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投稿日:2025年07月22日

テーマ: 理科

<中学入試・理科> カエルを取り巻く環境~2025年入試問題より~

今回も、2025年の入試問題をチェックしていきます。身近な存在であるカエルに関連する問題を見ていきます。

【問題】
問題文

父:まず知識問題から確認する。

(1)文中の(  a  )にあてはまることばをカタカナで答えなさい
(2)下線部Aについて、両生類の特徴としてあてはまるものはどれですか。次のア~オからすべて選び、記号で答えなさい。
ア 体の表面は粘膜で覆われている。
イ かたい殻のある卵を陸上に産む。
ウ 気温が変化しても、対応を一定に保つことができる。
エ 幼生の時は肺呼吸を行うが、生体になると、えら呼吸を行う。
オ 背骨を持っている。
(3)カエル以外で両生類に当てはまる生物の例を1つ答えなさい。
(5)文中の(  b  )~(  e  )に入ることばを記号で答えなさい。
(選択肢は省略しました)

(1) (5)の空欄に入る語については、
a: オタマジャクシ
b:後ろあし
c:前あし
d:オス
e:メス
(2)両生類の特徴は、
ア、オ
良夫:ここまでは習った通りだ。
父:(3)カエル以外の両生類とあるが、他に知っているものはあるか。
良夫:イモリ、サンショウウオ。意外と浮かばないな。
ウーパールーパーも両生類だよね。
父:うむ。生物名はメキシコサラマンダーだが、ウーパールーパーと答えても問題ないだろう。
良夫:あの顔の横に出ているひらひらが、えらなんだよね。
父:次に(6)を考えよう。

(6)下線部Cについて、この制度の名前は何ですか。次のア~オから1つ選び、記号で答えなさい。
ア みどりの環境税
イ 水源税
ウ 水と緑の森づくり税
エ 森林環境税
オ 炭素税

森林の保全や整備に役立てるための税金、とあるな。
良夫:知る由もない。
例によって、推理していくよ。「森林」に関係しそうなのは、
ア みどりの環境税と、エ 森林環境税
に絞られそうだ。あとは、ストレートなエを、正解と見るか、ひっかけと見るか。
父:そこまで来たら後は運を天に任せよう。当たる確率50%になった。
良夫:それで正解は?
父:ストレートなエだ。
良夫:森林環境税か。国民全員が対象なの?
父:ああ。一律1000円だ。
良夫:僕もとられるの。
父:未成年者だから対象外ということになる。
最後に、(4)を見ていくよ。

(4)下線部Bについて、カエルが減少している理由として当てはまらないものはどれですか。次のア~オから1つ選び、記号で答えなさい。
ア 農家の高齢化が進み、稲作をやめる人が増加した。
イ インターネットオークションで販売する目的で、乱獲された。
ウ 冬の間も水を張ったままの水田が増加した。
エ コンクリート製で深さのある水路が増加した。
オ 生息場所の外から持ち込まれた生物や病気の影響を受けた。

良夫:うーん。ア、エは聞いたことがある。習った範囲だと思う。オも正しそうだ。
イかウ、までは絞られた。
父:いいぞ。
良夫:ウは、正直よくわからないな。冬に水を張っていても、カエルに不都合はないような気がするし。
かといって、イだとすると、カエルを喜んで買う人がいるのか、疑問。そう考えるとイも理由にならないか。
父:当たる確率50%までたどり着いたのだから、大健闘だよ。
良夫:そう?
父:実は、イもウも、事実としては正しいんだ。
良夫:ふーん。
父:イのカエルの乱獲は、実際問題になっているそうだよ。
良夫:どんな世界にもマニアな人たちがいるわけか。
ウだけど、冬に田んぼに水を張る目的は何?
父:ウで示されている内容なんだけど、冬期湛水(たんすい)といって、土壌改良や、生物多様性の向上など、最近注目されている農法なんだ。
良夫:じゃあカエルが減る理由にはならないね。選択肢の内容自体は全て正しかったわけか。
父:理科の選択肢に特有のパターンと言えるな。
良夫:対策本も大事だけど、ニュースなどの身近な話題に触れておくことの重要性がわかる気がする。
父:さよう。何気に要求度の高い問題だった。

いかがでしたか。
(6)の森林環境税は、きわめて旬の短いネタに終わります。覚える必要はないでしょう。書かれている内容全体から判断材料を探すのがポイントです。
(4)はイとウが、時事的な内容になっています。後から言われてみればウが妥当に思えますが、解くときは迷うでしょう。他の受験生に負けない確率まで到達していればよしとしましょう。
また、「カエルが減少している理由として当てはまらない」ものを判断するところは、理科特有と言えるでしょう。選択肢そのものの正誤が問われているわけではないので要注意です。

それでは次回をお楽しみに。

理科ドクター