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投稿日:2022年04月29日

テーマ: 理科

実は10種類しかない雲~身近な科学の話③

皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。

誰しも一度くらい、空に浮かぶ雲を見上げながら、
「あの雲、なんか『たい焼き』みたいな形してる!」
「こっちの雲はゾウさんだ!」
などという会話をしたことがあるのではないでしょうか?
特に幼い子どもの想像力には驚かされることが多いですね。

そんな風に、いろいろな形に見える雲ですから、
種類なんて無数にあるんじゃないかと思ってしまいますが、
現在の気象学(世界気象機関)の分類では、
「十種雲形(じっしゅうんけい)」と言って
何と10種類にまとめられているのです!

中学入試の理科で雲の名前を聞かれたときには、
基本的にはこの十種雲形で答えることになりますので、
しっかりと名前は覚えておいてください。

また、昔から一般的に使われている有名な雲の名前は、
この十種雲形にあてはめたときにどれにあたるのかを
知っておいた方が良いでしょう。
(上位校を中心に、ときどき出題されていますので。)

そんなわけで、今回は「雲の分類」がテーマです。

まずは、十種雲形に使われている、雲の名前を表す文字と
その意味をまとめます。

(1) 雲の高度を表す文字
 「巻(けん)」…地上5000~13000mあたりに現れる上層雲につけられる文字です。
 「高(こう)」…地上2000~7000mあたりに現れる中層雲につけられる文字です。

(2) 雲の形を表す文字
 「積(せき)」…かたまりになっている雲につけられる文字です。
 「層(そう)」…横にうすく広がった雲につけられる文字です。

(3) 雲の性質を表す文字
 「乱(らん)」…雨を降らせる雲につけられる文字です。

これらの文字を組み合わせてつけられた10種類の雲の名前に、
世間一般で呼ばれている雲の名前を結びつけていきます。
雲の姿を思い浮かべる手助けにもなるかもしれませんね。

【巻雲(けんうん)】
・筋(すじ)雲
・羽(はね)雲
・白州(しらす)雲

【巻積雲(けんせきうん)】
・鱗(うろこ)雲
・鰯(いわし)雲
・鯖(さば)雲
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  うろこ雲

【巻層雲(けんそううん)】
・薄(うす)雲
・霞(かすみ)雲

【高積雲(こうせきうん)】
・羊(ひつじ)雲

【高層雲(こうそううん)】
・朧(おぼろ)雲
・笠(かさ)雲 ※高層雲が山にかかったもので反対側には「吊るし雲」ができる

【層積雲(そうせきうん)】
・曇り(くもり)雲
・畝(うね)雲 ※畑に見られる土を盛り上げたところが「畝(うね)」
・村(むら)雲

【積雲(せきうん)】
・綿(わた)雲

【層雲(そううん)】
・霧(きり)雲
・雲海(うんかい)
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雲海

【乱層雲(らんそううん)】
・雨(あま)雲
・雪(ゆき)雲

【積乱雲(せきらんうん)】
・入道(にゅうどう)雲
・雷(かみなり)雲
・鉄床(かなとこ)雲 ※雲の上部が平らになった場合の呼び名

一生懸命受験勉強をしていると、ついつい下ばかり向いていますよね。
たまには空を見上げてみるのも良いのではないでしょうか?

次回も「身近な科学」を紹介していきます。
どうぞお楽しみに!

理科ドクター