに合った学習計画を立てていきましょう。
今回はここまで。
それではまた次回お会いしましょう!
応援しています!