最新記事 2020年06月26日

テーマ: 理科

新型コロナと中学受験――理科の時事問題はどうなる? Part.2

 

皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。

 

新型コロナウィルスに関する入試時事問題の可能性を考えるブログの第2弾です。

 

前回のブログでは、いずれもその当時としては「新型」であったコロナウィルスによってもたらされた、
「MERS(マーズ・中東呼吸器症候群)」 と 「SARS(サーズ・重症急性呼吸器症候群)」
の流行を基にした時事問題が、(私が探した限りでは)ほぼなかったという話をしました。

 

今回は3つ目の例から見ていきます。

 

 

③ 過去の例に学ぶ ~ 2009年新型インフルエンザ

 

私たち一般人が、初めて「パンデミック」という言葉に触れたのが、
2009年の春ごろから2010年の3月にかけて世界的に大流行した
「2009年新型インフルエンザ」でした。

 

厚生労働省の資料を見ると、終息後の2010年5月21日現在で、
 ● 214の国と地域で感染を確認
 ● 死亡者数全世界で18,097人以上
とのことでした。
もちろん、日本でも感染が確認されており、200人以上の方が亡くなっています。

 

この、新型インフルエンザの流行を受けて、次のような問題が中学入試で出題されています。

 

 

青山学院横浜英和中 2010年度 大問5

 

病気からからだを守るしくみについて、以下の問いに答えなさい。

 

私たちには侵入してきたウィルスから身を守るため、ウィルスが体内に入ると、次の感染に備えるしくみがはたらきます。そのため、次に同じウィルスが体内に入ってきても、発病しにくくなります。
現在、世界中で新型インフルエンザが大流行しています。インフルエンザの予防にはワクチンの接種が効果的で、新型インフルエンザの発病をおさえるために、世界中でワクチンの生産・開発を行っています。ワクチンとは、無毒なものにしたウィルスです。

 

(1) 体内に侵入したウィルスから身を守る血液中の成分は何ですか。漢字で答えなさい。

 

(2)なぜワクチンを接種するとインフルエンザを発病しにくくなるのですか。次から1つ選び、記号で答えなさい。
ア.ワクチンがからだの中で増えて、ウィルスを攻撃するから。
イ.ワクチンがエネルギーを作って、体力がつくから。
ウ.ワクチンが体内に入ることで、体内でウィルスを分解する物質が作られるから。
エ.ワクチンがからだの外に放出されて、ウィルスが入ってくるのを防ぐから。

 

(3)新型インフルエンザの人への感染の流行が最初に見つかったのはどこの国ですか。

 

【解説と解答】
(1) これは、一般的な人体の問題ですね。
 血液の成分の中で、体内に侵入したウィルスから身を守るのは「白血球」です。
(2) ワクチンの仕組みについての出題ですが、知識を要求しているものではありません。
 リード文の中に、ちゃんとヒント(答え?)が書いてあるのです。
 文章中に、「ワクチンとは、無毒なものにしたウィルスです。」と書かれていますね。
 つまり、ワクチンを接種するのは、ウィルスを体内に入れるのと同じことなのです。
 そして、「ウィルスが体内に入ると、次の感染に備えるしくみがはたらきます」とも書いてあります。
 つまり、ワクチン自体が病気を治すのではなく、体の方が準備をするのです。
 人体の方が何かを用意するという選択肢は「ウ」しかありませんから、これが正解だと分かります。
(3) これは本当の時事問題ですね。その当時のニュースを見ていないと答えられないでしょう。
 このインフルエンザが、はじめに集団発生したのは「メキシコ」でした。

 

 

新型コロナウィルスは、2021年度入試で出題されるのか?

 

いよいよ結論です。
未来のことですから断言はできませんが、出題される可能性は十分あると思います。

 

確かに、過去に出題された「新型インフルエンザ」は、今回の新型コロナウィルスとは違って
「若年層の方が重症化しやすかった」という特徴があった分、学校関係者には深刻でした。
その分、出題されやすかったのかもしれません。
しかし、大々的な休校という点では、今回の方が影響は大きかったと言えるのです。

 

ただし、出題されたとしても、新型コロナウィルス自体の知識を求めるものではなく、
上記のようにリード文から読み取る形のものが中心でしょう。
ニュースだけはしっかりとチェックしておくようにしてください。