こんにちは。算数を担当しています佐々木裕子です。
本日は、場合の数に焦点を当てて3年生の問題と6年生の問題を比較していきたいと思います。
3年生で習うときの「場合の数」と、6年生で解く「場合の数」は、同じなのかまたはそうではないのかと申しますと、同じです。ただ、使われている言葉が違ったり、誘導しながら答えを導き出す方法を3年生では示し、6年生では問題の根本が和分解と順列が複合的にでていたりと、出し方が変わってきます。
具体的に見ていきましょう。
3年生バージョンでいくと、
11このキャラメルをけん君、みきちゃん、かなた君の3人で、もらえない人が出ないようにあまりなく分けます。ただし、けん君とみきちゃんのもらうこ数の合計が、かなた君のもらうこ数より少なくなるようにします。次の問題に答えましょう。ひつようであれば下の表を使って考えてもかまいません。
(1) けん君のもらうキャラメルが1こになるわけ方は何通りあるでしょう。
(2) (1)の分け方もふくめて、キャラメルの分け方は全部で何通りあるでしょう。
解答:
(1)けん君が1個の場合を表に書いて、みきちゃん、かなた君の個数が何個になるか書いてみましょう。
また、書き出すときに、小さい順などルールにしたがって書いていくと数えミスがなくなるでしょう。
(けん、みき、かなた)
(1,1,9)
(1,2,8)
(1,3,7)
(1,4,6)
と書き進めます。けん+みき<かなた の条件を満たすのは上記4つです。
答え.4通り

(2)では、けん君が2個、3個、4個・・・となるとき、みきちゃん、かなた君が何個になるか表を埋めてみよう。
(2,1,8)
(2,2,7)
(2,3,6)
(2,4,5)・・・←ただ、これは、けん+みき=2+4=6個となってしまい、かなた君の個数5個より多くなってしまいます。これは条件に合いません。
よって、けん君が2個の場合は3通り、
では、けん君が3個のとき、4個のときを条件に合わせながら書きすすめていきます。
(3,1,7)
(3,2,6)
(3,3,5)・・・←これは条件に合わない
(4,1,6)
(4,2,5)・・・←これは条件に合わない
ということになり、全部で、4+3+2+1=10通り
では、6年生で出てくる問題ではどうでしょうか。
問題:
ガム、キャラメル、キャンデーがそれぞれたくさんあります。この中から7個を選び、袋に入れてお菓子のつめ合わせ袋を作ろうと思います。どのお菓子も必ず1個以上は入れるとすると、異なるつめ合せ袋は何種類できますか。
少なくとも1種類以上は詰めるので、7-3=4個、残り4個のつめ方になります。
ガム、キャラメル、キャンデー
(4,0,0 )
(3,1,0)
(2,2,0)
(2,1,1)
と分け方は4種類になります。
その4種類を今度は、並べ替えると、
(4,0,0)←3通り どれが4個になるかなので
(3,1,0)←3×2×1=6通り
(2,2,0)←3通り どれが0個になるかなので
(2,1,1)←3通り どれが2個になるかなので
よって、3×3+6=15通り
3年生では、誘導式で条件があり、11個の和分解で、人が限定されていました。
6年生では、和分解+順列というように複合的アプローチが必要になります。
組合せと順列の融合です。3年生では、誘導式になっていたからと言って、簡単かというとそうでもないです。
「和分解」という言葉は3年生ではでてこないかもしれませんが、いずれ6年生になったときに、結び付けて解けるようにしていくことが大切です。
そのためにも、
3年生の段階から、考え方の根本は同じなので、
「どうやって場合分けしたか」の理由を言えるようにしておくとよいでしょう。
「なんで?」と聞いてあげることから始めるといいでしょう。