最新記事 2019年07月29日

テーマ: 理科

リード文を読む理科入試問題・対策編③-連想力編

皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。

今回も、「リード文を読む」理科入試問題の対策編です。

これまでのブログでは、リード文問題で求められる力を、
「①読解力」・「②理解力」・「③活用力」・「④連想力」・「⑤考察力」の五つに分けて分析してきました。

その中でも、今回は主に「④連想力」の対策を考えていきます。

前回の「活用力」では、いかに似ている考え方を連想できるかがカギだという話をしました。
そうなると、今回のテーマである「連想力」と何が違うのか? と思われるかもしれませんね。

活用力で求められる連想は、計算の仕方や規則性の類似点を連想するものでしたが、
今回のテーマである「連想力」は、知識事項どうしの関連を連想するものです。

私たちの知識(=記憶)は、様々なものと互いに結びつき、
網の目状に関連したネットワークが作られた方が強くなると言われています。

実は、対策編①で「キーワードを利用した学習」を推奨した背景には、
この「知識のネットワーク」を構築してほしいという狙いもあったのです。

例えば、対策編①で例示した、「二酸化炭素」というキーワードを中心としたネットワークを、
図のイメージにしてみるとこんな感じになります。

リード文

このような「知識のネットワーク」を活かして、正解にたどり着くためのヒントを
見つけていく力が「連想力」なのです。

では、次の問題をご覧ください。

植物のからだは、花、葉、茎、根からできています。葉の裏には気孔が多く見られ、植物のからだの水が不足すると、気孔は閉じます。これは( a )を防ぐためです。
マメ科の植物であるダイスを畑からぬいてみると、根に図1(※省略します)のような粒状のものが見られます。これは、根粒菌という微生物がつくり出した根粒というものです。
根粒菌は、空気中に最も多く含まれる( b )をもとにつくった物質を植物に与えます。
一方、ダイスは空気中の( c )と水をもとに光合成を行い、その結果つくられた物質を根粒菌に与えます。根粒は、ダイスのようなマメ科の植物の根に見られます。

こんなリード文があった後、問1で( a )~( c )だけ埋めさせたら、
問2には(1)~(3)まで、根粒菌とはまったく関係ない問いがしばらく続きます。

そして、問3で次のような問題が出てくるのです。

最近はほとんど見られなくなりましたが、かつては春先の田んぼにレンゲソウ(ゲンゲ)と
よばれるマメ科の植物の花が咲いていることがありました。
これは、農家が前年に種をまいたものです。
農家は田植えの前にレンゲソウを機械で土の中に混ぜこみます。
この理由を答えなさい。

さあ、難しいですね。
実際の入試では、問2が挟まることで、さらに解きにくくなっています。

この問題を解くカギは、まさに「連想力」なのです。

別の植物を育ててしまったら、肥料がなくなって、土地がやせてしまう気がしますよね?
そのマイナスを補う魅力が「レンゲソウ」にはあるということです。
そういう目で問題文を読むと、わざわざ
 「レンゲソウ(ゲンゲ)とよばれるマメ科の植物」
と書いていることに気づくと思います。

連想の手順としては、このようになります。
(1) この「マメ科」から、リード文の話を思い出す。
(2) 根粒菌は、空気中から取り入れた「窒素」を植物に与えると書いてあった!
(3) 窒素と言えば、三大肥料の一つだが、普通は空気中の窒素は使えない。
(4) マメ科の植物にしかつかない根粒菌に窒素肥料をつくらせて、
  それを自分たちが育てている作物に与えようとしているに違いない!

ここで、問題と解答をつないでいるのは(3)の連想です。
リード文で得た「根粒菌は空気中で一番多い気体(窒素)を取り入れることができる」
という知識を、もともと持っている「三大肥料」という知識とつなげられるか?!
そのために、三大肥料の「窒素」と、空気中で78%を占める「窒素」が結びついているか?!

知識のネットワークが試される問題なのでした。

次回は、「リード文問題対策」の最終回をお届けします。
どうぞお楽しみに!